★映画の宝石箱★美しき菫色の刻に愛を込めて☆ナルキッソスの鏡あるいは自惚れ鏡♪

楽の音は、小声で歌われる歌詞が消えても思い出の中でこだまする。by パーシー・ビッシュ・シェリー

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少女ムシェット

少女ムシェット少女ムシェット:MOUCHETTE
 (1967年・フランス映画)
監督:ロベール・ブレッソン 製作:アナトール・ドーマン 原作:ジョルジュ・ベルナノス  撮影:ギスラン・クロケ 音楽:クラウディオ・モンテヴェルディ、ジャン・ウィエネル 出演:ナディーヌ・ノルティエ、ポール・エベール、マリア・カルディナール、ジャン=クロード・ギルベール、ジャン・ヴィムネ

重く悲惨で残酷な僅か14歳の生。ロベール・ブレッソン監督が『田舎司祭の日記』の原作者でもあるジョルジュ・ベルナノスの原作を今作でも映画化したもの。14歳の少女ムシェット(ナディーヌ・ノルティエ)はどうしようもなく救いがない。どうしてここまで!という程。貧困や苦悩なら誰にも大なり小なりある。自分だけが世界で一番不幸者のように思い込むこともあるだろうけれど、探せば救いは見つかることが多いと私は信じている。でも、このムシェットに関してはもう孤独で死しか救いがなかったのだろう...と思えてしまう。飲んだくれの父、病床の母、まだ小さな乳離れしていない赤ん坊の弟、そして兄と貧しい生活を送っている。父はまったく働く気持ちもなく息子にお酒の密売をさせている。何もしないこの父はアル中で凶暴でムシェットに対して信じられないほどの八つ当たりをする。そんな環境(家庭)から学校へ通うけれど、これまた、学校でも級友や教師からさえ嘲笑いの対象なのだ(もう憤りとやるせなさで痛い!)。お友達もいない孤独なムシェットが、移動遊園地のバンピング・カーで遊ぶシーンだけは楽しそうで好きなシーン。後ろから男の子がバンバンと車をぶつけてくるのだけれど、相手にしてもらっていることに喜びを感じているのだ、いじらしい少女の心。でも、まだまだ不幸は襲ってくるのだ。雨の日の森で密猟をしている男性アルセーヌは森番を殺したと言い、そのアリバイ工作をムシェットに頼む。てんかん持ちで発作を起こしたアルセーヌが落ち着くと、その場にいるムシェットを奪ってしまう...。怖かっただろう...とても!逃げ出すように家に戻り母にだけは伝えたかったけれど、弟にミルクを飲ませなければならず、父も兄もおらず、母は死んでしまう。もう、これでもかというくらいの痛めつけである、悪意の大人たちや社会による。そして、老婆に白いモスリンのお洋服を貰い、崖(土砂)の上から下の池に向かってそのモスリンを体に合わせて転がってみる。そして、また上まで上り、今度は加速をつけて転がってみる。そして、再度さらに加速をつけて転がりドボン...と池の音と白いモスリンが浮かんでいる...ムシェットの死の描き方まで、冷徹な眼差しでこの冷たさはヒリヒリと突き刺さり胸が痛い。台詞もほとんどないモノクロームな映像。音と冷厳な視線の徹し方。

監督はオスカー・ワイルドの言葉を引用して語っていた「普通の残酷さは単純に愚かさから生じています。それはイマジネーションが完全に欠乏しているからです。」と。野兎が狩られるシーンなどもそういう残酷さのひとつのようだし、ただ一人だけ優しい食料品店の女主人がコーヒーとパンをムシェットに与えてくれる。ムシェットがカップをひっくり返してしまった途端!掌を返したように罵声を浴びせるシーンも怖かった...こういう人いるように思う。愚劣な大人たちや社会の犠牲者のような14歳の少女の死。これはある意味、殉職者のようにも思える。至高の映像詩人のようなロベール・ブレッソンの映画は重く厳格なものが多いけれど、私は好きなのだ。ベルトルッチ監督とゴダール監督はこの映画を絶賛していたそうだ。ゴダールは『ウィークエンド』でジャン=クロード・ギルベール(アンヌ・ヴィアゼムスキーも)を起用している。ベルトルッチは『ドリーマーズ』で引用している。ベルイマン監督は『さっぱり、分からん。最悪だ。』と仰ったという。賛否両論の作品であり、全く商業的な世界から遠くにいる(ブレッソン監督というお方がそうなのだろう)古い作品をこうして私は見てなにかしら考えることができる。考える映画は本来好きなのだと思う(お腹を抱えて笑える映画も勿論好きなのだけれど♪)。

mouchettecinemachouchou
学校でのムシェット★
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  1. 2007/10/20(土) 19:21:37|
  2. 少年・少女映画(『クララの森・少女愛惜』へ!)|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:5
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コメント

☆初ブログの開設おめでとうございます♪

mummyちゃん、いつもありがとうございます。

風邪でよく不規則に眠っていまして、先程目覚めました。はい!コメントもう一度投稿させて頂きました。初めてのブログ開設ですね。音楽や映画のお話やその他、これからも楽しみにしています~♪

お父様のお店も営業再開とのお知らせもありがとうございます!配達も兼ねまして伺わせて頂きますね。今は、風邪(随分良くなりました!)なので、外出は控えているのでもう少し先になってしまいます(ペコリ)。v-266
  1. 2007/10/27(土) 01:20:46 |
  2. URL |
  3. chouchou #-
  4. [ 編集]

やっぱり観たいなあ…。

お姉さま、まず業務連絡です。
先ほど、我がブログの加筆修正を
致しましたところ、お姉さまの
コメントが消えてしまいました(涙)
宜しければお手数ですがもう一度
コメントして頂ければ幸いです…。
ど素人ですみません!!

えーっと、そこまで救いが無いなら
ほんと、マジで観てみたい!!
ブレッソンって色気無い監督とか
思われてますがそんな事なくて、
実はそれが持ち味だと思います。
だから余計に観たい!!
  1. 2007/10/27(土) 00:45:31 |
  2. URL |
  3. mummy #SJMMuUIM
  4. [ 編集]

かなり悲惨ですが名作だと思います!

>mummyちゃん、ネカフェからコメントありがとうございます。申し訳ないですね、いつも嬉しいです♪

少女ムシェット、もう廃盤なのですね。このブログ、検索してそのアイテムを選ぶだけなので後から気がつきました。発売されて即買いましたのでまた、今度伺う折に宅配物と一緒に貸し出しいたしますね。高いですね!買っておいて良かったです。でも買い逃してプレミアもので手が出ないものも多いですが...多分、ムシェットはレンタルには無いと思います(扱い外とかありますよね、レンタルも可能にしてほしいですね)。

何とかなるだろう...というお話は多いですが、この少女はもう全く救いがないのです。そこまで!という悲惨さと過酷さです。つまらないと思う方もおられるでしょうが、私はこの映画を知って良かったと思っています。頻繁に観返す映画ではないのですが、忘れられません。

>Hidemiさま。
こんばんは。コメントありがとうございます♪

馬鹿みたいに好き勝手思うままに好きな映画のことを綴っていて、紹介とかそういう大それたものではないのですが、きっと似た感性のお方はおられるので、こうして嬉しいお言葉を頂けると感激です☆

これからもよろしくお願い致します。
また、お気軽にコメントくださいね~!11/30、イベントご一緒ですよね。ショウも楽しみにしています♪
  1. 2007/10/22(月) 21:34:54 |
  2. URL |
  3. chouchou #-
  4. [ 編集]

気になる!!が満載

chouchouさんの紹介してる映画はどれもすっごい気になるv-238
趣味がとても素敵センスv-352全部、見つけてゲットしちゃおうと思いますvこの少女ムシェットもとてもとっても見たい W◎∀◎w

  1. 2007/10/21(日) 14:18:05 |
  2. URL |
  3. Hidemi #-
  4. [ 編集]

赤いトタン屋根の初子以下

かもしれませんねこの映画…。
タイトルの由来は極貧少女漫画、
「赤いトタン屋根の初子」からです。
名作でございます~。んがしかし。
「初子」は悲惨過ぎて笑うしかない、
という描写満載でしたけど、この
「少女ムシェット」ってそれ以下!
というかもうもうシャレにもならん
残酷っぷりですね…。一度真剣に
観てみたいです。どうもお姉さまの
御説明によると、多分好きなタイプの
映画だと思います…。でも、DVD
バカ高いですよね…???
  1. 2007/10/21(日) 01:43:35 |
  2. URL |
  3. mummy #SJMMuUIM
  4. [ 編集]

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