ガラスの墓標/CANNABIS 1969年 フランス/イタリア/西ドイツ合作監督:ピエール・コラルニック
原作:F・S・ジルベール
脚本:フランツ・アンドレ・ブルジョ
撮影:ウィリー・クラン
音楽:セルジュ・ゲンスブール
出演:セルジュ・ゲンズブール、ジェーン・バーキン、パウル・ニコラス、クルト・ユルゲンス、ガブリエル・フェルゼッティ
『スローガン』に続いてセルジュとジェーンが共演したエロティックな(と言われるけれどそうは思わない)フィルム・ノワール。アメリカからパリへ飛んだマフィアの殺し屋セルジュ(セルジュ・ゲンズブール)は麻薬組織のボスエメリーの破滅を命じられた。でも、返り討ちにあったセルジュは傷を負い、大使の娘ジェーン(ジェーン・バーキン)の世話になる。仲間のポール(パウル・ニコラス)もやって来た。空虚な気持ちのセルジュ、マフィア稼業から足を洗いたいセルジュの事をポールはアメリカの本部へ伝える。けれど、本部は非情にもポールにセルジュを殺すよう命じる(ポールは「どうせ殺されるなら自分の手で・・・」という心理描写は友情というか任侠の世道を想う)。遂に、エメリーとセルジュの対決。セルジュとジェーンは逃げる。追うポール。ポールを撃てないセルジュ、涙を流しながらポールは引き金をひいた。悲痛な叫びを上げ森の中を走るジェーン。フィルム・ノワールであり、渋い青春映画だと思う。主題歌・音楽(サントラ)の素晴らしさも絶品!
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- 2006/03/01(水) 08:51:20|
- フィルム・ノワール|
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袋小路/CUL-DE-SAC 1966年 イギリス映画監督:
ロマン・ポランスキー 脚本:
ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ
撮影:ギル・テイラー
音楽:クリストファー・コメダ(クリシトフ・コメダ)
出演:
フランソワーズ・ドルレアック、ドナルド・プレザンス、ライオネル・スタンダー、ジャクリーン・ビセット、ジャック・マッゴーラン
ポランスキーの長篇三作目であり、前作『反撥』に続いてのイギリスで撮影されたもの。全財産を投げ打って孤島の古城を買い、若く美しい新しい妻テレサ(ドルレアック)と暮らし始める。ユートピアを夢見たはずのジョージ(名優プレザンス)と、とっくに愛想を尽かし時折若者と浮気を重ねるテレサ。既に破綻しかけの夫婦。そこへならず者が現れ、テレサは夫と彼の間をふらふらと渡り歩く。しかし、彼女は夫に彼を殺させ、半狂乱の夫を置いて島を出て行ってしまうのだ。男性を破滅させるファムファタル。今作が遺作となる25歳の美しきドルレアックと秀逸なモノクロームな映像美。異様な面白さ!ポランスキーのこんなユーモアが大好きなのだと思う。
★1966年度ベルリン国際映画祭:金熊賞受賞(ロマン・ポランスキー)
- 2006/02/19(日) 23:50:36|
- サスペンス・ミステリー|
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「JFK」:JFK
1991年 アメリカ映画
オリヴァー・ストーン監督
出演:
ケヴィン・コスナー、
シシー・スペイセク、
ゲイリー・オールドマン、
トミー・リー・ジョーンズ、
ドナルド・サザーランド、ジャック・レモン、ウォルター・マッソー、ジョー・ペシ、ケヴィン・ベーコン、ヴィンセント・ドノフリオ
2006年になって何も綴っていなかった・・・映画を観ない日はないのだけれど。今日は少し暖かい土曜日。風邪も少し落ち着き、よく眠っているここ数日。
ちょっと2005年を回顧してみた。我ながら呆れる位に同じ作品を何度も観ている。たった1度しか観ないものが多数なのだけれど。それ程、それらの映画がお気に入りなのだろう。メモってる訳ではないので正確な回数は不明ながら、それらを列挙してみようかな。
1.『から騒ぎ』もうダントツ!に去年だけで10回は観たと思う。歌えてしまう〜♪
2.『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』
3.『太陽がいっぱい』
4.『ピンクの豹』
5.『暗殺の森』
6.『JFK』
こんな感じ・・・アラン・ドロン大会は年中行事でもある。今年、最初に観たのは『シシリアン』だった。今年も周期的にそんな時期が訪れるのだと思う。
もうすぐ、ジョディの「フライトプラン」が大阪も公開かな?(怠惰なのでチェックが遅い。)ちょっと久しぶりの復帰(3年ぶり位?)でお話も面白そうなので楽しみ!そして、そして、久しぶりと言えば、かのダニエル・デイ=ルイスの出演作情報を2つも入手!きゃぁ〜嬉しい!キャロル・ブーケとエマニュエル・ベアールの共演作ももうすぐの様。そして、書くことすら緊張してしまう美しきドミニク・サンダ様の『ルー・サロメ』(完全版だそうだ)のリバイバルがもうすぐ。DVD化を大いに期待しているところ★
「JFK」は
シシー・スペイセクが出ているので随分前に観たもの。でも、ケーブルで再放送していたので久しぶりに。長いお話だけれど最後まで観てしまうのだった。豪華キャスト!でも、中でも後半に少しだけ出てくるミスターX役の
ドナルド・サザーランドがとってもカッコイイ!そして、オズワルド役の
ゲイリー・オールドマン(お若い頃)。謎に包まれたケネディ大統領の暗殺・・・未だに非公開の当時の記録たち。オープニングにあった『抗議すべき時に、沈黙するのは卑怯である』という言葉が今も心に残っている。
- 2006/01/28(土) 08:01:37|
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死刑台のエレベーター:ASCENSEUR POUR L'ECHAFAUD
1957年 フランス映画
ルイ・マル監督
出演:
モーリス・ロネ、
ジャンヌ・モロー、ジョルジュ・プージュリー、
リノ・ヴァンチュラ、ヨリ・ヴェルタン、
ジャン=クロード・ブリアリ、シャルル・デネ
音楽:
マイルス・デイヴィス今年は
ルイ・マル監督の没後10年だそうだ。遺作となった「42丁目のワーニャ」からもう10年以上も経っているのだなぁ〜と時間の過ぎ行く速さを想った。
とても久しぶりに観た「死刑台のエレベーター」。最初は
ルイ・マルという監督作品であることも知らず、
ジャンヌ・モローだけは既に好きだったので観ていた。ロマンスものではなく、とてもスリリングなサスペンス作品だった。あの「太陽がいっぱい」の
モーリス・ロネがエレベーターの中に閉じ込められてしまう、その様相とお話の展開にハラハラしながら。そう、私は恐怖症を色々持っているみたいで、高所恐怖症が一番酷いと思う。そして、閉所恐怖症も・・・エレベーターに乗る時緊張するのだ。そんな私なので、この映画がどれ程息詰まる思いだったかことか!
今回気づいた事だけれど、
ルイ・マル監督はこの名作を僅か25歳という若さで作り上げたのだ!凄すぎる。今観ても古さなど感じさせない。そして、名優たちのキャスティングも豪華だけれど、やっぱりこの映画はマイルスの即興音楽が無ければ!と。マイルスはスクリーンを観ながらその場で生み出した音楽だと知った時も驚いたもの(シネ・ジャズと呼ばれる名作のひとつでもある)。流石!がいっぱいの名画。
ジャンヌ・モロー扮するフロランスは社長夫人。その会社で働く技師ジュリアンが
モーリス・ロネ。実は二人は恋愛関係にあり、邪魔な社長を殺す計画を立て実行する。ところが、計算出来なかったできごとが起こる。ジュリアンは証拠品を忘れて来たので取りに戻るが、エレベーターの中で、管理人に電源を落とされてしまう。誰も居るはずの無い週末だったから。そこから、閉じ込められ、焦りもがく様子。
ジュリアンの車は若いカップルに乗っ取られ、彼らも別の所で犯罪を起こす。「助け出してあげるわ。」とフロランスは独り言を呟く。カッコイイ!
ジャンヌ・モロー。「どうなるのだろう?」と観る者を惹きつけ離さない。そして、粋なところだけれど、電話で会話する以外、
ジャンヌ・モローと
モーリス・ロネが直接会話するシーンなどはないのだ。
このモノクロームでクールな映像は50年近くも前の作品だということなんて忘れさせる事を可能にする。
ルイ・マルはその後も、沢山名画を残してくださった。好きな監督さんだとやっぱり再認識できた。
- 2005/11/21(月) 07:44:39|
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何故かまだDVD化されていないのだと気づく。法廷サスペンスの秀作としても有名な作品。元々、この映画を観るきかっけはランプリングさまが出演していること。そして、有名な
ポール・ニューマンの魅力に慄いた思い出深い作品として今も心に残るもの。
落ちぶれて依頼も減り酒びたりの弁護士ギャビンを演じる
ポール・ニューマン。前半のダメダメの様子からだんだんと本来の正義や真実を追究する姿を取り戻す様...上手い!と素人ながら思えるシーンに飛び上がりそうに感動する。個人的に、中年期(特に70〜80年代)の
ポール・ニューマン作品に好きなものが多い様に感じている。
ライバルの弁護士役は
ジェームズ・メイソン。英国の素晴しい俳優さま。キューブリックの「ロリータ」ではハンバート教授を演じたけれど、その他沢山の作品でお見かけするのですっかり今では声で分かるくらいになってしまった。主役というよりも見事な助演俳優とも言える気がする。上品な佇まいは英国紳士らしく美しい話し方は優雅。この映画でも、とても重要な独特の存在感のある役を演じていた。
そして、
ジェームズ・メイソンのスパイとしてミステリアスな美しい女性を演じるのが
シャーロット・ランプリング!(私が初めて魅せられた女優さまでもうミーハーなファン歴も長くなったものだなぁ〜って思う。)ギャビンの正義感にだんだんと心揺れる心理描写を表現されている。終盤に彼女がスパイだと気づかれ思いっきり頬を殴られて倒れるシーン、訴訟に勝利した後、ギャビンに幾度も電話をするが出てもらえない...その電話に出たい気持ちと裏切られた気持ちのギャビン。共に台詞は無く素晴しい表現力で切なく終わる。
ギャビンの唯一の協力者に扮した
ジャック・ウォーデン。彼は
シドニー・ルメット監督の初期の名作「十二人の怒れる男」にも出演されていた。この方も沢山の名作で知ることができた名優のお一人だと思う。
嘗ては好きな女優さまのお顔や動きばかりに見とれていた。歳を重ねたお陰でこうした主役はもちろんだけれど、脇を固める役者、助演という役柄を見事に演じられるのって何て!凄いのだろう〜!って感動してしまう。
(追記)
※2005年に綴ったものなのですが、今年(2007年)ようやくDVD化されました♪
- 2005/11/02(水) 07:28:49|
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暗黒街のふたり:DEUX HOMMES DANS LA VILLE
1973年 フランス映画 ジョゼ・ジョヴァンニ監督
出演:アラン・ドロン、ジャン・ギャバン、ミムジー・ファーマー、ミシェル・ブーケ、イラリア・オッキーニ、ジェラール・ドパルデュー、ベルナール・ジロドー
音楽:フィリップ・サルド
またアラン・ドロンの映画を観た。50年代の終わりから90年代初頭まで、休む暇も無い位の作品数なのだ。そして、贔屓目かもしれないけれど名作がズラリと並んでいる事に驚く。ただの美男スターでは無いのが幸いだ。この「暗黒街のふたり」は久し振りに観たのだけれど(好んで観ようとしない私がいる)、やっぱりかなり落ち込んでしまった...。
ジャン・ギャバンとの共演としては「地下室のメロディー」「シシリアン」に続く3作目(ギャバンがもう少し生きておられたらまだ共演作があったのではと思う)。ジョゼ・ジョヴァンニ監督とアラン・ドロン、このコンビは好きだとやっぱり思った。ただ、やるせない気持ちで見終えた後、重い気分がなかなか拭えない。もう一人の名優ミシェル・ブーケは素晴しい程に憎たらしいゴワトロー警部役。この警部は元犯罪者のジノ(アラン・ドロン)を執拗に尾行し監視を続ける。愛する妻を事故で失い、その後、銀行員の恋人ルシー(ミムジー・ファーマー)と、印刷工員として更正して生きているジノだったのに。
あんなにも執拗な懐疑心を抱くゴワトローの事を、ジノの保護司であるジェルマン(ギャバン)は「おまえが怖いのだよ。」と語る。その恐怖心は偏見と変貌するのだろうか?その逆なのだろうか?最後まで優しくジノを見守るジェルマンの存在と、このゴワトロー、そして元犯罪者としてのレッテルを背負いながらも真っ当に生きようとしているジノ、そしてルシー、それぞれの思いが単純に語れるものではない様に思う。自ら投獄体験のあるジョヴァンニは多くのフィルム・ノワール作品を手掛けて来たお方だった(2004年に惜しくも他界された)、それ故に悲痛な静かで強い叫びの様なものも感じてしまう。大きな偏見の眼差しが犯罪者を生む...もちろん、犯罪を正当化するようなことではないけれど。
車の修理工場かな?そこの車をジーノがむしゃくしゃして叩き潰すシーン。ゴワトローを我慢成らず殺してしまい、結局は死刑判決が下りギロチンへ。その時の白いシャツの襟を鋏で切られるシーン。青ざめたジノの最後の言葉はジェルマンに「怖い...」だった。そして、最後は真っ黒な画面が暫く続き終える。あの黒い画面が少し私を救ってくれた気がした。
久し振りに観て気付いた事は、若き日のジェラール・ドパルデューやベルナール・ジロドーが出ていた事。ミムジー・ファーマーがとても可愛い事。こういう再発見は楽しいけれど...重い。でも、この映画を観て良かったと思う。また、いつか観るだろう...。
- 2005/06/13(月) 06:47:50|
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ドッグヴィル:DOGVILLE
2003年 デンマーク映画 ラース・フォン・トリアー監督
出演:ニコール・キッドマン、ポール・ベタニー、クロエ・セヴィニー、ローレン・バコール、ハリエット・アンデルソン、ジャン=マルク・バール、ウド・キア、パトリシア・クラークソン、ステラン・スカルスガルド
二コール・キッドマンがローレン・バコールと共演出来た事をインタビューで喜んでいたのを聞いていた。その映画だと知りお話の予備知識無しで観終えてしまった...約3時間と長い作品だったけれど、退屈ではなかった。考える事が多過ぎて!
面白いセット。出演者たちは同じフロアーにチョーク(?)で仕切られた各家等の空間での撮影。結構楽しく「どうなるのだろう〜」と観ていると何と!ハリエット・アンデルセンも出ておられたし、クロエ・セヴィニーもちょっと久し振りだったので嬉しくなった。ポール・ベタニーにウド・キアも!豪華なこのキャスティングも個性を感じ喜んでいた。しかし、だんだんと重苦しい雰囲気と何か不快な気分が充満してゆく様だった。この監督はかの「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー監督だったのだ...。今回の主人公の女性(二コール・キッドマン扮するグレイス)はギャングから逃れ見知らぬ村にやって来た。村人達と打ち解けようとするグレイスと、彼女を次第に奴隷の様に、犬の様に各人が接するのだ。首輪まで填められ錘まで付けられる...。
この作品はカフカの「アメリカ」を題材にしているそうだ。そして、ラース・フォン・トリアー監督の「アメリカ三部作」の第一弾となる彼流のアメリカが描かれているようだ。人間の心の醜さや傲慢さ、不条理な世界を見せつけられる様だった。当然、楽しい気分で観れるはずはない。最後はギャングのボス(実はグレイスは娘)がやって来て、グレイスに権力を与える...一匹の犬以外の村人たちは全員殺されてしまった。複雑な心境のグレイスもまた不可解で傲慢な後始末をして村を去っていくのだった。
う〜む?面白さと重厚さでスッキリしない気分の中、素敵な歌声〜♪大好きなデヴィッド・ボウイ様の「ヤング・アメリカン」がエンディング曲だった。お陰で随分この映画のポイントはアップ!印象も良くなったと思う。(ある意味救われた気もした。)
「ドッグヴィルの告白」というメイキングの様な作品もあるそうなので、また観てみようと思う。
- 2005/06/01(水) 06:25:19|
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ミスティック・リバー:MYSTIC RIVER
2003年 アメリカ映画
クリント・イーストウッド監督
出演:
ショーン・ペン、
ティム・ロビンス、
ケヴィン・ベーコン、ローレンス・フィッシュバーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、 ローラ・リニー
クリント・イーストウッド監督特集が放送されていて、やっと「ミスティック・リバー」を観る事が出来た。深い悲しみの残る作品で、「21グラム」を観終えた後の感覚にも少し近いものが私の心を占領した。そういえば、どちらも
ショーン・ペンが出ているのだなぁ...。
子供時分からの友人(そんなに仲良しでも無かったようだけれど)が25年ぶりに再会する。ジミー(
ショーン・ペン)、デイヴ(
ティム・ロビンス)、ショーン(
ケヴィン・ベーコン)はそれぞれの道を歩き家族も居る。ある日、ジミーの娘が何者かに殺されてしまった、とても無残な形で。ところが、この作品はその犯罪を大きく描写はしない。娘を殺された父、その容疑にかかる者、その事件を捜査する刑事...そして、この3人は嘗ての少年時代をふと思い出し「もしも、あの時・・・」と思考する。そして、彼らを支える妻や子供たち。すべてに於いて、各人物の苦悩と葛藤が見事に描かれていた。それは監督の手腕でもあろうが見事なキャスティングを痛感した。
個人的には、特に
ティム・ロビンスが良かった。そして、お気に入り女優様でもあるマーシャ・ゲイ・ハーデンならではのあの戸惑う妻。この夫妻の心の動き、その描写が素晴らしいと思った。
ショーン・ペンも
ケヴィン・ベーコン(彼の悪役の作品は怖いけれど)もすっかり、演技派、個性派という彼等ならではの作品が顕著な昨今だと再認識できた。
ロバート・アルトマンの作品での
ティム・ロビンスの印象が強いので、このデイヴ役の肩を落として歩く姿、冴えない顔つき、常に何かに捉われている様な怯え...少年期のある事件のトラウマの重さ!そんな人物を見事に演じていたと思え、作品と同時に
ティム・ロビンスの役者としての力量を実感出来て良かった。ポイント・アップ!
「21グラム」の時の様なやるせなさは感じたけれど、この映画を観て涙腺の極めて弱い私は涙は溢れなかった。しかし、今も何かを考え続けている...。
- 2005/05/15(日) 06:14:35|
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狼よさらば:DEATH WISH
1974年 アメリカ映画 マイケル・ウィナー監督
出演:チャールズ・ブロンソン、ホープ・ラング、ヴィンセント・ガーディニア、スティーヴン・キーツ
先日はアラン・ドロン大会で「レッドサン」「さらば友よ」。何だか面白いタイミングで「狼よさらば」と意図せずブロンソン作品が続く。このお方の存在感って独特なものがある!父が大ファンだったのが、今なら分かる気がする...あのアウトローな雰囲気にヒーロー像を見るのだろうか。私はこの偉大なブロンソン作品というと60〜70年代に集中していて、ほとんど80年代以降の作品を観ていないように思う。この「狼よさらば」の続編が後々まで続いているのだけれど知らないのだ。
この映画はもう30年も前の作品。今観るとこれはアメリカのお話と遠いものでもなくなっている。毎日の様に日本でも殺人事件が報道される。日常のバイオレンスに恐怖と不安を抱く日本、子供の頃のようなのんびりした時代感ではもうないと感じる。そんな事をも考えたりして観ていた。
ブロンソン扮するカージーは、街のチンピラ達に妻と娘を襲われ、妻は死に娘はショックのあまり廃人の様な状況に追いやられてしまった。その怒りと苦悩は計り知れないものだろうが、ブロンソンのあの雰囲気なので泣き崩れたりはしない。ある復讐なのか、街で遭遇する暴力、そのチンピラ達を次々と銃でやっつけていく。それも寡黙に的確に見事なのだ。色んな作品で個性的な存在感を残すヴィンセント・ガーディニアは警察役。メディアはこの何者か分からないチンピラ退治の男を英雄視してゆき、警察はこれらの日常茶飯事な事件達に対処しきれず終い。アメリカは自己防衛の為に銃を保持する国だと知った時はとても怖い国だと思ったけれど、随分時代も変わり年も重ねた私はこの住む日本ですら怖い部分があるので、随分と嘗て観た感覚とは違ったものを感じた様に思う。
ラストのブロンソンの指銃とあの笑み。それは続編を示唆しているのだな。男性が惚れる男性という、そんな粋なブロンソンをまた痛感していた。カッコイイ!
- 2005/04/28(木) 05:51:22|
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フリック・ストーリー:FLIC STORY
1975年 フランス/イタリア合作映画
ジャック・ドレー監督
出演:
アラン・ドロン、
ジャン=ルイ・トランティニャン、
クロディーヌ・オージェ、
レナート・サルヴァトーリ、
ポール・クローシェ音楽:クロード・ボラン
アラン・ドロンのフィルモグラフィーを調べてみた。まだ20程未見のものがあるけれど、50以上は観ていると知る。日記を綴れない日でも映画はほぼ毎日観ているので、実は先月は「レッド・サン」(これは三船敏郎氏が格好良かったなぁ〜!)を観ていたりと
アラン・ドロン作品はとても頻繁に馴染み深いもの。何を観ようかなぁ〜って選ぶのが楽しい程に好きな映画がいっぱい。
この「フリック・ストーリー」は刑事物語。実話を基に製作されたもので、監督は
ジャック・ドレー。
アラン・ドロンは製作と主演。ドレー作品には数多く出演していてどれも好き。でも、「フリック・ストーリー」では
ジャン=ルイ・トランティニャンとの共演が実現したものでどちらのファンでもある私には、とても豪華なのだ。刑事ロジェ・ボルニシュ(実在の人物)役の
アラン・ドロンの恋人カトリーヌ役は
クロディーヌ・オージェだし、凶悪犯エミール・ビソン(トランティニャン)の仲間の中には
レナート・サルヴァトーリや
ポール・クローシェも居る。他の作品でも共演している人達でこの脇役の顔ぶれも嬉しい。
それにしても、カッコイイ!!
アラン・ドロン。煙草をくわえながら電話でお話するシーンや、整えた髪の前髪が少し崩れる時、トレンチコートの襟を立てて歩くシーン、バゲットを囓りながら見張りをしたり...この時40歳なのであの美しいお顔に渋みが出て来て、この様な刑事役や殺し屋などの犯罪劇に円熟味が増すというだろうか...この刑事役の
アラン・ドロンと、極悪非道な脱獄犯役のトランティニャン。このお二人が主演とも言える。終わり間近でやっと、お二人が並んで車に乗ったり、会話がなされるのだけれど、そんなシーンが映像に残っていて嬉しくて仕方がない。どちらもフランスを代表する素晴らしい俳優さまである事は好き嫌いはあるだろうが誰も否定出来ないだろう!!
ジャン=ルイ・トランティニャンは寡黙でニヒルな役もよくお似合い。
アラン・ドロンの翳りとはまた違ったひんやりとした佇まいがある。お二人が一緒の車中で一瞬見せるトランティニャンの微笑みがとても素敵だった!取り調べをしている内に、何かロジェはエミールにある共感を感じていると語る。ただ善良な刑事なんて似合わない
アラン・ドロンなので、この言葉とこの歴史的共演が全てだと思えてならない名作。
アラン・ドロンよりも少し年上のトランティニャンがまだ現役なのは嬉しい。娘さんのマリー・トランティニャンは2003年にお亡くなりになった(このお方も素敵だったのに!)のは信じたくない悲劇だ...。そんな事も考えたりしてしまう。
- 2005/04/13(水) 04:39:18|
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21グラム:21 GRAMS
2003年 アメリカ映画 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督
出演:
ショーン・ペン、
ナオミ・ワッツ、
ベニチオ・デル・トロ、
シャルロット・ゲンズブール、メリッサ・レオ
シャルロットが出ていると知り観なければ!と。そして、とても良かった。しかし、見終えた後の気分はヘヴィだった。テーマが重いのだ。誰もがいつこの様な状況に置かれても不思議ではない。主人公は余命1ヶ月と宣告され心臓移植の手術を受ける
ショーン・ペン扮するポールだろう。しかし、その妻メアリー役の
シャルロット・ゲンズブール、クリスティーナ役の
ナオミ・ワッツ、ジャック役の
ベニチオ・デル・トロのそれぞれの心理描写がどれも突き刺さるものがあった。
人が死ぬと21g軽くなる...そうなんだそうだ...しかし、人の心、魂の重さは何と重いものだろう!グラムの問題ではない。そんな人間の命の尊さを強く感じて何とも複雑な感銘を受けたと言えそう。
ナオミ・ワッツはいいなぁ〜!とやっぱり思った。「マルホランド・ドライブ」や「アリス」で要チェックな女優様となったのだけれど、「ザ・リング」は勇気が無くて未見のまま...。演技しています!っていう感じのタイプでないから好き。美人だし。同じ様にシャルロットも脇役ながら抑えた演技と存在感がやっぱり良かった。贔屓目いっぱいかもしれないけれど、シャルロットは主演作は勿論だけれど、脇役とか僅かな重要なシーンのみの作品でも確実に強い印象を残す事の出来るお方。出しゃばり過ぎないあのさり気ない存在感は何だろう?って思う。いつまでも子役時代の作品のイメージしか無い方も多いのかも?でも、すっかり「なまいきシャルロット」(大好き!)も親の七光りも飛び越えて、女優
シャルロット・ゲンズブールから目が離せない私。
あっ、シャルロット大好き!なので「21グラム」のお話から逸れてしまいそう〜。そう言えば、
ベニチオ・デル・トロという役者さんは古谷一行さんに似ている。ブラッド・ピットをダーティーにした様にも見えるし、うじきつよしさんにも少し?どこか東洋人ぽいのかな?以前も何かの映画でそんな事ばかり考えて観ていた。
少し頭が混乱する様な時間軸の交差。この様な描き方が好きな方なので「ううん?えっと...」という感じで読み進めて行く。なので、頭の中で再度整頓するまでに時間が必要。そして、この主要な4人の苦悩と選択をそれぞれ受け止める。それはあまりにも重いものだった。今もまだ考えてしまう。演技派が揃うと大掛かりなものは要らない。アメリカ映画も侮れない。
- 2005/04/09(土) 04:22:39|
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スイミング・プール:SWIMMING POOL
2003年 フランス/イギリス合作映画
フランソワ・オゾン監督
出演:
シャーロット・ランプリング、
リュディヴィーヌ・サニエ、チャールズ・ダンス、ジャン=マリー・ラムール
まだ暗い早朝から複雑な面持ちで画面に向かう。大好きなお方の作品は何かゆっくりと観たいので静かな時間を選ぶ。いつもそう。小学6年生の時の「愛の嵐」の衝撃は今も私に付き纏って下さる。絶対的な好きを越えた存在の様なアーティストが数人居るのだけれど、
シャーロット・ランプリングとはそんなお一人。偶に「あれまぁ〜?」という作品にも出演されたりもするけれど、それでも観てしまう。
フランソワ・オゾン監督の「まぼろし」で久しぶりに公にも「名作」と讃えられる作品が生まれた。ランプリング健在なり!と。とても嬉しい!そして、続いてオゾン監督作品の「スイミング・プール」。やっぱり、良かった。「まぼろし」のお話の方が好きなのだけれど、「スイミング・プール」はより現実と妄想が交錯して観る者に様々な解釈をさせてくれる作品となっている。オゾン監督は緻密な計算を細部まで意図的にしている。英国人であるランプリング様のここでの役柄はロンドンからフランスの田舎町にやって来るサスペンス作家。なので、英語とフランス語での会話構成。「まぼろし」の時よりお痩せになっていた。神経質で気難しい独身の中年女性作家のサラ・モートン。その対称的な存在の女性ジュリー役は
リュディヴィーヌ・サニエ。
30歳を軽く越える年齢差のこの女性ふたり。「8人の女たち」から随分大人っぽくなったサニエの大胆な裸体にとても若さを感じた。私の好きな肢体とはやや異なるけれど綺麗だった。しかし!ラスト間近で予想もしていなかった(予備知識を敢えて持たずに観たもので)この撮影時、56歳か57歳であったランプリング様の裸体にクラクラした。先月、久しぶりに「評決」(ポール・ニューマンと共演)を観ていたので、この年月の経過をお顔や指の皺などは隠せない。でも、何も変わらない私にとっての「
シャーロット・ランプリング」に驚愕のあまり泣いてしまった...その美しさに、私の信じてきた何かを見たかの様に。
最後にジュリアという若い女性が登場する...どこまでがサラ・モートンのお話なのか?と考えてしまうけれど、そこもオゾン監督の「色々とご自由に想像して楽しんで下さいね。」という様な意図だと思え、「やられたな。」って。
ランプリング様はこの作品でヨーロッパ映画祭の女優賞を受賞された。当然だろう!アカデミー賞に登場する女優様には表現出来ない、比類無き名女優に間違いない。オスカー俳優に好きな方々も多い。でも、賞に恵まれない名優も何と多く居られる事だろう!...そんな事を考えたりもしていた。
- 2005/03/07(月) 03:00:31|
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