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楽の音は、小声で歌われる歌詞が消えても思い出の中でこだまする。by パーシー・ビッシュ・シェリー

エンジェル・アット・マイ・テーブル

エンジェル・アット・マイ・テーブル エンジェル・アット・マイ・テーブル
:AN ANGEL AT MY TABLE

監督:ジェーン・カンピオン 出演:ケリー・フォックス、アレクシア・キオーグ、カレン・ファーガソン
(1990年・ニュージーランド映画)

ジェーン・カンピオン監督作品は好きなので、初期の短編作品から『イン・ザ・カット』までは観ている。最初の出会いはこの『エンジェル・アット・マイ・テーブル』で、今も好き。監督同様にニュージーランドの女流作家ジャネット・フレイムの自伝的原作が基になっている。何というのだろう...切なくて感情豊かでユーモラスも忘れないというふんわりした空気が好き。ジェーン・カンピオン監督の初期の作品には少女達が主役なのも嬉しい。この作品の主人公のジャネットを演じる3人(童女期の少女・思春期の少女・大人になってのジャネット)それぞれに個性的。特徴は赤毛の強いくせ毛とちょっと太り気味。みんな同郷の人達のようだ。成長してからのジャネットを演じたケリー・フォックスは今も活躍されている。監督はこの3年後には『ピアノ・レッスン』で世界各国で絶賛され各賞を受賞となる。

ニュージーランドやオーストラリアには優れた映画人の方々が多く、好きな役者さんも多い私。さて、この作品。成長と共に学校内、友人たちとの関係が上手く保てない少女ジャネット。拠り所のような文学が大好きな文学少女だった。子供時代に姉が水死したことなども大きく影響しているのだろうが、心のふれあいのようなものが上手くない。時代も今とは違うので周囲からは安易に”おかしい”と烙印される。不幸なことに精神病院での8年間に200回ものショック療法を受け、母親の同意の下、あわやロボトミー手術という矢先、短編集『礁湖』が文学賞を受けることに。それから欧州旅行の体験などを経て、文学の道で生きていこうと故郷に戻り平穏な日々を迎えることができるようになった。しかし、当時の精神科医の方々はその後、彼女の異常さを撤回している。少女期に精神異常者と烙印を押し苛酷な療法をこれだけしておきながら、よくもまぁ〜!と率直に不審感を覚えてしまう。でも、”良かったね!”。ジャネットには文学がずっとあった。劇中、私の好きな詩がいくつか出てくる。イエーツやシェリーなど♪

”あわてないでいい、天使が不意におまえのテーブルに来たとしても・・・・・”というリルケの詩集『果樹園』よりこのタイトルは得られている。正しく、ジャネット・フレイムに相応しいと思う。

この映画の撮影当時、実在のジャネット・フレイムは66歳。監督は映画化することで彼女を幻滅させるのではと心配していたという。でも、ジャネット・フレイムは”大丈夫、おやりなさい。あなたの映画を作りなさい。”と穏やかに仰ったという。お写真を拝見してもお優しそうで、シャイな可愛らしいお方に思える。繊細過ぎる感性が時に狂気に映る。辛い8年間、精神の白夜を体験してきたジャネット・フレイム。でも、前向きに生きるその姿から学ぶことができる。こういう映画をユーモアも交えて肯定的に描くジェーン・カンピオン監督って素敵だと思う。

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実在のジャネット・フレイムと演じた3人のジャネットたち♪

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  1. 2007/02/06(火) 17:56:41|
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