★映画の宝石箱★美しき菫色の刻に愛を込めて☆ナルキッソスの鏡あるいは自惚れ鏡♪

楽の音は、小声で歌われる歌詞が消えても思い出の中でこだまする。by パーシー・ビッシュ・シェリー

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『追想 愛と復讐と男の戦い』 ロベール・アンリコ監督 (1975年)

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☆美しいロミーとノワレ♪

ロベール・アンリコ監督がフィリップ・ノワレとロミー・シュナイダーを主役に描かれた1975年作品。勿論、音楽はフランソワ・ド・ルーベ!邦題のサブタイトルにあるように”愛と復讐と男の戦い”のドラマ。美しい妻クララ(ロミー!!)と可愛い娘フロランスと愛犬マルセルと共に幸せな日々を送っていた医師のジュリアン。時代は1944年の連合軍によるノルマンディ上陸作戦が決行時のフランスの片田舎。危機感を持ちながら過ごしている人々、負傷した人々の治療をしているのだ。けれど、悪夢が襲う!この世で最も大切な愛する妻子が惨殺されてしまった...もう、ここから、淡々とした巧い味わいのある演技でフィリップ・ノワレの行動を見守る。祖父の古いショットガンを手にして、ドイツ軍の兵士に次々と復讐してゆく。その間、ジュリアンの追想が常に過ぎる。美しいクララに一目惚れした日のこと、結婚式の日、娘の小学校の卒業式の日...この作品では美しいロミーの笑顔を沢山拝見できる。その美しさがさらに悲劇に哀愁を帯びる。血まみれの復讐劇ではなく、アンリコの描き方は此処でも冷静でカッコイイ!

フィリップ・ノワレも好きで、『地下鉄のザジ』で知ったお方。飄々としたとぼけたコメディ・ドラマも絶妙ながら、このような役も演じることができるお方。私はロミー・シュナイダーがとても好きなので、その短い悲運の人生を想うと哀しい。この映画の中で笑うロミー、悲しそうにしている場面...すべてが美しく涙を誘うのだ。これは、全く個人的な感情のことで、もっと冷静に映画だけを観ることができたなら...とも想うけれど、私はただの映画好きなのでこんな具合。

戦争映画が好き!でも、戦車や血まみれシーンは無くてもいい。戦地で闘う兵士たちにも様々で恐怖に怯えながら、戦後も何かにとらわれてしまった方も多いだろう。また、戦時下のその国々で生きていた人々を想うとたまらない。このような戦場の陰を描いたもの、そんな時代に芽生えた恋や友情、家族の絆...などを描くことで訴えてくるような作品が大好き!ロミーというと『離愁』というジャン=ルイ・トランティニャンと共演した作品が想起される。『追想』と同じくパスカル・ジャルダンによる脚本でもあるので不思議ではない。

今、オリンピックの中、驚異的な人々を観て歓喜と感動で泣いてばかりいる。泣き虫の私ながら、その涙にも色々ある。泣いたり笑ったりしていると疲れるけれど、怒ることよりはずっと楽でいられる。

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追想 愛と復讐と男の戦い/Le Vieux Fusil
1975年・フランス映画
監督:ロベール・アンリコ 原案:ロベール・アンリコ、パスカル・ジャルダン 脚本:パスカル・ジャルダン、クロード・ヴェイヨ 撮影:エティエンヌ・ベッケル 音楽:フランソワ・ド・ルーベ 出演:フィリップ・ノワレ、ロミー・シュナイダー、ジャン・ブイーズ、マドレーヌ・オーズレー、ヨアヒム・ハンセン、カトリーヌ・デラポルテ、カロリーヌ・ベーム


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  1. 2008/08/18(月) 11:17:16|
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『ライフ・イズ・ビューティフル』 ロベルト・ベニーニ監督 (1998年)

ライフ・イズ・ビューティフルライフ・イズ・ビューティフル/LA VITA E BELLA
1998年・イタリア映画
監督:ロベルト・ベニーニ 脚本:ロベルト・ベニーニ、ヴィンセンツォ・セラミ 撮影:トニーノ・デリ・コリ 美術・衣装デザイン:ダニーロ・ドナーティ 音楽:ニコラ・ピオヴァーニ 出演:ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ、ジョルジオ・カンタリーニ、ジュスティーノ・デュラーノ、マリサ・パレデス、ホルスト・ブッフホルツ、セルジョ・ブストリック


ロベルト・ベニーニが監督・脚本・主演で、海外の各賞を多数受賞された『ライフ・イズ・ビューティフル」(1998年・イタリア映画)。この映画の感動はまだ私の記憶にも新しく時折観たくなる大好きなもの。でも、10年経っているのだ。グイド(ロベルト・ベニーニ)とドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)の愛息子ジョズエを演じるのはジョルジオ・カンタリーニ君。1992年12月5日・イタリアのフロレンス生まれ。撮影当時は劇中と同じく5歳の幼い愛らしい少年でこの作品がデビュー作。この後、出演以来が殺到したそうだけれど、彼はまだ小さいので詳しいプロフィール等は公開されなかった。私はこの作品でしかまだ知らないけれど、その後も出演した作品があるようだ。

舞台は1939年のイタリアのトスカーナ地方。本屋を開く志を抱くグイドは詩人の友人と、叔父の住むアレッツォの町にやって来る。そこで魅惑的な女性ドーラと出会う。彼女のことを”お姫さま”と呼んでいたのだけれど、偶然にも度々会うあたり運命の出会い!そして、彼女はドーラという小学校の教師であると知る。ドーラには婚約者がいたけれど、次第にこの二人は惹かれあい結ばれる。数年後、念願の本屋も開店し、息子と三人幸せに暮らしていた。しかし、周りではユダヤ人の権利を阻止する動きが広がっていた。グイドは楽観的に想っていたけれど、遂に彼らは時代の嵐に飲み込まれてしまう。息子ジョズエの5歳のお誕生日に強制収容所行きの列車に乗せられてしまう。グイドは幼い息子に説明しなくてはならない...でも、彼は息子に自分たちがゲームに参加しているかの如くに語るのだ。”泣いたり、ママに会いたがったり、おやつを欲しがったりする者は負け。家に戻されてしまう。でも、1000点集めると戦車がもらえるんだ”と。その父のお話を信じ賞品の戦車を思い目を輝かせる純粋さで父を待ち続けたりする。

感動的なことの一つに、ユダヤ人では無い妻ドーラも自らの意志で収容所へ行く決意をする。その中でも三人は生きる希望を忘れない!そして終戦がやってくる。悲劇の中で、笑いと希望と勇気を忘れずに”人生は美しい”と想い続けることの尊さ。しかし、実際に愚かな戦争の中で多くのユダヤ人は殺されてしまった。そんな事実もベニーニは百も承知で、このようなファンタジックな映画を描くことに成功した。これも勇気だと想う。また、スターリン政権下のトロッキーが隠れ家で今にも暗殺者がやって来ると恐怖に怯える中に残した言葉、「いまでも自分は「人生は美しい」と思っている」と。この言葉から大きなインスピレーションを受けたのだそうだ。また、”ベニーニはイタリアのウディ・アレン”と称されることもあるそうで、そのことについてベニーニは、「ロシアのマストロヤンニである方が、イタリアのウディ・アレンであるよりずっと難しいと思うし、僕はロシアのマストロヤンニにはほど遠い。」と語っている、素敵だと想う。音楽も美術や衣装デザインも大好き!素晴らしいがいっぱいの映画☆笑いが感動の涙を届けてくださる、尊いと想う!そして、私も「人生は美しい」と想い続けて生きてゆきたい♪

『ライフ・イズ・ビューティフル』 ジョズエ少年(ジョルジオ・カンタリーニ:GIORGIO CANTARINI)♪ として綴ったものです。



  1. 2008/06/26(木) 11:58:54|
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ソフィーの選択

SOPHIE'S CHOICEcinemachouchou

ソフィーの選択/SOPHIE'S CHOICE
1982年・アメリカ映画
監督・脚本:アラン・J・パクラ 原作:ウィリアム・スタイロン 撮影:ネストール・アルメンドロス 音楽:マーヴィン・ハムリッシュ 出演:メリル・ストリープ、ケヴィン・クライン、ピーター・マクニコル、リタ・カリン、スティーヴン・D・ニューマン、ジョシュ・モステル、ジョセフ・ソマー

現役の女優様でメリル・ストリープはとっても大好きなお方。私がメリル・ストリープを知ったのは『フランス軍中尉の女』(でもテレビで『ジュリア』を先に観ていたのだけれど後から知ったので。そして、これまた大好きなジェレミー・アイアンズもこの作品で知った。)。続けて公開されたのが『ソフィーの選択』。今でも覚えている、阪急の神戸線で梅田駅に着く手前辺りに大きな広告のポスターが貼ってあった。美しいその雰囲気とは違い、まだ10代だった私には最初は正直なところよく分からない内容で、でもどっしりと重い気分が残ったものだった。『フランス軍中尉の女』も母と一緒に行った。母は『クレイマー、クレイマー』ですっかりメリル・ストリープのファンになっていた。今の私は、メリル・ストリープの主演作だとこの『ソフィーの選択』が最も好きかもしれない。3時間弱の映画で観終えた後の余韻は決して気分の良いものではないけれど、時が経てばまた観てしまう。そして、ホロコースト、ユダヤ人の人達の罪無き悲劇、戦争の恐怖と愚かさ....を考えることは歳を重ねる度に深まってゆくように感じている。

いくつかの人生の選択を強いられた女性ソフィー。究極の選択である我が子をSS隊に渡す母の気持ち...酷すぎる!その事を生涯背負うものであること、腕の番号...忘れたくても忘れられない消せないもの。耐え忍び生き延びた人々も殺されてしまった人々も、また死に追いやった立場の人でさえ悲しい出来事だと想う。人が人を殺めるなんて!家族が引き裂かれる不当な理由がどうしても...。

それにしても、素晴らしい!ポーランド人役のメリル・ストリープは訛った英語でソフィーのいくつもの側面を演じているのだから。主演女優賞を受賞した作品でもあり、各国で絶賛されたもの。そして、この頃の(ふっくらとされる前)お美しいこと!透き通るような白い肌と憂いを湛えた表情...魅力に溢れている。ネイサン役のケヴィン・クライン、スティンゴ役のピーター・マクニコル、この3人の窓辺の屋根の上での平穏なひと時の美しい風景と音楽が儚く蘇ってくる。また、このアラン・J・パクラ監督作品に好きなものが結構あるということも、比較的最近気が付いたこと。


SOPHIE'S CHOICE1cinemachouchou
ネイサン、ソフィー、スティンゴ★


  1. 2007/11/19(月) 04:52:44|
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ふたりのトスカーナ

ふたりのトスカーナふたりのトスカーナ/IL CIELO CADE
2000年・イタリア映画
監督:アンドレア・フラッツィ、アントニオ・フラッツィ 原作:ロレンツァ・マッツェッティ 脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ 撮影:フランコ・ディ・ジャコモ 音楽:ルイス・バカロフ 出演:イザベラ・ロッセリーニ、ジェローン・クラッベ、ヴェロニカ・ニッコライ、ララ・カンポリ、バルバラ・エンリキ、ジャンナ・ジャンケッティ

映画監督でもあるイタリアの女流作家ロレンツァ・マッツェッティ(ロレンツァ・マゼッティ)の自伝的小説『天が落ちてくる』を映画化した『ふたりのトスカーナ』。監督はイタリア・フィレンツェ出身の双子の兄弟アンドレア&アントニオ・フラッツィで、この作品が長編デビュー作。イタリアはローマに一度だけ行ったことがある(トレビの泉にコインを投げてきたので再び行けるのだろうか...)。映画が大好き!色々なことを学び考えさせられる。好みの作風は多種に渡るのでその中で色々と連鎖し、また原作やスタッフや俳優たち...好きな世界が少しずつ広がりながら心や頭に浸透してゆくようだ。この作品の舞台となるイタリアのトスカーナ地方は、いくつかの映画の中で知ることができたとても美しい緑の自然の景色。感動的だ!お話は、第二次世界大戦下のトスカーナ地方、両親を交通事故で失い孤児となってしまったふたりの少女姉妹は、伯父夫婦のもとに引き取られる。そのひと夏の出来事と同時に、戦争による悲劇をも情感豊かに描いたドラマ。姉ペニーの目を通して描かれ、両親を亡くした幼い姉妹ながら、美しい自然の中で健気に生きる姿。過酷な厳しい現実(時代)の中でペニーの愛らしい微笑みが脳裏に焼きつき涙に溢れながら、私も微笑返しをしてしまう。かのフェデリコ・フェリーニが、「この本を読んだ時ほど、熱狂的にのめり込み、楽しんだことはめったにない。」と語り、イタリア三大文学賞のひとつのヴィアレッジョ賞を受賞。世界中で翻訳されこうして私も原作を読むことができる。可愛い子供たちと、伯母カッチェン・アインシュタインに扮するイザベラ・ロッセリーニがとても素晴らしい!そして、まだ幼く姉にべったりの甘えん坊の妹ベビーは、両親の死すらよく分かってはいない。なので、ユダヤ人である伯父達にナチスの手が迫り悲劇を目の当たりにしてさえも...。

あたしとベビーはヴィラにいった。焼けた屋根の梁のあいだから射しこむ空の光を、割れた鏡が映していた。みんなはそこにいた。おじさまも。
ベビーはおじさまの上にかがみこんだ。おじさまに話しかけた。
「返事しない」 「だれも返事をしないわ・・・・・」
そして、血で汚れた手で涙をふきながら、泣き叫び始めた。


わたしたちは黄金の夜明け
大気と光に向かって元気に育つ
わたしたちはイタリアの子ども
さらに偉大なイタリアを望む
わたしたちの小さな心
小さいけれど愛で燃える
声を震わせて鳴く小鳥のように
神よ、統帥をとわに救いたまえ


《ペニーが”あたしが一番好きな歌”と語る「イタリア少女団の歌」より。》



  1. 2007/10/30(火) 07:09:16|
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亀も空を飛ぶ

亀も空を飛ぶ
バフマン・ゴバディ DVD-BOX
2004年・イラク/イラン合作映画
監督:バフマン・ゴバディ 出演:アワズ・ラティフ、ソラン・エブラヒム、ヒラシュ・ファシル・ラーマン、アブドルラーマン・キャリム、サダムホセイン・ファイサル、アジル・ジバリ

『酔っぱらった馬の時間』『わが故郷の歌』のクルド人監督バフマン・ゴバディの2004年作品。手足のない少年たち、目の見えない赤ちゃん...これはドキュメンタリー映画ではないけれど、静かに訴える戦争映画として私の胸に突き刺さる。これは現実のこと...戦争の悲劇や愚かさ、野蛮さを想う。監督はこの現実と幻想のお話に登場する子供たちを3ヶ月かけて探し選んだそうだ。ただ手足のない子どもならその町を5分も歩けば見つかるとも。これが現実。クルド人の方々の生活を辛うじてこうした優れた映画のお陰で少しだけ知ることができる。そして、考えることはできるけれど、私には何もできはしない。日本の自衛隊も多くこの町に滞在している。お水などを補給しているそうだ...。健気な子供たち(手足がなくても笑うことを忘れてはいない!)、主役の少年は利発な子供。ただ独り、アグリンという少女に惹かれてこの映画を観た。一枚のチラシの彼女の視線の強さに惹かれたのだと想う。この少女アグリンを演じるアワズ・ラティフのことを「クララの森・少女愛惜」に少し綴りました♪

舞台となるのはハラブジャというところ。サダム・フセインが科学兵器を使って5000人のクルド人を殺害した土地だった。この少女アグリンはその為に両親を失い孤児となってしまった。彼女には両腕のないヘンゴウという兄がいる。彼らクルド人の子供たちは身を守る為には自ら武器を手にしなくてはならない。また、生活する為には散乱する地雷を集めて売るのだ。アグリンの小さな背中よりも大きな籠の中には地雷がいっぱい。そして、この11.2歳位だろうかという少女の背中には2歳の赤ちゃんがいる。その赤ちゃんは目が見えない。衝撃的すぎる!この赤ちゃんは兵士にレイプされて産まれた子。まだ小さな少女の意など此処には無い。淡い恋をする時間も無い。無邪気に笑い過酷な毎日を過ごす体の不自由な少年たちと違い、アグリンは一切笑わない。この少女に残されたものとは何だろう...!私のような人間、幸せな子供時代を送ったとしか思えない者に、彼女の気持ちは分かりはしないだろう。でも、このような映画を知り得たことを嬉しく思う。私の好きな戦争映画は、このような戦争の合間の子供たちや人々を描いたものが多いように思う。何故、こんな目に遭わなければならないのだろう...これは、ただ可哀相だという次元ではなく、大きな権力や暴力、力に対する非力な者の今なのだ。思春期など無く大人になってしまうかのような、儚き子供たち。

Turtles Can Fly3
地雷を籠に背負うアグリン!

  1. 2007/10/17(水) 23:07:39|
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エンテベの勝利

エンテベの勝利 a

エンテベの勝利:VICTORY AT ENTEBBE
1976年・アメリカ映画
監督:マーヴィン・J・チョムスキー 出演:ヘルムート・バーガー、ヘレン・ヘイズ、デヴィッド・グロー、リンダ・ブレア、クリスチャン・マルカン、バート・ランカスター、アンソニー・ホプキンス、カーク・ダグラス、エリザベス・テイラー、リチャード・ドレイファス、ビビ・ベッシュ、ジェシカ・ウォルター

昨夜、観た映画。とっても久しぶりの再見で2度目。そもそも、男騒ぎする類のもの(アクション系は特に苦手)なら耽美な世界や歴史劇(コスチューム好きなので)を好む私。どうも、戦争ものや西部劇は名作でも未見ものが多数ある。この『エンテベの勝利』を初めて観た理由は、ヘルムート・バーガーさまが出演されていると知り、随分前に観たけれどあまり出番も多くなく...。

<このハイジャック事件の概要>
1976年6月27日、ギリシアのアテネ国際空港を離陸したフランス、パリ行きのエールフランス139便(エアバスA300)はハイジャックされ、リビアのベンガジにあるベニナ空港から結局ウガンダのエンテベ国際空港に強制着陸させられた。ハイジャック犯は8名のパレスチナ解放人民戦線および2名のバーダー・マインホフのメンバーであった。彼らは親アラブのウガンダ大統領イディ・アミンの援護を受けていた。(Wikipediaより)

年月の経過は怖ろしい!とんでもない豪華キャスト映画だった☆バート・ランカスターが出ているのは覚えていた。だって、『家族の肖像』のお二人なので♪ところが、ここでの共演シーンは無くて残念だった。再見し、驚いたことがいくつかある。この実際に起きたハイジャック事件と同じ年に(日本公開も同年ながら、アラブ側からの上映中止の抗議があったそうだ)製作された作品だということ。こんな豪華キャストで短時間で作られたのかと思うと凄いと思い、同時になにか勿体無い気もした...。古い映画のため、チープな感じもしたけれど、考えさせられることはあった。やっぱり、ここでもユダヤ人の問題が重要なので私の気になるところ。パレスチナ解放人民戦争は終えたとはいえ、今もイスラエルでは囚人や虐殺が続いてる。まだ終えたことではない。嘗て、日本赤軍の日航機ハイジャックの事件があり、子供だったけれどそのニュースは少し覚えている(特番などもその後もあったからだろうか)。

もう一つ驚いたことは、オープニングの主要キャストのトップに、《ヘルムート・バーガー》と出てくるのだ!凄い~♪と思わず誇らしげに思ったりしたのだけれど、ハイジャック犯の首謀者のドイツ人役で最後は死んでしまうし、あまり大写しのシーンは多くない。でも、あの甘くも怪しいやや病的なお声が”私も怖いのです。錯乱しています...”と機長室からアナウンスする時の感じは大好き!でも、凄みというか怖さの点では同グループのドイツ人女性役のビビ・ベッシュの方が(お二人共にオーストリア人ですが)!あと、リンダ・ブレアが居たので『エアポート'75』を思い出したりした。一人の戦死兵役がリチャード・ドレイファスだったり、首相役のアンソニー・ホプキンスがお若く、バート・ランカスターの上司役だったり、リズ・テイラーもリンダ・ブレアの母親役で登場するので、あっ!と『別離』を思い出したりもした。

少しの犠牲者は出たけれど、この奇襲作戦の成功で残されたイスラエル人、ユダヤ人の人達の命が救われて良かったと思った。詳しい作戦は機密事項なのだろうから明かされていないと最後に活字で出ていた。でも、こうして、映画で歴史を知ることができる、映画から多くのことを教えて頂きながら愉しんでいるのだと思うと映画がさらに好きになる!

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ペレス国防相役の渋いバート・ランカスター


  1. 2007/09/22(土) 12:48:39|
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コルチャック先生

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コルチャック先生/KORCZAK ポーランド/西ドイツ/フランス合作映画

監督:アンジェイ・ワイダ
製作:レギーナ・ツィグラー、ヤヌシュ・モルゲンスターン、ダニエル・トスカン・デュ・プランティエ
脚本:アンジェイ・ワイダ
撮影:ロビー・ミューラー
音楽:ヴォイチェフ・キラール

出演:ヴォイチェフ・プショニャック、エヴァ・ダルコウスカ、ピョートル・コズロウスキー、マルツェナ・トリバラ、ヴォイチェク・クラタ、アダム・シィミオン、アンナ・ネフレベツカ

ポーランド伝説の人、ヤヌシュ・コルチャック(本名はヘンリク・ゴールドシュミット)の物語。アンジェイ・ワイダ監督は20余年もの構想の後に映画化を実現。この「コルチャック先生」を描くことはワイダ監督の生涯の課題の一つでもあったという。コルチャックを演じる、ワイダ作品ではお馴染みのヴォイチェフ・プショニャックは言葉に出来ない程素晴らしい!それに尽きると言える程。

コルチャックはユダヤ人一家の出身だったけれど、ポーランド人社会の中で多忙に過ごしていた。小児科医(世界初の)として、作家として、孤児院の院長として、子供達の川遊びを見守りながら楽しい日々を。しかし、ナチスの迫害は日増しに激化していた。コルチャックはユダヤ人をあらわす腕章を付けていなかったことから、咎められ拘留される(しかし、その後も腕章を付けることは決してしなかった)。子供達の食料を確保するために、ゲットー内の裕福な人達や慈善家の住まいを訪問しながらも、近づいて来る”死”というものを子供達に理解させるために、お芝居をさせた。タゴールの『郵便局』。コルチャックにとって自分の誇りや名誉はもはや不必要だったので、成金の男性や居酒屋に集う密輸業者達から献金してもらったり。すべて子供達の命のため。

この映画はお涙頂戴ものではない。表象的な博愛主義でもない。コルチャックの孤児達200人をナチスがトレブリンカ収容所へ連れて行く日がやってきた。子供達には用意しておいた一番良い洋服を着せ、ユダヤ人の印「ダビデの星」の旗を高く掲げ、コルチャックは先頭に立ち汽車に乗る。子供達がもっとも彼を必要とする時に傍にいてやること、彼等の尊厳を守ってやることが最後の願いだった。そして、彼は子供たちと共に死を迎えた。モノクロの美しい映像は悲劇を描きながらも、清澄で優しい情感に溢れている。故に、涙が止まらないけれど美しい心に酔う。そして、とても大切なことを教えて頂いたのだと嬉しくなる。そんな大好きな作品。



  1. 2006/09/20(水) 01:04:40|
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戦場のピアニスト

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戦場のピアニスト:THE PIANIST
2002年 フランス/ドイツ/ポーランド/イギリス合作映画 ロマン・ポランスキー監督

出演: エイドリアン・ブロディトーマス・クレッチマン、エミリア・フォックス、ミハウ・ジェブロフスキー、エド・ストッパード、モーリン・リップマン、フランク・フィンレイ

90年代後半からピアニストと題させた秀作が立て続けに公開された。中でも好きなのはイザベル・ユペールの「ピアニスト」。でも、ポランスキー好きなのでこの作品も見逃せないものだった。世界中で多くの賞を受賞された様で良かったと思う。個人的にポランスキー作品の中でとても好きな方でもない「戦場のピアニスト」。でも、秀作には違いないと思う。

ウワディスワフ・シュピルマン役のエイドリアン・ブロディも個性的で繊細な演技をされるお方だ。ポランスキーは常に狂気を描く。この作品は単なる反戦映画でもなければ、お涙頂戴映画でもない。観終えた後の残像は実に荒涼としていた。あのワルシャワの廃墟化した街、多くのユダヤ人の迫害、ナチス・ドイツ軍...。ポランスキー監督が自らの体験(数奇な体験が多い不思議な巨匠!)があるからこそ描ける世界だと思う。これは実話を基に映画化されたと知って驚いたものだ。ドイツ軍のヴィルム・ホーゼンフェルト大尉の様な方も存在したのだ。最後はロシアの捕虜として亡くなってしまうこの大尉役のトーマス・クレッチマンは実はお気に入り!そして、シュピルマンの元恋人ドロタ役のエミリア・フォックスが登場するシーンは特に真剣に魅入ってしまう。そんなシュピルマンとの関わりのある人々も皆存在感を感じるものだった。

このような実話を知るとやっぱり運命というものを強く感じてならない。運良く生き延びた人、惨殺されてしまった人、そして人や社会をも大きく狂わせてしまう戦争の脅威に慄く。前日の「レッズ」とは全く違う感覚。シュピルマンはただただ運命に身を任せて生き延びた様にも感じる。またピアノを弾ける日々が訪れて良かった。何とも言えない涙が溢れるまま、私はまたポランスキーが好きになっていた。彼流のアナーキーな世界、狂った世界が好き。その彷徨う感覚がたまらなく好きなように感じている。アカデミー賞でも監督賞を受賞されたけれど、未だに入国は出来ないのだろう...こんな巨匠と呼ばれるお方は他にはいないだろう。


  1. 2005/05/12(木) 06:08:12|
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