★映画の宝石箱★美しき菫色の刻に愛を込めて☆ナルキッソスの鏡あるいは自惚れ鏡♪

楽の音は、小声で歌われる歌詞が消えても思い出の中でこだまする。by パーシー・ビッシュ・シェリー

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さよなら子供たち

さよなら子供たち さよなら子供たち:AU REVOIR LES ENFANTS
監督:ルイ・マル 出演:ガスパール・マネス、ラファエル・フェジト、フランソワ・ネグレ、フィリップ=モリエ・ジェヌー、イレーヌ・ジョコブ
(1987年・フランス/西ドイツ合作映画)

この映画は劇場で観た時から今もずっと心に残る作品。当時は私もまだ若かったので寄宿舎の様子や可愛い少年たち、綺麗な映像に見惚れながらも哀しい気分になり感動した気分だった。僅か25歳で『死刑台のエレベーター』で監督デビューした名匠ルイ・マル監督。私は去年何故か何度か『鬼火』を観ていた。そして、この『さよなら子供たち』と何か符合するものを感じたりしている。本当は1月の最初の方に書く予定で少し書いていたけれど、今もこうしている内に涙が出てくるので困った名作なのだ。監督はこの作品が”私の第一作目です。”というようなお話をされていた。60歳近くなった1987年(デビューから30年を経て)にこの御自分の12歳の少年時代の決して忘れられない想い出を映像化した。美しい映像はレナート・ベルタの手腕がここでも大いに発揮されている(大好きなので!)。1944年のナチス占領下のフランス。寒い1月の寄宿舎で過ごした監督の自伝。

裕福な家庭のジュリアンは勉強も優秀。でも、同級にやってきたボネはさらに学業優秀でピアノも上手。そんな気になる存在の少年のロッカーの中の本の表紙裏にジャン・キペルシュタインとう名を見つける。ボネがユダヤ人であると知るジュリアン。そのことをからかって喧嘩になったりもするけれど、次第にお互いの仲は深まってゆくようだった。でも、ジュリアンはよく分からないのだ。12歳の子供なのだから。暗い寄宿舎の中でお祈りを一人しているボネ(ユダヤ教徒としての信仰の深さ)を見つめるジュリアン...こういう”何かよく分からない。でも、ボネが気になる。”という様子の表情がたまらない。この美しい2人の子役の少年は素人の少年。監督はあまり細かく演技指導はしなかったという。でも、撮影中に監督が涙したというラストのシーン。闇商売をしていたことが知られてしまった料理番のジョゼフは解雇され、腹癒せに偽名で校内にユダヤ人がいると密告してしまう。ある朝の授業中、ゲシュタポがやって来る。そこで既に全てを悟ったのだろうボネは静かに立ち上がる。抗えない運命を12歳の少年は受け入れるしかなかったのだと思うと胸が痛い。その場で3人の少年と校長先生(ジャン神父)は連行され、その別れ際にジャン神父が語る”さよなら子供たち。また近い内に。”と。でも、現実は惨く、3人の少年はアウシュヴィッツでジャン神父はマハトハウゼンで亡くなったという。別れ際の手を振るジュリアンの表情もとても好き。何も出来ないその状況にいる。子供らしい。ルイ・マル監督は誠実なお方に思う。ジュリアン少年の描き方を美化していない。美しい映像の中で、少年たちの白い吐息、ベレー帽やマフラー、けなげで愛らしい少年たちを、寒々しい色彩と景色がさらに深い何かを感じさせる。反戦映画でもないし、お涙頂戴ものでもない。10年振りにフランスに戻っての作品。公開当時、賛否両論だった記憶がある。人それぞれ。私はこの作品に出会えたタイミングも良かった気がする。そして、年を重ね再見する度に、この映画が好きになる。チャップリンの映画を観ながら笑う少年たちの姿も忘れられない。

全く、心を言葉にする術の無さ...上手く言えない。また、もっと私が年老いて観るとさらに感じることがあるだろう。好きな映画は観る度に新たな感動が得られる。神父が”アデュー”と言わなかったこと、実に哀切だ。

20070129114558.jpg
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  1. 2007/01/28(日) 03:27:09|
  2. 少年・少女映画(『クララの森・少女愛惜』へ!)|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:4
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コメント

ありがとうございます!私も同じように感じています。

マリアさま、はじめまして。コメントを頂きありがとうございます!『ピクニックatハンギングロック』は私もとっても大好きで、あの映画の中に好きな世界が詰まっているのです。マリアさまの最も大切な作品なのですね♪そして、『さよなら子供たち』も。ボネの聖性さ故に哀切な気持ちでいっぱいになりますよね。私も何度観ても泣いてしまいます。仰る場面、今も浮かびます。何も彼に罪などないのに全てを静かに受け入れる、まだ少年なのに自分の運命を悟っているかのように、静かに立ち上がるのですよね。少年時代のこのことが生涯忘れられずにいたルイ・マル監督。反戦映画としてではなく、ご自分の体験からこうして悲しくも、美しい映像でさらに私達に伝えてくださるもの、それはとても大きなものですよね。

また、お話にお越し下さいね!これからも、どうぞよろしくお願いいたします。v-254
  1. 2007/05/02(水) 06:58:05 |
  2. URL |
  3. chouchou #-
  4. [ 編集]

はじめまして

はじめまして。私は(ピクニックatハンギングロック)が自分を表す一本ですが、この(さよなら子どもたち)も特別なのです。ボネが全てを受け入れるかの様に立ち上がる時、ペン入れの蓋を静かに丁寧に閉めて・・・。ボネの聖性をみる様で何度も泣いてしまいます。ボネ=たくさんの、罪の無い、悲しい運命をかせられた子どもたち。現在も胸がしめつけられ、ただ祈るばかりです。
  1. 2007/05/02(水) 01:38:57 |
  2. URL |
  3. マリア #-
  4. [ 編集]

「しあわせ」アニエス・ヴァルダの良かったですか・・・?

りりあさま、恐縮です。私もよく分からないけれど、気になるのでそういうテーマの映画に反応してしまうだと思います。そうですね、ウディ・アレン。

「さよなら子供たち」りりあさまもお好きで嬉しいです♪「しあわせ」と 「ぼくセザール1m39cm」をレンタルされたのですね。どちらも好きです。でも、クロード・ルルーシュ監督の「しあわせ」(これは比較的新しい作品ですが)というのもあります。アニエス・ヴァルダの方は60年代「幸福しあわせ」というタイトルでした。それで良かったでしょうか?説明不足で申し訳ございません~。

私は大阪ですので、映画館は梅田とか十三とか、偶に京都です。レンタルは近場の某ツタヤさんとかの半額セールの時にいっぱい借りてきたりします。お仕事にならないので、最近は数枚(数本)ずつにしています。でも、レンタルにないのは昔から買っていました。ビデオは嘗ては高いのでかなり散財いたしました。(笑)でも、後悔はしていません☆いつも、ありがとうございます!v-22
  1. 2007/02/01(木) 05:15:00 |
  2. URL |
  3. chouchou #-
  4. [ 編集]

こんばんは^^
お忙しいのに、お返事ありがとうございました^^
「ユダヤ」のこと、勉強になりました。
私が、ナチスによる悲しい歴史・・・を知ったのは、
わたなべまさこさんという漫画家の方が描かれた「蝶はここには住めない」
という単行本でした。
読んだのは、たぶん小学2、3年だったと思うのですが
姉か、その友達の本だったようです。
主人公の女の子と、その姉がアウシュビッツへ送られてからのことを題材としているのですが
幼いながら、インパクト強くて心に残っています。 そんな記憶があるので、
ユダヤの事は深刻な印象がある(なので、余計だれなと聞きづらかったり)
でも、ウッディアレンなんかは、なんかちゃかしてるような扱いだったり、
ほんとによくわからなかったのです。
なんか、文がうまくまとまりませんが、一部では(いや、広い範囲?)
迫害や差別の対象として、とても根強いんですね・・・。
また、なにか解かり易そうな(入門編?)映画あれば、教えてください。
「さよなら子供たち」、私も大好きです^^
今日、ビデオやさんで「しあわせ」 「ぼくセザール1m39cm」借りてきました^^
(ついさっきなので)まだ観てませんが、chouchouさんの参考にぼちぼち観ていきますね^^
自分のブログにも、反映しないとね^^
気長に見守っていてください~(笑)
・・・、それと私の質問、またいつお願いするかわかりませんが
その回答のために、chouchouさんの映画の紹介をする(書く)お時間を
むしばんでいたら、ごめんなさい。
(と書きながら、プチ質問)
chouchouさんは、映画はどんなところで観たり(上映)、あるいはどこでレンタル?されてるんですか?
  1. 2007/01/30(火) 00:55:17 |
  2. URL |
  3. りりあ #-
  4. [ 編集]

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