★映画の宝石箱★美しき菫色の刻に愛を込めて☆ナルキッソスの鏡あるいは自惚れ鏡♪

楽の音は、小声で歌われる歌詞が消えても思い出の中でこだまする。by パーシー・ビッシュ・シェリー

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『エム・バタフライ』 デヴィッド・クローネンバーグ監督 (1993年)

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エム・バタフライ:M. BUTTERFLY
監督:デヴィッド・クローネンバーグ 出演:ジェレミー・アイアンズ、ジョン・ローン、バーバラ・スコヴァ、アイアン・リチャードソン(1993年・アメリカ映画)

この作品は公開当時から何度観ているだろうか。監督はカナダの奇才!デヴィッド・クローネンバーグで、主演はジェレミー・アイアンズ。このコンビは80年代には『戦慄の絆』でも名コンビぶりを発揮していた。オスカー受賞後もアイアンズは色んな役柄に挑戦し続けている。しかし、このような崩れゆく悲哀、憑かれた知的な役柄をさせると右に出る者はいない!と評される英国を代表する演技派。ジョン・ローンの女装という事でも当時話題になった。ジョン・ローンの女装は個人的には好みではないけれど、長身のアイアンズと小柄なジョン・ローンの共演は興味があった。しかし、この作品はクローネンバーグの世界炸裂!演出の突出した秀逸さ、そして、アイアンズの演技の素晴らしさ!に尽きるように思う。実在のお話を基に、デヴィッド・ヘンリー・ホァングの原作をクローネンバーグが脚色したもの。舞台劇として先に上演され映画化の運びとなった。フランス大使館の外交官ルネ・ガリマールが中国人女優のソン・リリンに惹かれて行く。プッチーニの『蝶々夫人』。ガリマールには美しい妻がいるが、ソンを一度も男性とは疑わずに女性として魅せられて恋に堕ちる。ソンは当局の任務を受けたスパイ。ガリマールは奥ゆかしい東洋人女性を純粋に愛し続けた。後半からの展開、さらに裁判にかけられ受刑者となるガリマール。「私はルネ・ガリマール、またの名をマダム・バタフライ。」蝶々夫人はソンではなくガリマールであったという、大きな錯誤、逆転する世界。もうクローネンバーグ&アイアンズならではの美学に花散る。「私は、男が作り出した女を愛した男だ。私はそのまま想像の世界にとどまる。私は想像力そのものなのだ。」とガリマールは顔に粉化粧をし紅を塗り、蝶々夫人を演じながらガラスの破片で首の静脈を切り自決する。現実と幻想を飛び越えた狂気の最期。壮絶さと醜悪さの混在する死に至る美しき男の美学!なんたる愛のロマンか!!

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追記
唯一、ジョン・ローンの女装にはハテナ?。そして、何故男性と分からずに性的関係を結べるのだろうか?と。そこは西洋人男性から見た東洋人女性の大きな錯誤によるものなのだろうか。そんな事はどうでもよくなる程に、アイアンズの存在と繊細な演技力、クローネンバーグの手腕が映像をグイグイと美しく破滅に向かわせる。80年代、90年代にこのコンビで名作を作り上げた。どちらのファンでもある私はまたもう一度、美中年(美老年)のアイアンズのクローネンバーグ作品を観たいと熱望している。
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  1. 2007/01/01(月) 17:51:40|
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