★映画の宝石箱★美しき菫色の刻に愛を込めて☆ナルキッソスの鏡あるいは自惚れ鏡♪

楽の音は、小声で歌われる歌詞が消えても思い出の中でこだまする。by パーシー・ビッシュ・シェリー

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タクシー・ドライバー

タクシー・ドライバー【ワイド版】 タクシー・ドライバー:TAXI DRIVER【ワイド版】
監督:マーティン・スコセッシ 出演:ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ジョディ・フォスター、ハーヴェイ・カイテル (1976年・アメリカ映画)

最初に観たのはテレビで多感な頃。何かがこの作品に対して残ったまま今日に至る気がしてならない。去年も再見し、今年も。年月が経過する中で病めるアメリカ、世界の大都市ニューヨークで生きる人々、街の光と影。時代への叛逆。若者の孤独と混沌としたものが不気味に胸に突き刺さるばかり。この頃のデ・ニーロの蒼白な顔つきは好きだけれど、ここでのトラヴィス役は何だろう...凄まじい。70年代のアメリカ、アメリカン・ニューシネマの名作に違いないのだろう。スコセッシ監督はカンヌでパルムドール受賞作品ながら、本国アカデミーは候補に挙がりながら受賞を逃した。デ・ニーロもジョディも。バーナード・ハーマンの珠玉のスコアも...映画賞の受賞ってなんと困難で大きな意味があり、またはあまり関係ない気もする。

トラヴィスが恋心を抱く女性ベッツィー役のシビル・シェパード、街に立つ娼婦アイリス役の撮影当時12歳~13歳のジョディ・フォスター!お若いハーヴェイ・カイテルは壮絶な最期を迎えるスポーツ役。スコセッシ監督もちょこっと出てくる。凄い豪華な脇役と主役のデ・ニーロにため息。

私はこの映画が好きか?と問われたなら、今もまだ答えられない。でも、この恐怖感は今を生きる私達にとてもリアルな感覚も持ち合わせているように思う。30年前の作品なのに!一見、英雄のように映るトラヴィス。そこが怖いと思うし、今的な気がする。華やかな街のざわめきを照らすネオン。タクシーで徘徊しながらトラヴィスは不浄な世界が目に付き苛立ちと持って行き場の無い怒りと孤独が募る。ベトナム戦争から帰って来たというのも要因だろう。恋も実らず、ますますやるせない気持ちが狂気を伴っていく様から終盤へ...壮絶だ。見事過ぎて怖い!

この映画の公開後、少女ジョディは、ある熱狂的なファンによるレーガン大統領が襲われるという事件が起こり大きなショックを受ける。演技者として優れた才能は映画を離れても予期せぬ形で影響を与えてゆく。現実と妄想の境目が不安定になるというお方も多い。幸い、どうにか私は映画が大好きで感情移入し過ぎて時に暫く境界を彷徨う一瞬がある。それが魅力だとも思っているし、映画は最良の娯楽だと思っているので、美しい風景の中にいつまでもいたいと願う作品に感銘を受けても、また現実に戻ることができる。多くの映画好きなお方はそうだろうし、もっと細かい分析をされたり、かなり精神的な衝撃を受け深い思考に陥ることもあるだろう。何が言いたいのだろう...よく自分でも分からないけれど、デ・ニーロは優れた名優だけれど役柄のトラヴィスではない。そして、トラヴィスは結果的にアイリスを救ったけれど彼女のためという英雄劇ではなく、己との葛藤や憤り、都会の孤独や寂寥が痛ましいデス・コミュニケーション。この残像が30年経った今もリアルに色褪せないものとして伝わってくるように感じる。

サイドには欧州映画やアート系作品を多く並べている私。映画も音楽もだけれど、メジャー作品、ヒット作品、マイナー作品、インディー作品...とどこにも素晴らしいものがある(面白くないものもあるけれど)。マニアックな作品やアート系を好む私もいるけれど、語り継がれる名画、優れたスタッフが集結して生まれる素晴らしき世界を見逃すには勿体無い!そして、また観たいと思う映画に出会えることが嬉しい。

taxidrivercinemachouchou
乗客役のスコセッシ監督とトラヴィス(デ・ニーロ)★
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  1. 2007/06/12(火) 11:20:12|
  2. サスペンス・ミステリー・ハードボイルド|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:6
<<フレンチポップス界のアイドル☆リオ♪ | ホーム | グレイス・ケリーに寄せて♪>>

コメント

mummyちゃん、いつもありがとうございます。
アメリカという国は不思議で不可解ででも魅力的でもあります。という感じが私の漠然とした想いなのです。スコセッシ監督にしても、デ・ニーロにしてもイタリア系のアメリカ人ですものね。アル・パチーノもでしたよね、フランスにもイタリア系のお方もおりますし、人類の歴史や移動を想うと安易に反米とも言えないですし、フランス贔屓と言っても複雑なものがある私です(笑)。

「ミーン・ストリート」は以前TVで観たのですが、ストーンズの曲とか流れていましたよね...(記憶がごちゃ混ぜっぽいですぅ)。「レイジング・ブル」はもう後半のあの増量体型(あそこまで...)と前半のカッコイイ!デ・ニーロが別人でそれも特殊メイクだとか無しですものね。役者魂を感じるお方です。でも、mummyちゃんと感想が似ていて、最近は”もう少し作品選んで出演してほしいなぁ~”っておこがましくも思っています。何だか勿体無いような気もします。でも、演じることがお好きだからでしょうね♪

mummyちゃんはパトリシア・アークエットのファンだったのですね。世代の差かな~(笑)、私はお姉さまのロザンナの方が今も好きですが、でもパトリシアも素敵な女優様ですよね。俳優一家ですものね、ここも☆

「アリス」のコメントもありがとうございます!ちょっと、私的なノスタルジーになってしまったので申し訳ございません。でも、いつもコメント下さって嬉しいです。お仕事も大変でしょうが、ファイト!っですね(私も頑張なくっちゃね、笑)。
  1. 2007/06/27(水) 11:35:49 |
  2. URL |
  3. chouchou #-
  4. [ 編集]

お姉さまへ。

うーん、私もお姉さまと同じく
不安とか恐怖とか孤独が痛いほど、叩きつけられるほど
感じられます。ベトナム戦争ってのはでかいですよ!
今、アメリカってイラク戦争でドロドロですよね?
こんな事を言うと不謹慎極まりないのですが、
私達と同じくらいの世代の人間がまたこの映画のような
雰囲気の映画を撮ってしまうのではないか、という
危惧と期待がない交ぜになっています。まあ時代が
違い過ぎますので一概には言えませんけどね。
でも「戦争」というのはいつの時代であっても
物凄く印象的で、凄惨な爪あとを残すものですし。

んで、「タクシードライバー」観るのって実に
しんどいです(苦笑)この頃のデ・ニーロって
私も好きですよー。この映画とか
「レイジング・ブル」とか「ミーン・ストリート」
とか一連の初期スコセッシもので彼の評価というか
伝説は映画史に残るものになったのでは?という
気がします。今のデ・ニーロって私的には
悪いけれど駄作ばかりに主演しているんですもの…。

「救命士」はですね、ネタが公開当時バッティングで
話題になってた「シックス・センス」と少しかぶってた
という理由でスコセッシ好きの方々からもたいへん
評判が悪かったのですけれど、何も期待しないで
観てたら非常にハマりました。なかなか頑張ってますよ
ニコラス刑事もスコセッシも。それに私の大好きな
女優さまのひとりであるパトリシア・アークエット嬢が
出ておりますし、一人で盛り上がってました(笑)
音楽の使い方も良いです。真夜中のニューヨークで
暴走する救急車カットバックシーンでクラッシュが
突然流れたり。ジョニサンも流れます!!音楽の
使い方って私、タラちゃんよか未だに
スコセッシのほうがわりと好きだったりします。
タラちゃんは正直上手過ぎるので時々つまんなく
感じるんです。スコセッシは踏み外すので(苦笑)、
好きなのかな?と。今日夜中に久々にビデオ屋行って
「ディパーテッド」借りたのでタイムリーだわ…。
  1. 2007/06/25(月) 04:43:26 |
  2. URL |
  3. mummy #-
  4. [ 編集]

>mummyちゃん、いつもありがとうございます。
そうですね、不安や恐怖、孤独がとても怖いくらいに感じられますよね。アメリカの歴史の上でベトナム戦争というのもとても大きな影響があると思います。どの国でも戦争という体験は...。

私もこの映画は名作だと思うのですが、気合が必要です。ヘヴィですものね。上手いと思います、デ・ニーロ!ある種のデ・ニーロ神話を確立した一本でもありますよね。70年代のデ・ニーロはかなりお気に入りなのです~☆

ニコラス・刑事(笑、相変わらずお得意ですね♪)の『救命士』ちらっと予告編か何かで観ただけなので、また課題にしておきます~ありがとうございます。
  1. 2007/06/24(日) 11:42:26 |
  2. URL |
  3. chouchou #-
  4. [ 編集]

トラヴィスは間違いなく十代の頃の私にとって
完全なアンチーヒーローでした。やるせない、
拠り所の無いうつらうつらとした日常。
ただただ寂しいだけの日常。そんな無情さに
どんどんトラヴィスが追い込まれて行く姿が、
当時の私、今の私、にこびりついています。
この映画を観ると私はたまらなくトラヴィスの
気持ちに同化してしまうのです。概ね私がこうして
激しく感情移入してしまうキャラ、というのは
まず絶対的なフラストレーションがあり、暗く、
思い通りに何ひとつ進まないうざさがあり、
それに伴う孤独に犯されている…といったキャラが
好きみたいです。そんな私ですのでトラヴィスというか
「タクシー・ドライバー」は大好きな一本。
トラヴィスは結局自分で何がしたいのかが最後まで
自分でも解らないところがあったような気もします。
まともに恋愛も出来ず、まともに仕事も出来ず、
鬱陶しい日々をやり過ごすだけ。だからこそ
それすら出来くなってしまうほど憔悴し切った
トラヴィスは凶行に走ってしまったのかな、と…。
だからトラヴィスは狂ってるとは思えません。
そりゃいきなり娼館襲撃!!とかあり得ないんですが
大統領候補暗殺しようとしたり…ってのも多分
トラヴィス的には「何となく」っていう理由が解らん
行き当たりばったり的な事だったんじゃないかな、
って。そんな気持ちを重ねたのかな…と。そして何より
トラヴィスの諦めや悲しみはとてもじゃないけど
他人事とは全く思えないのです。独りになって、
追い詰められて。なのにそれでも自分が抱える
不安や狂気に対して自分でケリをつける事も
全く出来ない…。がんじがらめになったブルーな
気持ち、そんなものは何処へ行くの?という疑問を
ずっと抱える人間にとってこの映画はある意味
救いの一本だったと思います。今でも観るには
物凄く気合の要る作品ですが、それでも大好き!!

スコセッシ入門編としても最適かもしれません。
あと、スコセッシものの近作で誰も無い事に
したがっている「救命士」も「救急隊員のトラヴィス」みたいな奴が出て来ます~。でも、そいつが
ニコラス・刑事なので別の意味で辛いかもです(苦笑)
  1. 2007/06/20(水) 14:07:53 |
  2. URL |
  3. mummy #-
  4. [ 編集]

川さま、コメントありがとうございます!
こちらでは初めましてですが、velvetでもずっとお世話になっておりありがとうございます。

はい、私も好きなアメリカ映画って皮肉なことに、アメリカの汚点を敢えてアメリカ人が描いた社会派ものなどに好きなものが多いように思います。川さまも音楽と映画共にお好きなのですね♪また、コメントお気軽に下さいね。これからもどうぞ宜しくお願い致します。
  1. 2007/06/13(水) 01:22:52 |
  2. URL |
  3. chouchou #-
  4. [ 編集]

初カキコさせていただきます!ヨーロッパの作品も好きですが、アメリカ映画の、特に同国の闇の部分のようななものを鋭くえぐる作品には感銘を受けます。「タクシー・ドライバー」はまさにその代表格ですね。それと、アメリカの最も忌み嫌う歴史のひとつである「ベトナム戦争」の影が、結果的に多くの映画の名作を生んだのは皮肉なものです…。
  1. 2007/06/12(火) 17:07:21 |
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  3. #-
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