★映画の宝石箱★美しき菫色の刻に愛を込めて☆ナルキッソスの鏡あるいは自惚れ鏡♪

楽の音は、小声で歌われる歌詞が消えても思い出の中でこだまする。by パーシー・ビッシュ・シェリー

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初恋 ~ファースト・ラブ~

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初恋~FIRST LOVE~ 西ドイツ/アメリカ合作映画 1970年
監督:マクシミリアン・シェル 出演:ドミニク・サンダ、ジョン・モルダー=ブラウン、ヴァレンティナ・コルテーゼ、マクシミリアン・シェル

「あなたの好きな俳優さんは?」と尋ねられたなら。男優さんの名前は5,6人はスラスラと出て来ますが、女優さんとなると何十人もの名を次々と並べることになる私です。その時、いつも最初に挙げる人は決まっています。2番目も。その私の一番大好きな女優さんはドミニク・サンダ!日本未公開ものも沢山あるのですが、彼女の名を見つけたものはかなり観ています。どれも好きなのですが、19才の時の主演第3作目となる1970年の「初恋」は中でもとっても大好きな作品です。

原作はロシアの文豪ツルゲーネフ。16歳の少年が別荘で過ごした数週間。その間に年上の女性に初恋し、その愛した人が父親の愛人であると知った少年のナイーブに揺れ動く心理を見事に描いたものです。その年上の女性:ジナイダー役がドミニク・サンダ。このジナイダー役のイメージはドミニク・サンダにピッタリです。少年:アレキサンダー(原作ではヴラジーミル)に対して、異常な程の寵愛ぶりを見せるかと思えば、ある時はサディスティックにいじめるという、得体の知れない神秘的な存在。当時のロシアの旧体制崩壊という時代背景と共に、この没落貴族の令嬢の気高き誇りと現実との狭間でバランスを崩す精神状態を想像するととてつもない想いがします。そんなジナイダー役を見事に演じてしまうサンダ。美しい映像の中でサンダの身に纏っている長いドレスも実に素敵です。この美しい映像を撮影しているのはスヴェン・ニクヴィスト(ベルイマン作品でも有名)で、ハンガリーを中心にヨーロッパ各地でロケを行ったもの。この耽美的でかつロマンティックで詩的な風景達と共に、好感の持てる爽やかなマスクの英国少年俳優のジョン・モルダー=ブラウンと気高き妖精!ドミニク・サンダのふたりのキャスティングは見事だと思います。当時19歳とは思えないドミニク・サンダですが、私はこの方の持つ(どの作品にも表れる)孤高の冷たい眼差しが死ぬ程大好きなのです。その視線はどこか危うくて何もかも見抜いている様でもあり、途方も無い彼方に向けられている様でもあります。美少女、ロリィタも大好きですが、この方だけはどこにも属さない存在。私にとってのまだ未知の妖精の国、あるいは150年~200年前から生き続けている架空の夢物語りのヒロイン...。私の心の中にいつもしまってある一際気高き輝きを放ち続けている宝石の様な大切な存在です。ドミニク・サンダを想うだけで緊張してしまう程に大好きな極限の美!

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  1. 2007/01/06(土) 00:00:00|
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オルランド

オルランド 特別版 オルランド
監督:サリー・ポッター 出演:ティルダ・スウィントン、シャルロット・ヴァランドレイ、ヒースコート・ウィリアムズ、ロテール・ブリュトー(1992年・イギリス/ロシア/イタリア/フランス/オランダ合作映画)

何からお話したら良いのだろう...もう、この作品は私の抱えていたものを代弁してくださる、そんな幸せな映画。男性から女性に変わった主人公オルランドが、「同じ人間。何も変わらない、性が変わっただけ」と語る。サリー・ポッター監督はさらに天使がオルランドを迎えに来るという夢のような結末で描いている。原作はヴァージニア・ウルフ。それを監督が何度も読み返しては書き繰り返したという。そして、主役のオルランド役にはこのお方しかいないだろう!というティルダ・スウィントン☆この中性的な性別を超えた美しい存在。さらに400年もの時空をも軽く超えてしまう。何を着ても素敵なティルダですが、この映画の楽しさのひとつに各時代の様式がお衣装などでも堪能でき嬉しい。ルネサンス~バロック~ロココ~ヴィクトリア時代。こういう楽しみがあるので文芸ものが好きなのかも。エンディングの歌では、ジミー・ソマーヴィルとサリー・ポッターがデュエットしている。この曲がまた幸福感を倍増するのだ。両性具有という言葉、あるいはアンドロギュヌスについて興味があり調べたりした時期があった。今もこういうテーマは異常に好きなよう。何故だろう?まぁ好きなのだからいい。ヴァージニア・ウルフについても触れたいけれど、またの機会に。でも、ちょっと澁澤龍彦さまのお言葉を追記させていただこう~♪

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  1. 2007/01/02(火) 01:11:41|
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ブリキの太鼓

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ブリキの太鼓/DIE BLECHTROMMEL 1979年 西ドイツ/フランス合作
 
監督:フォルカー・シュレンドルフ 
製作:フランク・ザイツ、アナトール・ドーマン 
原作:ギュンター・グラス 
脚本:ジャン=クロード・カリエール、フォルカー・シュレンドルフ 
撮影:イゴール・ルター 
音楽:モーリス・ジャール 
 
出演:ダーヴィット・ベネント、マリオ・アドルフ、アンゲラ・ヴィンクラー、カタリナ・タルバッハ、ハインツ・ベネント、ダニエル・オルブリフスキー、シャルル・アズナヴール

ギュンター・グラスの原作を映画化したもの。おそらく最も有名なニュー・ジャーマン・シネマではないだろうか。各国で多数の賞に輝いている。正直なところ、初めて観た時は気持ち悪かった。でも幾つかのシーンが焼きついていた。それらは私の好きな色彩、映像美だと今だと言える。1924年、3歳で大人になる事を止めたオスカル(ダーヴィット・ベネント)、彼の奇異な周りの大人たち、当時のナチス台頭のポーランドの緊張。そんな中1cmたりとも成長せず、嫌な事があると太鼓を叩きながら奇声を発しガラスを割るという超能力を身につけたオスカル。女中としてやって来た義母マリア(カタリーナ・タールバッハ)との関係、この16歳の少女(実はオスカルと同い年)は父親の子を産む...異常な倒錯した世界を描きながらも美しい。特にマリアとの関係のシーンのエロティシズムには息を呑む。サーカス団の小人達との行進、ユダヤ人のおもちゃ屋マルクス役でシャルル・アズナヴールが出てくるところも好き。でも美しいけれどグロテスク。そこがこの映画の魅力であり、ギュンター・グラスの世界なのかもしれない。モーリス・ジャールの音楽も素晴らしいと思う。

★1979年度アカデミー賞:外国語映画賞受賞
★1979年度カンヌ国際映画祭:パルム・ドール受賞(フォルカー・シュレンドルフ)




  1. 2006/06/18(日) 22:46:22|
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ヴェニスの商人

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ヴェニスの商人:THE MERCHANT OF VENICE
2004年 アメリカ/イタリア/ルクセンブルグ/イギリス合作映画 マイケル・ラドフォード監督

出演:アル・パチーノジェレミー・アイアンズジョセフ・ファインズ、リン・コリンズ、ズレイカ・ロビンソン、クリス・マーシャル、チャーリー・コックス

5/17に映画館に駆け込んだ。これは是非とも映画館で観たいと思っていたのだけれど、予想よりも上映期間は短く諦めていた。ところが、アンコール上映!と教えて頂き観る事が出来て良かった。予想よりも・・・って書いたけれど、こんな世情なのかとも思う。信じられない事だけれど、アル・パチーノを知らない人達も多いとか?そうであれば、さらにお気に入りの私の大好きなジェレミー・アイアンズを知らない人はもっと多いのだなぁ...って思う。お二人ともオスカー俳優さまで、アイアンズは舞台を今も続けている。そんな功績から「シェイクスピア賞」受賞者なのだ。監督がシャイロックにアル・パチーノ、アントーニオにはジェレミー・アイアンズ!と最初から決めていたそうだ。対照的な俳優。雰囲気もだけれど演技法も対照的だから。

シェイクスピアの映画化は多い。もう400年も前に書かれたものたちが今も各国で色んな解釈で映画化、舞台化され続けている。凄いなぁ~!と思う。この16世紀のお話を今日的に、シャイロックを中心に描かれている。原作でのユーモアが悲哀に覆われていた。それでも良かった。アル・パチーノの存在感は圧倒的。本当に素晴らしい役者さま。でも、私はアイアンズのアル・パチーノには表現出来ないあの佇まい、あの空間に居るだけで、台詞を語らずとも漂わせるあの憂愁の美にうっとりしてしまう。ジョセフ・ファインズ扮するバッサニーオも、ポーシャ役の初めて見たリン・コリンズという女優さんもそれなりに良かったと思う。ヴェニスの美しい光景と流れる音楽も清らかで素敵だった。最近、レンタル屋さんに行っていないのだけれど、もう新作に並んでいるそうだ。また、観たい。

シェイクスピアの国の代表の様なアイアンズも、もう50代後半。相変わらず美しい姿勢とスラリとした長身、憂いのあるあの表情は健在だった。もうすぐ「カサノバ」も公開される。その中では神父役。これも楽しみなところ。アル・パチーノはある種のヒーロー像を持つお方なので、古くからのファンの方々もとても多い。私も好き。でも、アイアンズのことばかりをまだまだ書きそうなのでこの辺にしておこうと思う。

そうそう、今年のカンヌ国際映画祭のパルムドールは英国の社会派監督ケン・ローチだった!とても嬉しかったので、その作品も来年位には日本にもやって来るのかなぁ。映画祭はやっぱりカンヌが大好き!今年はアメリカの作品がほとんど出品されていなかった。ソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」はブーイングも起こったそうだ。「ダ・ヴィンチ・コード」も・・・賛否両論というのも興味がある。キルステン・ダンストがマリー・アントワネット役で可愛いかった(一部流れただけだけれど)。そして、音楽はニュー・オーダーが使われていた。このミスマッチ感、ソフィア・コッポラの若いガーリー感覚...好き嫌いの分かれるところかも?私は好きだけれど。そう!マリアンヌ・フェイスフルも出演されているそうだ。カンヌでブーイングは可哀想だけれど、私は楽しみ。宣伝・広告、評論はとても有り難い。でも、参考にさせて頂いてやっぱりそれぞれの目で観て色んな感想が生まれる、そんなのがいい。私の最良の娯楽はだからやめられない。


  1. 2006/05/30(火) 08:24:34|
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細雪

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「細雪」
1983年 日本映画 市川崑監督

出演:岸恵子佐久間良子吉永小百合古手川祐子伊丹十三石坂浩二、岸部一徳、三條美紀、江本孟紀、仙道敦子

すっかり桜も散ってしまったけれど、満開の時に久しぶりに『細雪』を観た。というか観たくなってビデオを出してきた。「桜」は綺麗で可愛く儚げ。そして桜の木から想像されるイメージは実はあまり愉快ではない私。この春で両親共に13回忌を終えた。毎年家族で行ったお花見の思い出たちと、すっかりお花見から遠ざかってしまった私の心が「桜」を見ると不思議な感覚を覚えるのだ。なので、実は春はあまり好きな季節ではなくなってしまった。「桜」というと谷崎潤一郎、あるいはもう少し怖い所では坂口安吾などが浮かぶ。

『細雪』は谷崎潤一郎の原作。3度映画化されているけれど、私は世代的にこの1983年の市川崑監督の作品が好き。さらに、長女:鶴子役の岸恵子さんが子供の頃から好きだから。嘗て観た時と年齢も環境も変わっているので、感動もまた違ったものだった。でも、最後は涙が溢れていた。京都の嵯峨での宴、見事な桜吹雪の映像はいつ見ても圧巻だ。そして、4姉妹のそれぞれの性格、テンポの良い会話、美しい関西弁、美しいお着物、髪飾り、家具等、豪華なキャスト...を堪能した。特に、長女:鶴子と次女:幸子(佐久間良子さん)のやり取り、言葉も仕草も素晴らしい!昭和13年という戦争が近づく頃の昭和、大阪の船場。

三女:雪子役の吉永小百合さんの内に秘めた演技も美しいと思った。四女:妙子役の古手川祐子さんも、みんな今から思うととてもお若い。もう20年以上前の作品なのだ。この映画日記で初めて邦画が出てきた。どうしても欧州映画を優先してしまう。邦画は情けない程、昭和で止まったまま。でも、好きな作品はやっぱり再び観てしまう。

すっかり日本も変わったけれど、忘れたくないものって大切にしたいと思う。温故知新、好きな言葉。この映画を観てさらに強く胸に言い聞かせている気がする。子供の頃、おじいちゃんのお家に行くと、母がよく「本家に挨拶に行って来るから付いておいで。」と言われてトコトコ付いて行った。「本家」って何だろう?と思いながら。昔の人は今の少子化と違い兄弟姉妹が多いから羨ましい。でも、それぞれの立場や家族、色んな葛藤や言い争いもあるのだと思う。「みんな、ええようになったらええなぁ~。」と最後に岸恵子さんが見事に語る。

東宝の50周年記念作品というだけあって、脇役の方も名優さんがいっぱい。江本さんも出ていたのだった。私はお久役の三條美紀さんも好きなので再会出来て嬉しく思えた。


  1. 2006/04/26(水) 08:16:01|
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太陽は夜も輝く

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太陽は夜も輝く/IL DISOLE ANCHE NOTTE 1990年 イタリア映画

監督:パオロ・タヴィアーニ、ヴィットリオ・タヴィアーニ(タヴィアーニ兄弟
製作:ジュリアーニ・G・デ・ネグリ 
原作:L・N・トルストイ 
脚本:パオロ・タヴィアーニ、ヴィットリオ・タヴィアーニ 
撮影:ジュゼッペ・ランチ 
音楽:ニコラ・ピオヴァーニ

出演:ジュリアン・サンズナスターシャ・キンスキーシャルロット・ゲンズブール、パトリシア・ミラルデ、マルガリータ・ロサーノ、マッシモ・ボネッティ 

トルストイの晩年の自伝的作品『神父セルギイ』を題材にしてイタリアの美しい自然の中で撮った傑作。印象強い主人公の少年時代から始まる。少年は花びらを掌に受けた時、神の奇跡を信じた。だが、神に出会えるまでには長い道のりを旅しなければならなかった・・・。ペトラ山の自然を崇高なまでに美しく撮ったのはジュゼッペ・ランチ(タルコフスキーの『ノスタルジア』に劣らぬ手腕だと思う)。ジュリアン・サンズが主演の作品の中で一等好きな作品。美しきナスターシャはここでも息を呑む程、出演シーンは僅かなから圧倒的な存在感を残すシャルロットの無垢な魔性の女、そして、セルジョの母親役を演じたマルガリータ・ロサーノ...と豪華な配役陣・スタッフ。そして、サンズのイタリア語のアテレコ(声)はジャンカルロ・ジャンニーニ!素晴らしい。



  1. 2006/04/15(土) 19:12:48|
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嵐が丘

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嵐が丘:WUTHERING HEIGHTS
1992年 イギリス映画 ピーター・コズミンスキー監督

出演: ジュリエット・ビノシュ、レイフ・ファインズ、ジャネット・マクティア、サイモン・シェパード、ジェレミー・ノーザム、シンニード・オコナー
音楽:坂本龍一

「嵐が丘」というとエミリー・ブロンテ、ケイト・ブッシュ、ローレンス・オリヴィエ(ケイトは曲名だけれど)...と浮かぶ、英国文学としても映画としても馴染みの深い作品。海外での映画化はこれで5回目となるもの。

ジュリエット・ビノシュは「汚れた血」「存在の耐えられない軽さ」の辺りがどうしても好き。でも、出ていると見ているけれど。この「嵐が丘」のキャサリン役はとても期待していたものだ。しかし、ヒースクリフ役のレイフ・ファインズが素晴しく、今作ではキャサリンの娘キャシーまで描かれているけれど、その娘役もビノシュだったのはやっぱりどこか不自然さとう~ん?という気がしてならないのだった。二役に物足らなさを感じた様な気がする。

レイフ・ファインズは色んな役をこなすお方だけれど、この執念、情念のヒースクリフを好演していたと思う。繊細さとぎらぎらした面がとても胸を打つ場面が多かった。ビノシュには少し物足らないものを感じたけれど、映画としては結構好きだと思う。音楽の坂本龍一は素晴しいし、エミリー・ブロンテ役でシンニード・オコナー、ヒンドレイ役のジェレミー・ノーザムも出ていて個人的に楽しむ事が出来た。

ビノシュにはもう少し運命的な女性の持つ込み上げる様な情感、小悪魔的なキャサリンが感じられず残念だったのかも?イザベル・アジャーニにお若い頃、演じて頂きたかった様な気もした。1977年にエミリー・ブロンテを演じたあのアジャーニはとても素晴しく美しかった。そんな事を連想していた。英国の荒野に建つ古びたお館、あの光景はどうしても好きだと言える。


  1. 2005/05/18(水) 06:17:45|
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理想の結婚

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理想の結婚:AN IDEAL HUSBAND
1999年 イギリス映画 オリヴァー・パーカー監督

出演:ケイト・ブランシェットミニー・ドライヴァールパート・エヴェレットジェレミー・ノーサムジュリアン・ムーア

この映画はここ数年作では特に大好きなもの。私は本当に気に入った映画は何度も観てしまう...いくら時間が有っても足らないのは当たり前。でも赴くままに鑑賞を愉しんでいたい。

この「理想の結婚」の原作戯曲はオスカー・ワイルドの「理想の夫」。オスカー・ワイルドの没後100年を記念して制作されたイギリス映画。ワイルドが好きな事と、この出演者なのでもう言うこと無し!のお気に入り。特にケイト・ブランシェットの可愛らしさを観ているだけで気分が良くなるのだ。本当に色んな役を見事にこなす演技力と存在感はこれからもますます楽しみなお方。こういう可愛らしい役だと「オスカーとルシンダ」よりも好きかも?(逆にレイフ・ファインズは「オスカーとルシンダ」が最高に好きなのだけれど。)

19世紀末のロンドンの上流社会(この頃の英国もの、ヴィクトリア時代のロマンは大好き!)が舞台なので、当然お衣装も素敵。相変わらず美しい顔立ちのルパート・エヴェレットもここではコミカルな演技を見せてくれるし、ジェレミー・ノーサム(ノーザム)は相変わらず佳い!(勝手に御贔屓で)し、意地悪な性悪女役のジュリアン・ムーアも流石、ミニー・ドライヴァーはまぁまぁって感じ。ジュリアン・ムーアは演技派でかつ綺麗なお方だけれど、あのお衣装の着こなしと雰囲気は今一つしっくりこない。まぁ、ケイト・ブランシェットが完璧なので比べてしまうとスタイルの差という事になるのかもしれない。「シッピング・ニュース」では逆にジュリアン・ムーアの方が好きだったり、独断と偏見で言いたい放題...。

堅実な美しい妻ガートルード(ケイト・ブランシェット)と夫ロバート(ジェレミー・ノーサム)は傍目には理想の夫婦。そして、全く身を固めようとしない独身生活を謳歌しているかの様なアーサー・ゴーリング卿(ルパート・エヴェレット)とロバートの妹メイベル(ミニー・ドライヴァー)の結婚までに、ウィーン社交界のチーヴリー夫人(ジュリアン・ムーア)の登場によりややこしい事になる。でも、英国流のシニカルさとウィットが実に軽快にお話を進めて行く。このようなストレートではなく屈折した風刺めいた台詞のやり取りが好き。やっぱりクスクス笑えてしまうのだ。

全く湿っぽくなくカラリとした調子で気分爽快となる。「ああ、楽しい映画だったぁ~!」って。


  1. 2005/04/08(金) 04:17:53|
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『仮面の男』 ランドール・ウォレス監督 (1998年)

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仮面の男:THE MAN IN THE IRON MASK
1998年 アメリカ映画 ランドール・ウォレス監督

出演:レオナルド・ディカプリオ、ジェレミー・アイアンズ、ジョン・マルコヴィッチ、ジェラール・ドパルデュー、ガブリエル・バーン、アンヌ・パリロー、ジュディット・ゴドレーシュ

もっと早く観れば良かった~!とても楽しかった。レオナルド・ディカプリオのファンの方は多いと思うので、脇を固める四銃士の中年名優様たちの存在感を感じて頂けたと思う。私は逆なので、あまり興味の無かったディカプリオの良さを感じる事が出来た。でも、お目当てはジェレミー・アイアンズとガブリエル・バーン!

アレクサンドル・デュマの「鉄仮面」の映画化なので、フランスのルイ14世時代の歴史劇。この映画の主役はアイアンズ(アラミス)、マルコヴィッチ(アトス)、ドパルデュー(ポルトス)、バーン(ダルタニアン)の四銃士だ。うん!間違いない。でも、明らかに肌の艶などの違うお若いディカプリオも二役を好演していたと思う。ルイ14世と双子の幽閉されていた鉄仮面の弟フィリップを。

好きな作品によく出演されているけれど、どうも苦手なドパルデューも滑稽な役柄で可笑しかった。やっぱり上手い役者さんだ。頭は禿げているけれど渋い演技を見せるマルコヴィッチはここでも素晴らしかった。バーンはここではブロンドの横分けの長髪で今まで観た作品中、最も美しかった。大好きなアイアンズは、やっぱり素敵~!ドパルデューって大きいのだけれど、身長はアイアンズが一番高かった。スラリと凛としていらっしゃる。お髭の感じや神父という役柄からロバート・デ・ニーロと共演した名作「ミッション」を思い出したり。最後の方でこの中年四銃士が若い騎士に走り立ち向かって行くシーンでは泣いてしまった。でも、4人とも生きていた。その勇姿に若い騎士達は圧倒されてしまう。勇者達の美!

結構、コメディっぽいシーンも多くクスクス笑ったりもした。皇后様にはアンヌ・パリローだったのも嬉しかった。でも、もう母親役をされるお年になってきたのだぁ...と。でもまだまだお綺麗だ。「ニキータ」が代表作かもしれないけれど、私は髪の長いアンヌ・パリローが好き。華奢な身体で色んな役をこなすお方だ。アラン・ドロンとの「危険なささやき」やダニエル・オートゥイユとの「悪魔の囁き」、デビュー作の「ガールズ」(これは試写会のチケットが当選して母と行ったのだ)、音楽は10ccだった。内容はあまり覚えていないけれどラブリーなハイティーンの女子達の青春ものだった。でも、テーマ曲は今でも浮かぶ。

偏見は損をする。そして、この映画は四銃士の見事な揃え方に勝利あり!また、観ようと思う。今度はもっとお衣装などもじっくりチェックしたり、アインアズの馬車に駆け乗るシーンの格好いいシーンとか...。ジュディット・ゴドレーシュも可愛かったし(自殺してしまうけれど)。

英仏米から個性的な演技派が揃って見応え充分。満足、満足な見終えた後の気分も良い作品だった。名作かと言われるとそんなのは後回し~っていう感じ。見所が多いのは何度も楽しめるから好き。


  1. 2005/02/26(土) 02:38:13|
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若草物語

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若草物語:LITTLE WOMEN
1994年 アメリカ映画 

監督:ジリアン・アームストロング 出演:スーザン・サランドンウィノナ・ライダークレア・デインズトリニ・アルバラードキルステン・ダンスト、サマンサ・マシス、ガブリエル・バーン、クリスチャン・ベイル、エリック・ストルツ

ルイザ・オルコットによる原作は有名。そして、映画化も今作で4度目となるもの。何度観ても泣いてしまう。主人公の次女ジョー役のウィノナ・ライダーが生き生きとあまりにも素晴らしい!母親役がスーザン・サランドンである事も嬉しいキャスティングなのだけれど、何度も観ているとみんなそれぞれ素敵で仕方がない。そんな映画。原作に忠実なストーリー展開なので19世紀半ばのお衣装や家具などを見ているだけでも美しい。

キルステン・ダンストがエミーの幼女時代役で出演しているのも見所かもしれないけれど、私は実は三女の死んでしまうベスを演じるクレア・デインズがとても好きだったりする。ジョーとは対称的な女性(少女)を演じている。

ウィノナを中心に他の出演者皆が存在感があって鮮やかな傑作に思う。特にガブリエル・バーンの演じる貧乏な哲学者フレデリックには驚いたものだ。だいたい、彼の印象は強烈でどこか悪魔的というか凄味を感じさせるイメージが強かった。それは、あまりにもかの「ゴシック」(ケン・ラッセル)でのバイロン卿の印象が色濃く焼き付いているからだと想像出来る。まだ未見ながら「仮面の男」にもジェレミー・アイアンズと共に出演している様なので早く観てみたいと思っているところ。ここでのフレデリックの様な人間(性別を問わず)がとても好きだ。なので、最後にジョーと結婚して学校を開校するという終わりは実に美しく胸に響く。

それにしても、ウィノナ・ライダーって可愛いだけではなく、しっかりとした演技力もあるお方だなぁ~っていつも思う。よく分からない事件や不運もあったけれど、まだまだお若いし、これからさらに素敵な女優様になって頂きたいお方。



  1. 2005/02/13(日) 18:18:46|
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ロリータ

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ロリータ:LOLITA
1997年 アメリカ映画 エイドリアン・ライン監督

出演:ジェレミー・アイアンズドミニク・スウェイン、メラニー・グリフィス、フランク・ランジェラ

最近に限らないけれど、リメイク版というものが沢山ある。この「ロリータ」はキューブリック作品から30数年経てからのもの。ハンバート教授役はジェレミー・アイアンズ。彼の英国人ならではの内面の屈折した演技力は素晴らしい!なので、この役はピッタリだと思う。ジョン・ローンと共演した「M.バタフライ」のアイアンズも大好き。この様な内的演技の天才だと思っている。英国男優というとダーク・ボガード!な私。ボガードが亡くなって今はアイアンズがそんな私の嗜好を継続して下さる貴重な存在。

ドミニク・スウェインは可愛いけれど、私のナボコフの描くロリータ像とは少し違うと違和感を覚えた。でも、映画化だし、リメイクなのでそれで面白いと仰る方も居られるだろう。12才と18才では同じ10代でも大きく違う。それは少年でも同じだと思う。この「ロリータ」でのローはあまりにも現代っ娘(そういう設定なのだけれど)過ぎて...可愛いけれどちょっと...。ロリータとは?定義の中に20才未満、小悪魔、妖精...つまりニンフェットな存在でなければならない(と思っている。)そして、そんな少女に翻弄される者たちが居る。

ハンバートが最後に語る言葉が全てを言い表しているとも思える。あの言葉が私の頭の中でループし、彼の悲哀に美を見る。

「絶望的な孤独はロリータがいないことではない。彼女の声が聞こえないことだ。」

何故だか、私はこの言葉に頭も心も大きく頷き、そして涙に溢れるのだ。

この新しい「ロリータ」はハンバート役にアイアンズだったこと。そして、音楽がエンニオ・モリコーネだったこと。これだけで鑑賞に値すると思える依怙贔屓だらけの私。


  1. 2005/02/05(土) 16:56:07|
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悲しみよこんにちは

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悲しみよこんにちは:BONJOUR TRISTESSE
1957年 イギリス・アメリカ合作映画 

監督:オットー・プレミンジャー 出演:デヴィッド・ニーヴンデボラ・カージーン・セバーグミレーヌ・ドモンジョジュリエット・グレコ

古い映画。「悲しみよこんにちは」というタイトルに目が止まり図書館で借りたのは、このセシールとほぼ同じ年の頃だった。原作のフランソワーズ・サガン(昨年秋に他界された)は18才の時に書いたのだそうだ。大人に近づく少女の心理がとてもよく分かる。今はさらに。

デヴィッド・ニーヴンデボラ・カーは素敵な大人のカップルだ。でも、愛する父を取られたくない!そんなセシール(ジーン・セバーグ)に感情移入しながら...でも、今だとアンヌ(カー)の悲しみはどんなだっただろう!と胸が痛む。そして、ハマリ役のニーヴン扮するプレイボーイな父に呆れる。(しかし、ニーヴンなので怒れない。)

若い愛人役のミレーヌ・ドモンジョはそんなに好きではない。健康的な肢体と輝く美しい髪に綺麗なドレスを纏って素敵だけれど...どうも(もう少し不健康そうなお方を好む傾向がある)。でも、ジーン・セバーグは可愛い。大人になって謎の早い死を迎えてしまう。セバーグを初めて知ったのはゴダールの「勝手にしやがれ」だった。小さな身体とボーイッシュな愛らしさは新鮮だった。

まだ幼い頃、友人達と駄菓子を買いに行き(私は確かチェルシーを買った)、「セシール・カットって知ってる?」という会話をした日を思い出す...まだ、太陽の眩しさが不快だと感じる事もない頃の事。淡いノスタルジー。

※青春映画でもありますが、此処では文学作品のカテゴリーに入れさせて頂きました。


  1. 2005/02/04(金) 16:47:31|
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