フィオナの海/THE SECRET OF ROAN INISH
1994年・アメリカ映画
監督・脚本:ジョン・セイルズ 製作:マギー・レンジー、サラ・グリーン 原作:ロザリー・K・フライ 撮影:ハスケル・ウェクスラー 音楽:メイソン・ダーリング 出演:ジェニー・コートニー、ジェニー・コートニー、ミック・ラリー、リチャード・シェリダン、ジョン・リンチ、スーザン・リンチ、シリアン・バーン
『フィオナの海』はジョン・セイルズ監督がアイルランドを舞台に描いた心に響く美しい珠玉の映画。少女フィオナを演じるのはこの作品で映画デビューの演技経験のない愛らしい少女ジェニ・コートニー。でも、ただ可愛いというのでもなく、この幻想的でファンタジックでもあるお話の主人公にピッタリの妖精のような不思議な魅力を湛えた少女。この当時10歳頃のよう。私はこのような伝承民話や妖精伝説ものがとても好きな上に、可愛い少女が主役で、かつ家族と自然との深い繋がりを描いたものはたまらなく好き!アイルランドというと『ライアンの娘』(名作!)を想い出したり、ケルト神話、イングランドとの闘いの歴史も関係しているので、そうした歴史的背景も。
原作は英国のロザリー・K・フライの小説『ロン・モル・スケリーの秘密』を基に、ジョン・セイルズ監督が脚本・映画化されたもの。時代は1940年代。祖父母と従兄弟と暮らしている少女フィオナ。その島に辿り着いた時、一人で船に乗るこの少女をアザラシが見つめていた(この映画の原題は『ローン・イニッシュの秘密』で、ローン・イニッシュとはゲール語で”アザラシの島”という意味)。嘗てそのローン・イニッシュ(今は無人島)でフィオナの家族は暮らしていたのだけれど、母親を病気で亡くした家族はその島を離れることになる。その途中にフィオナの弟ジェミーは海にさらわれてしまい、行方不明となっていた。優しくあたたかくフィオナを迎える祖父母と従兄弟。祖父がフィオナに色々な昔話をする。そんな中、不思議な力で海にさらわれたジェミーのお話も。祖父は半ば彼の生存を諦めているけれど、フィオナはきっと弟が生きていると信じる。そして、そのローン・イニッシュを訪れると、不思議な男性タッドに出会う。彼はフィオナの父の従兄弟で皆からは変わり者とされている。このタッドがフィオナに、”祖先にはアザラシの妖精セルキーと結婚した者がいる。その時から、家系には妖精の血を濃く受け継いだ黒い髪の者が生まれるようになり、弟のジェミーもその中の一人なのだ”と語る。フィオナの信じる心は美しく尊い!もう何だか泣けてくるのだけれど、その純粋な気持ちは再度島を訪れた時に、お花を摘む少年をフィオナは見つける!正しく弟ジェミーだった。彼の名を叫んだけれど彼は揺り籠に乗って海を漂いながら行ってしまうのだった。祖父母は今住んでいる家を立ち退かなくてはならない。フィオナは嘗て住んでいたローン・イニッシュに家を再建しようと相談する。そうして、家族が戻ってきたらきっと、弟ジェミーも帰ってくると信じて。そして、嘗ての家を修復し嵐の夜に一家はローン・イニッシュに渡った。すると、夜になり揺り籠に乗ったジェミーがアザラシに導かれて家族の待つ浜辺に帰ってきたのだった☆
生きるもの、生命のあるものは全て尊い存在だと想う。いつの間にか、すっかり地球で権威を振るう人間はもしかすると最も野蛮な生き物かもしれない...なんて想ったりしてしまう。こうした珠玉の一編を鑑賞することで、自然の尊さ、緑や大地、草花や生き物たちと共に生きているのだと心洗われる感銘で胸がいっぱいになる。なので、私は妖精を信じているのだけれど...まだ逢えない。こうした風土、自然との共存というか調和の歴史を持つアイルランド。私の好きな井村君江さまが語っておられた。
すべての生き物や自然のなかに、人間と同じ命を感じるアニミズム(物活論)の精神は、八百万の神を信じるわが国と共通するものである。これは、いわば草木など自然の森羅万象に精霊を見るパンセイズム(汎神論)の考えと言ってもいいであろう。※『フィオナの海』 妖精の末裔少女フィオナ(ジェニ・コートニー:JENI COURTNEY)♪として綴ったものです。
- 2008/05/29(木) 23:31:00|
- 少年・少女映画(『クララの森・少女愛惜』へ!)|
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いつか眠りにつく前に/EVENING2007年・アメリカ/ドイツ合作映画
監督:ラホス・コルタイ 原作・脚本:スーザン・マイノット 出演:ヴァネッサ・レッドグレイヴ、クレア・デインズ、トニ・コレット、ナターシャ・リチャードソン、メイミー・ガマー、メリル・ストリープ、パトリック・ウィルソン、ヒュー・ダンシー、アイリーン・アトキンス、グレン・クローズ、バリー・ボストウィック、エボン・モス=バクラック
つい先日、お友達と『エリザベス ゴールデン・エイジ』を観に行く日のこと。ランチをご一緒して時間は余裕のはずだったけれど、私が食べるのが遅いこと、楽しいお話が弾んでいたこと....上映時間が過ぎ次の時間に予定を延長しようとゆっくりしていた。しかし、その後の上映は夜の部しかなく帰宅が随分遅くなってしまうと焦る。会場に向かいちょうど上映時間前の『いつか眠りにつく前に』を合意の下観たのだった。チラシは表紙だけ見ていたのだけれど、クレア・デインズが主役でヴァネッサ・レッドグレイヴやメリル・ストリープ達大物女優方は脇役だと思っていた。でも、クレア・デインズ好きだし〜♪とワクワクと席に着き予告編などを。そして、始まった途端!!もう感動☆我ながら呆れるのだけれど、多分自分で思っている以上にヴァネッサ・レッドグレイヴが大好きなのだと思う。海のボートに白いブラウス姿の若き日のアン(クレア・デインズ)と岸壁に黒いロングドレスに身を包み神々しく立っている死を目前とした老女のアン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)の姿が映し出された。そして、”この映画を今日観なさいということだったのね”とお友達とも語った。彼女にもお伝えしたのだけれど、私は歳のせいか...映画でも実生活でも年老いたお方のお顔や手などの皺を見るのが好きなのだ。好きということばが適切かどうかも分からないけれど、皺はその人の歩み、生きてきた証し、年輪として刻まれるものなので、とても尊く美しいと思えるのだ。今のハリウッド女優さまの多くは皺取りや整形...が公然とされているけれど、英国の誇り!のような大女優のヴァネッサ・レッドグレイヴのお顔や手の甲の皺がアップで映される度に畏怖の念のような気持ちと共に、私の両親の死がオーバーラップもした。父は末期癌だったので最期はこの映画のレッドグレイヴのように、痛みを抑えるためにモルヒネを打たれた。すると、朦朧としながらも独り言を言ったり何か書いている気でいるようだったり...と不思議な光景だった。父はその時間もあまり長くはなかったけれど。
トニ・コレットとナターシャ・リチャードソン(ヴァネッサ・レッドグレイヴの実の娘さま)が死の床の母を看取るのだけれど、母のうわ言から聞いた事の無い名前が幾度も。”ハリス”...40数年前の若き日の記憶に戻っているのだった。そして、死を目前にしてようやく声にした最も(ずっと)愛していた男性ハリス(パトリック・ウィルソン)。歌手として成功したい夢を持っていた若き日、ボーイフレンドのバディ(ヒュー・ダンシー)、親友のライラ(メイミー・ガマー、メリル・ストリープの実の娘さま)とのすれ違う2日間の出来事(過ちだとアンは心に留めていた)。死の時に、それまでの想い出が走馬灯のように駆け巡るのだというけれど、私の死の時は何を想い、誰の名をうわ言で言うのだろう...。
トニ・コレットとナターシャ・リチャードソンも好き。さらに、大物!グレン・クローズとメリル・ストリープの登場シーンは多くはないけれど貫禄というのか凄い!という感じがした。また、もうお一人!!アイリーン・アトキンスも好きな英国の至宝女優さま♪ヴァネッサ・レッドグレイヴとの共演で思い出すのは、『ダロウェイ夫人』!!また、レッドグレイヴ〜メリル・ストリープ(『ジュリア』もあるけれど)〜グレン・クローズの共演となると、『愛と精霊の家』(ジェレミー・アイアンズがここでも素晴らしい!)を想い起こしたりしながら観ていた。芸歴の長い女優さまたち、こんなに好きな女優さまが揃って出演している作品とは知らずに、観る予定ではなかった作品なのに観て良かった!と心から思えた。
結婚や出産に戸惑う次女のニナ(トニ・コレット)に、最期に母が床で言う。
「幸せになろうと努力して。人生に過ちなんてないのよ。」
この言葉をヴァネッサ・レッドグレイヴのあのお声が語る、死の直前の母の言葉、生きてきた人の言葉として、私はこの映画の物語以上のものをこの最期の言葉から得ることができたように思えた。その前に、危篤の知らせを受けて数十年ぶりに会う老いたライラ(メリル・ストリープ)が駆けつける。ふたりだけでベッドで手を握り合い語り合うシーンがこの最期の言葉の感動にも繋がっていると思う。

☆ストリープとレッドグレイヴ☆
- 2008/03/02(日) 05:35:41|
- 家族ドラマ・群像劇・女性映画|
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主演男優賞[Actor in a leading role]
[ノミネート]
ジョージ・クルーニー『Michael Clayton/フィクサー』
ダニエル・デイ・ルイス『There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
ジョニー・デップ『Sweeney Todd/スウィーニー・トッド〜フリート街の悪魔の理髪師』
トミー・リー・ジョーンズ『In the Valley of Elah/告発のとき』
ヴィゴ・モーテンセン『Eastern Promises/イースタン・プロミセズ』
主演女優賞[Actress in a leading role]
[ノミネート]
ケイト・ブランシェット『Elizabeth: The Golden Age/エリザベス〜ゴールデン・エイジ』
ジュリー・クリスティ『Away From Her/アウェイ・フロム・ハー〜君を想う』
マリオン・コティヤール『La Vie En Rose/エディット・ピアフ〜愛の讃歌』
ローラ・リニー『The Savages/ザ・サベージ』
エレン・ペイジ『Juno/ジュノ』
助演男優賞[Actor in a supporting role]
[ノミネート]
ケーシー・アフレック『The Assassination of Jesse James/ジェシー・ジェームズの暗殺』
ハビエル・バルデム『No Country for Old Men/ノーカントリー』
フィリップ・シーモア・ホフマン『Charlie Wilson's War/チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』
ハル・ホルブルック『Into the Wild/イントゥ・ザ・ワイルド』
トム・ウィルキンソン『Michael Clayton/フィクサー』
助演女優賞[Actress in a supporting role]
[ノミネート]
ケイト・ブランシェット『I'm Not There/アイム・ノット・ゼア』
ルビー・ディー『American Gangster/アメリカン・ギャングスター』
セルシャ・ローナン『Atonement/つぐない』
エイミー・ライアン『Gone Baby Gone/愛しき者はすべて去りゆく』
ティルダ・スウィントン『Michael Clayton/フィクサー』
監督賞[Directing]
[ノミネート]
ジュリアン・シュナーベル『The Diving Bell and the Butterfly/潜水服は蝶の夢を見る』
ジェイソン・ライトマン『Juno/ジュノ』
トニー・ギルロイ『Michael Clayton/フィクサー』
イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン『No Country for Old Men/ノーカントリー』
ポール・トーマス・アンダーソン『There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
長編アニメ賞[Animated Feature Film]
[ノミネート]
『Ratatouille/レミーのおいしいレストラン』
『Persepolis/ペルセポリス』
『Surf's Up/サーフズ・アップ』
外国語映画賞[Foreign Language Film]
[ノミネート]
★Beaufort/ボーフォート〜レバノンからの撤退(イスラエル)
★The Counterfeiters/ヒトラーの贋札(オーストリア)
★Katyn/カティン(ポーランド)
★Mongol/モンゴル(カザフスタン)
★12(ロシア)
脚本賞[Original Screenplay]
[ノミネート]
★Juno/ジュノ
★Lars and the Real Girl/ラース・アンド・ザ・リアル・ガール
★Michael Clayton/フィクサー
★Ratatouille/レミーのおいしいレストラン
★The Savages/ザ・サベージ
脚色賞[Adapted Screenplay]
[ノミネート]
★Atonement/つぐない
★Away from Her/アウェイ・フロム・ハー〜君を想う
★The Diving Bell and the Butterfly/潜水服は蝶の夢を見る
★No Country for Old Men/ノーカントリー
★There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
美術賞[Art Direction]
[ノミネート]
★American Gangster/アメリカン・ギャングスター
★Atonement/つぐない
★The Golden Compass/ライラの冒険〜黄金の羅針盤
★Sweeney Todd The Demon Barber of Fleet Street/スウィーニー・トッド〜フリート街の悪魔の理髪師
★There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
撮影賞[Cinematography]
[ノミネート]
★The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford/ジェシー・ジェームズの暗殺
★Atonemen/つぐない
★The Diving Bell and the Butterfly/潜水服は蝶の夢を見る
★No Country for Old Men/ノーカントリー
★There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
衣装デザイン賞[Costume Design]
[ノミネート]
★Across the Universe/アクロス・ザ・ユニバース
★Atonement/つぐない
★Elizabeth: The Golden Age/エリザベス〜ゴールデン・エイジ
★La Vie en Rose/エディット・ピアフ〜愛の讃歌
★Sweeney Todd The Demon Barber of Fleet Street/スウィーニー・トッド〜フリート街の悪魔の理髪師
編集賞[Film Editing]
[ノミネート]
★The Bourne Ultimatum/ボーン・アルティメイタム
★The Diving Bell and the Butterfly/潜水服は蝶の夢を見る
★Into the Wild/イントゥ・ザ・ワイルド
★No Country for Old Men/ノーカントリー
★There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
メイクアップ賞[Makeup]
[ノミネート]
★La Vie en Rose/エディット・ピアフ〜愛の讃歌
★Norbit/マッド・ファット・ワイフ
★Pirates of the Caribbean: At World's End/パイレーツ・オブ・カリビアン〜ワールド・エンド
作曲賞[Music (original score)]
[ノミネート]
★Atonement/つぐない
★The Kite Runner/君のためなら千回でも
★Michael Clayton/フィクサー
★Ratatouille/レミーのおいしいレストラン
★3:10 to Yuma
オリジナル歌曲賞[Music (original song)]
[ノミネート]
★Falling Slowly『Once/ダブリンの街角で』
★Happy Working Song『Enchanted/魔法にかけられて』
★Raise It Up『August Rush/オーガスト・ラッシュ』
★So Close『Enchanted/魔法にかけられて』
★That's How You Know『Enchanted/魔法にかけられて』
音響賞(録音賞)[Sound Mixing]
[ノミネート]
★The Bourne Ultimatum/ボーン・アルティメイタム
★No Country for Old Men/ノーカントリー
★Ratatouille/レミーのおいしいレストラン
★3:10 to Yuma
★Transformers/トランスフォーマー
音響編集賞[Sound Editing]
[ノミネート]
★The Bourne Ultimatum/ボーン・アルティメイタム
★No Country for Old Men/ノーカントリー
★Ratatouille/レミーのおいしいレストラン
★There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
★Transformers/トランスフォーマー
視覚効果賞[Visual Effects]
[ノミネート]
★The Golden Compass/ライラの冒険〜黄金の羅針盤
★Pirates of the Caribbean: At World's End/パイレーツ・オブ・カリビアン〜ワールド・エンド
★Transformers/トランスフォーマー
ドキュメンタリー賞[Documentary Feature]
[ノミネート]
★No End in Sight
★Operation Homecoming: Writing the Wartime Experience
★Sicko/シッコ
★Taxi to the Dark Side
★War/Dance
ドキュメンタリー短編賞[Documentary Short Subject]
[ノミネート]
★Freeheld
★La Corona (The Crown)
★Salim Baba
★Sari's Mother
実写短編賞[Live Action Short Film]
[ノミネート]
★At Night
★Il Supplente (The Substitute)
★Le Mozart des Pickpockets (The Mozart of Pickpockets)
★Tanghi Argentini
★The Tonto Woman
アニメーション短編賞[Animated Short Film]
[ノミネート]
★I Met the Walrus
★Madame Tutli-Putli
★Meme Les Pigeons Vont au Paradis (Even Pigeons Go to Heaven)
★My Love (Moya Lyubov)
★Peter & the Wolf
ゴールデン・グローブ賞の受授賞式はストで中止だったけれど、このノミネートを知りワクワクしているところ。ジョニー・デップの可能性高いと想うのですが、ダニエル・デイ・ルイスの名があるので是非!2度目のオスカーを♪という気持ちです。トミー・リー・ジョーンズもまだ主演男優賞ではオスカー獲っていないのでは...とか、作品も未見なので何とも言えませんが楽しみです。
また主演女優のノミネートに、ズラリ!!並ぶこの名女優方。フランスのマリオン・コティヤールに獲って頂きたいかな。ケイト・ブランシェットは大好きですし『エリザベス〜ゴールデン・エイジ』はもうすぐ関西公開で待ち遠しくしているのですが、ケイトは今後も幾度もノミネートを重ねるお方に思うのでチャンスから考えると、感動した『エディット・ピアフ〜愛の讃歌』のマリオン・コティヤールにと☆
またまた、助演女優賞ですが!!ここにもケイト・ブランシェットが居られますが、ティルダ・スウィントンに獲って頂きたいと熱望しているところです。この作品も早く観たいと思っています。
2/24(日本時間の25日)の発表が楽しみです♪
- 2008/02/07(木) 03:09:09|
- 個人的な大ニュース!|
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