★映画の宝石箱★美しき菫色の刻に愛を込めて☆ナルキッソスの鏡あるいは自惚れ鏡♪

楽の音は、小声で歌われる歌詞が消えても思い出の中でこだまする。by パーシー・ビッシュ・シェリー

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『女の顔』 グスタフ・モランデル監督 (1938年)

女の顔 バーグマンa
☆手術直後のアンナ

1938年のイングリッド・バーグマンがハリウッド・デビューする前のスウェーデン映画。当時、バーグマンは二十歳過ぎでお若い。既に本国では人気の女優さまであったと思うのだけれど、このような役柄を演じておられる辺り、流石!フランス劇の原作を映画化したものだそうだ。1941年にはジョージ・キューカー監督、ジョーン・クロフォード主演の作品もある。

イングリッド・バーグマン演じるアンナの片方の顔には火傷の痕(酷いケロイド)がある。そのために暗い少女時代を送り、現在も人に言えない仕事をしていた。仲間の男性たちと、人の弱みに付け込んでは大金を得るという、ゆすり屋である。悪人のアンナは男性達に引けを取らないキレ者の存在。あるお金持ちのご夫人が次のターゲット。彼女のご主人は整形外科医のお方で、そのゆすりの場面で出会うことになる。その医師はアンナの顔を見て気の毒に思い整形を勧めるのだった。奇しくも整形手術で美しく生まれ変わったアンナは、ある貴族の甥トルシュテンを殺し財産を奪うという計画のため、執行者として家庭教師を捜していたそのお屋敷に向かうのだけれど、その貴族トルシュテンと恋仲になる。次第に本来の目的を実行することに戸惑い葛藤が起きる。美しく別人のようになったアンナは荒んだ心までも美しさを取り戻して行った。結局、仲間を裏切り、その計画を阻止しようと決意する。

お美しいバーグマンは数々の映画で拝見しているけれど、前半の火傷のお顔のバーグマンは初めて。それでも、セーターにパンツルック姿の颯爽としたお姿は綺麗!巧みに演じ分けているのも流石で、前半のアンナの喋り方などもなかなかカッコよかったりする。鏡を見て映る自分のその姿。その時の仕草や表情などには女心が表れていて可哀相にも思えた。また、この映画はスウェーデン語なので、本国の言葉で特異な役を演じた名女優イングリッド・バーグマンを拝見できたので、もう、それだけでも感激でもあった。それにしても、何を観ても素晴らしい女優さま☆

私がまだ中学生頃だったかと思う。母とお買い物に行くバスの中で、顔の片方に青いアザのようなものに覆われた少女と出会ったことがある。大人しそうなお方で歳も当時の私と然程変わらなかったように思えた。見つめてはいけないと思った。それでも、この映画を観て、その名も知らない少女のことを思い出せた。きっとアンナのように、お家で鏡を見ては哀しい思いをしていたのだろうと思う...。


女の顔
女の顔/EN KUINNAS ANSIKTE
1938年・スウェーデン映画
監督:グスタフ・モランデル 原作:フランソワ・ド・クロワセット 脚本:イエスタ・スティヴェンス、スティナ・ベルイマン、ラーンヒルド・プリム、撮影:オーケ・ダールクイスト 音楽:エリック・ベントソン 出演:イングリッド・バーグマン、ヨールイ・リンデベルイ、トーレ・スベンベルイ


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  1. 2009/08/13(木) 10:47:48|
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『ベリッシマ』 ルキノ・ヴィスコンティ監督 (1951年)

BELLISSIMAcinemachouchou
☆娘マリアとマッダレーナ

ルキノ・ヴィスコンティ監督の1951年映画『ベリッシマ』。この映画は80年代に劇場で観たのが最初。そして、イタリアの名女優アンナ・マニャーニ出演作としても初めて観たもの。先ず、ヴィスコンティが大好きなので他の作品のこともと思いながらも好き過ぎて纏まらない...でも、思いつくままに。記しておくと便利なので(頭の整頓に)いつもより細かくスタッフ名を挙げておこう。これがまた、私の好きな美が繋がってゆくのだと再確認。

ラジオで”六歳から八歳までの女の子を一名募集”という知らせ。チネチッタ撮影所内のステラ社の最新作『今日と明日と別の日』の「ベリッシマ(美少女)・コンクール」の特設看板も掲げられている。翌日、わが娘を未来のスターにと夢見て多くの親子連れが集まっている。マッダレーナ(アンナ・マニャーニ)も娘マリア(ティーナ・アピチッラ)に夢を馳せて会場にやって来たのだけれど、肝心のマリアがいない。もうコンクールは始まっている。マリアはプールの傍で泣いている。受付に間に合わないのでマッダレーナはマリアをぶってしまう。しかし、親切な青年アルベルト(ワルター・キアーリ)が現れ一次選考を通過して気をよくするマッダレーナ。この青年は関係者でもあった。二次選考に向けてマリアは、元女優の下で演技指導を受けたりという日々が始まる。お洋服を購入したりとマッダレーナは楽しいのだ。夫は反対しているので口論もあるけれど、マッダレーナは映画が大好きな方(劇中、バート・ランカスターやモンゴメリー・クリフトの映画が流れる)。”バート・ランカスターの声って素敵だわ”と言ったりして愉快(バート・ランカスターは後にヴィスコンティ映画に欠かせないお方ともなる)。マリアなのだけれど、本人はあまり楽しくもない(多分5歳で幼いうえに大人しい少女)。ケーキのロウソクも上手く消せず、二次選考では泣いてしまった。そして、決定選考試写の日、居ても立ってもおられずマッダレーナは強引に試写の様子を覗う。マリアの泣きじゃくるフィルムを観て大笑いする製作関係者たち。監督(アレッサンドロ・ブラゼッティ監督が実名で出演)だけはマリアに関心を抱いていた。マッダレーナは泣くだけの娘のフィルムを見て呆れるものの、大笑いしている人達が腹立たしくなってくる。遂にはその部屋まで入ってゆくのだ。我が娘が笑い者にされ喜ぶ親はいないだろう!監督はマリアを気に入っていたので製作者たちは先回りして契約書を持って家にやって来ていた。けれど、バスを待つ帰り道、マッダレーナはマリアにとって良いことではないのだと儚き夢が消え去るのだった。そして、そんな契約書などもう要らないのだと夫に彼等を追い返してもらう。人情喜劇でもある素晴らしさ!

この『ベリッシマ』はもう兎に角、このアンナ・マニャーニの魅力全開!天晴れである。デカダンの巨匠ヴィスコンティはこの時期はネオ・レアリスモ(ネオ・リアリズム)。下町の人々の生活や表情が生き生きと描き出されている。”ヴィスコンティは貴族なので一般庶民の生活など分かりはしない”と言われたことがある。けれど、ヴィスコンティは”赤い貴族”とも呼ばれたお方!大好きなので讃えることしか出来ないけれど、『ベニスに死す』や『ルートヴィヒ』だけが名作ではない!私はヴィスコンティから今なお多くのことを学んでいる過程。『若者のすべて ロッコと兄弟たち』を観て心が張り裂けそうだったのだ。何も知らない10代の私の心が、これ程映像を観て衝撃を受けたのはデヴィッド・ボウイのライヴ映像以来のことだった(その前の衝撃は『愛の嵐』)。後に『揺れる大地』を観て心揺さぶられた!今だと、貴族であるヴィスコンティならではの表現世界があるのだろうと思える。常に徹底しているし役者の選択も見事すぎる。”美学者”として私は敬愛しているお方でもある。監督の言葉(ヴィスコンティ語録)が好き。そんなお言葉のひとつを☆

下級階層にあり、娘を女優に仕立てあげようと夢に見る女を、マニャーニはある人間的な豊かさをもって演じてくれた。この庶民的な母親の顔が自由に生き生きとしていたのは、まったくマニャーニのおかげである。私は俳優の個性をそのまま生かしながら登場人物を描き、掘り下げていく。マニャーニはそういう私にうまく応えてくれる女優である。(ルキノ・ヴィスコンティ)

border="0"ベリッシマ/BELLISSIMA
1951年・イタリア映画
監督:ルキノ・ヴィスコンティ 助監督:フランチェスコ・ロージ、フランコ・ゼフィレッリ 製作:サルヴォ・ダンジェロ 原作:チェザーレ・ザヴァッティーニ 脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ、フランチェスコ・ロージ、ルキノ・ヴィスコンティ 撮影:ピエロ・ポルタルーピ、ポール・ロナルド 衣装デザイン:ピエロ・トージ 音楽:フランコ・マンニーノ 出演:アンナ・マニャーニ、ティーナ・アピチッラ、ワルター・キアーリ、アレッサンドロ・ブラゼッティ

 



  1. 2009/04/05(日) 03:39:08|
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『やさしい嘘』 ジュリー・ベルトゥチェリ監督 (2003年)

やさしい嘘 デラックス版 [DVD]やさしい嘘 デラックス版 [DVD]
(2005/03/11)
エステール・ゴランタンニノ・ホマスリゼ

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やさしい嘘/DEPUIS QU'OTAR EST PARTI...
      2003年・フランス映画
監督:ジュリー・ベルトゥチェリ 脚本:ジュリー・ベルトゥチェリ、ベルナール・レヌッチ 撮影:クリストフ・ポロック 出演:エステル・ゴランタン、ニノ・ホマスリゼ、ディナーラ・ドルカーロワ、テムール・カランダーゼ

『クララの森・少女愛惜』にて、この映画のことを少し綴っています♪





  1. 2009/02/09(月) 21:57:45|
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『いつか眠りにつく前に』 ラホス・コルタイ監督 (2007年)

EVENING
いつか眠りにつく前に/EVENING
2007年・アメリカ/ドイツ合作映画
監督:ラホス・コルタイ 原作・脚本:スーザン・マイノット  出演:ヴァネッサ・レッドグレイヴ、クレア・デインズ、トニ・コレット、ナターシャ・リチャードソン、メイミー・ガマー、メリル・ストリープ、パトリック・ウィルソン、ヒュー・ダンシー、アイリーン・アトキンス、グレン・クローズ、バリー・ボストウィック、エボン・モス=バクラック

つい先日、お友達と『エリザベス ゴールデン・エイジ』を観に行く日のこと。ランチをご一緒して時間は余裕のはずだったけれど、私が食べるのが遅いこと、楽しいお話が弾んでいたこと....上映時間が過ぎ次の時間に予定を延長しようとゆっくりしていた。しかし、その後の上映は夜の部しかなく帰宅が随分遅くなってしまうと焦る。会場に向かいちょうど上映時間前の『いつか眠りにつく前に』を合意の下観たのだった。チラシは表紙だけ見ていたのだけれど、クレア・デインズが主役でヴァネッサ・レッドグレイヴやメリル・ストリープ達大物女優方は脇役だと思っていた。でも、クレア・デインズ好きだし~♪とワクワクと席に着き予告編などを。そして、始まった途端!!もう感動☆我ながら呆れるのだけれど、多分自分で思っている以上にヴァネッサ・レッドグレイヴが大好きなのだと思う。海のボートに白いブラウス姿の若き日のアン(クレア・デインズ)と岸壁に黒いロングドレスに身を包み神々しく立っている死を目前とした老女のアン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)の姿が映し出された。そして、”この映画を今日観なさいということだったのね”とお友達とも語った。彼女にもお伝えしたのだけれど、私は歳のせいか...映画でも実生活でも年老いたお方のお顔や手などの皺を見るのが好きなのだ。好きということばが適切かどうかも分からないけれど、皺はその人の歩み、生きてきた証し、年輪として刻まれるものなので、とても尊く美しいと思えるのだ。今のハリウッド女優さまの多くは皺取りや整形...が公然とされているけれど、英国の誇り!のような大女優のヴァネッサ・レッドグレイヴのお顔や手の甲の皺がアップで映される度に畏怖の念のような気持ちと共に、私の両親の死がオーバーラップもした。父は末期癌だったので最期はこの映画のレッドグレイヴのように、痛みを抑えるためにモルヒネを打たれた。すると、朦朧としながらも独り言を言ったり何か書いている気でいるようだったり...と不思議な光景だった。父はその時間もあまり長くはなかったけれど。

トニ・コレットとナターシャ・リチャードソン(ヴァネッサ・レッドグレイヴの実の娘さま)が死の床の母を看取るのだけれど、母のうわ言から聞いた事の無い名前が幾度も。”ハリス”...40数年前の若き日の記憶に戻っているのだった。そして、死を目前にしてようやく声にした最も(ずっと)愛していた男性ハリス(パトリック・ウィルソン)。歌手として成功したい夢を持っていた若き日、ボーイフレンドのバディ(ヒュー・ダンシー)、親友のライラ(メイミー・ガマー、メリル・ストリープの実の娘さま)とのすれ違う2日間の出来事(過ちだとアンは心に留めていた)。死の時に、それまでの想い出が走馬灯のように駆け巡るのだというけれど、私の死の時は何を想い、誰の名をうわ言で言うのだろう...。

トニ・コレットとナターシャ・リチャードソンも好き。さらに、大物!グレン・クローズとメリル・ストリープの登場シーンは多くはないけれど貫禄というのか凄い!という感じがした。また、もうお一人!!アイリーン・アトキンスも好きな英国の至宝女優さま♪ヴァネッサ・レッドグレイヴとの共演で思い出すのは、『ダロウェイ夫人』!!また、レッドグレイヴ~メリル・ストリープ(『ジュリア』もあるけれど)~グレン・クローズの共演となると、『愛と精霊の家』(ジェレミー・アイアンズがここでも素晴らしい!)を想い起こしたりしながら観ていた。芸歴の長い女優さまたち、こんなに好きな女優さまが揃って出演している作品とは知らずに、観る予定ではなかった作品なのに観て良かった!と心から思えた。

結婚や出産に戸惑う次女のニナ(トニ・コレット)に、最期に母が床で言う。

「幸せになろうと努力して。人生に過ちなんてないのよ。」

この言葉をヴァネッサ・レッドグレイヴのあのお声が語る、死の直前の母の言葉、生きてきた人の言葉として、私はこの映画の物語以上のものをこの最期の言葉から得ることができたように思えた。その前に、危篤の知らせを受けて数十年ぶりに会う老いたライラ(メリル・ストリープ)が駆けつける。ふたりだけでベッドで手を握り合い語り合うシーンがこの最期の言葉の感動にも繋がっていると思う。

EVENING1
☆ストリープとレッドグレイヴ☆


  1. 2008/03/02(日) 05:35:41|
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『美しい人』 ロドリゴ・ガルシ監督 (2005年)

美しい人 デラックス版美しい人/NINE LIVES
2005年・アメリカ映画
監督・脚本:ロドリゴ・ガルシア 撮影:ハビエル・ペレス・グロベット 出演:キャシー・ベイカー、エイミー・ブレネマン、エルピディア・カリーロ、ホリー・ハンター、ロビン・ライト・ペン、シシー・スペイセク、アマンダ・セイフライド、グレン・クローズ、ダコタ・ファニング、リサ・ゲイ・ハミルトン、モリー・パーカー、メアリー・ケイ・プレイス、シドニー・ターミア・ポワチエ、エイダン・クイン

ロドリゴ・ガルシア監督の『彼女を見ればわかること』と出演者が少し重なっていて、さらに演技派女優さまの名に惹かれ、女性映画好きなので期待して観たもの。オムニバス映画ながら少しずつ登場人物は繋がっている。”人と人は繋がっているんだ”という台詞もあった。邦題よりも原題の「NINE LIVES」の方が分かりやすい。それぞれ環境も歳も違う女性たちの人生。様々だけれど、誰もが何かを背負って生きている。2時間弱の作品なので9編のひとつ一つは短いけれど、最後はグレン・クローズで締めくくる。娘役にはダコタ・ファニング。じわじわと観ながら何かを感じていたのだろうか...ロビン・ライト・ペン、シシー・スペイセクにエイダン・クインというお気に入りの俳優方、さらにシドニー・ポワチエとジョアンナ・シムカスの娘さんのシドニー・ターミア・ポワチエも脇役ながら拝見できたり...そして、淡々とした流れの中でグレン・クローズの表情や仕草は素敵で悲哀を帯びた夫を亡くした中年女性を演じていた。エンドロールの中、切なく静かな感動が込み上げて来るような感じ。生きることは重いけれど美しく尊いものなのだと想う。

1話:サンドラ/エルピディア・カリーロ
2話:ダイアナ/ロビン・ライト・ペン
3話:ホリー/リサ・ゲイ・ハミルトン
4話:ソニア/ホリー・ハンター
5話:サマンサ/アマンダ・セイフライド
6話:ローナ/エイミー・ブレネマン
7話:ルース/シシー・スペイセク
8話:カミール/キャシー・ベイカー
9話:マギー/グレン・クローズ


NINE LIVEScinemachouchou
マギーと娘マリア♪

  1. 2008/02/09(土) 00:01:24|
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猫が行方不明

猫が行方不明 猫が行方不明:CHACUN CHERCHE SON CHAT (1996年・フランス映画

監督:セドリック・クラピッシュ 出演:ギャランス・クラヴェル、ジヌディーヌ・スアレム、オリヴィエ・ピィ、ルネ・ル・カルム、ロマン・デュリス、アラピム

セドリック・クラピッシュ監督作品はとても親近感を覚えるというのか、フランスだけれど日本の日常の中で共感できることが多く、シンプルでユーモアがあって好き。この『猫が行方不明』はクラピッシュ作品で最も人気があるように思う。私の友人たちにも猫ちゃん好きな方は多く(わんちゃん好きも♪)この映画の行方不明になる黒猫のグリグリ(主役のギャランス・クラヴェルが実際に飼っていたアラピムという本名)に似たお名前の猫ちゃんを思い出す映画でもあり楽しい。ランボーという猫ちゃんも出てくる。主役のクロエ(このお名前はボリス・ヴィアンの『日々の泡』の主人公の名!)が同居していたゲイの青年ミシェル役のオリヴィエ・ピィやジャメル役のジヌディーヌ・スアレムは、他のクラピッシュ作品でもお馴染み。この映画の半分位は素人の方々が出演していて、バスティーユの街や人々、90年代の空気が自然と満喫できるようで愉快。

預けたグリグリが行方不明になり探す過程と、クロエのロマンスも同時進行しながら進んでゆく。このクロエ役のギャランス・クラヴェルってとても可愛いお方なので要チェック!と思っているのに、なかなか日本公開作品が無くて残念(こういうこと、よく言ってる気がする)。時々寂しげな表情とかとても好き♪そして、もう一人のこの映画の主役のようなお方!マダム・ルネ役のルネ・ル・カルムがチャーミングで面白くて素敵なのだ。ご老人と若者との交流を描いたものも好き。フランス映画ならではの都会のクールさ、孤独さと共に、どこか人情的なものも伝わる秀作に思う。そして、ロマン・デュリスは此処ではドラマー役の音楽青年を演じているけれど、全編を流れる音楽も素敵♪オープニングはジャズ・ファンクな曲で、途中にはドビュッシーやショパンのクラシック、シャンソンやラテン・ナンバー、そして、ラストは英国のポーティスヘッドの名曲で終える!!私はどうもエンディング曲でさらに好きになるパターンが多いようにこうして綴っていると感じる...皆様はどうなのだろう...色んな映画の楽しみ方があるのでそれぞれなのだろうな☆

chatcinemachouchou



  1. 2007/09/13(木) 04:21:12|
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ギルバート・グレイプ

ギルバート・グレイプ ギルバート・グレイプ:WHAT'S EATING GILBERT GRAPE (1993年・アメリカ映画)

監督:ラッセ・ハルストレム 出演:ジョニー・デップジュリエット・ルイスレオナルド・ディカプリオ、メアリー・スティーンバージェン、ジョン・C・ライリー

もう大好き!!で何度も観ている。最初に観たのはジュリエット・ルイスが出ていると知ったから♪主役はタイトルにもあるジョニー・デップ。ちょっと、脱線...ジョニー・デップについて日頃思っていることを少しばかり。まぁ~凄い!人気☆私は演技者として作品によって違うし個性的なので好きな役者さまではある。しかし、"きゃぁ~♪”とはならない。でも、間違いなく今日本で最も人気のある外国の男優さまだろう。そして、私の周り、友人たちにまた熱狂的なファンの方がぎっしりなのだ。なので迂闊なことは言えないけれど、あるお友達に映画雑誌の付録にデップの「パイレーツ・オブ・カリビアン」の冊子のようなものが付いていたので差し上げた。すると、”ジョニー!素敵♪”とたいそう喜んで頂けた(私はこの”ジョニー”が新鮮だった。私なら”ジョニー”と言えばジョニー・アリディ。同世代なのに)また、あるお友達に口が滑ってしまって”ジョニー・デップって足短くない?”と言ってしまった。すると、間髪入れずに”そこがいいんですよぉ~!きゃぁ♪”という有様にもう何も言えない私。そんな大人気のジョニー・デップの映画、こんな私でも結構観ていて好きな作品も多い(『スリーピー・ホロウ』『フロム・ヘル』はとても好き)。ただ、この映画はディカプリオが最高!!デップとジュリエット・ルイスとのトライアングルな雰囲気が絶妙な気もする。脇役の方々もいい。

アメリカは広い。大都会のニューヨークとは別のアメリカ。僅か千人程度の人口の田舎町エンドーラが舞台。父親の自殺以降、全く外出しなくなってしまった母親は太ってゆくばかり。嘗ては町一番の美人だったという。そして、知的障害を持つアーニー(ディカプリオ)。彼は給水塔に登ることが大好きで何度注意されても繰り返してしまう。もうすぐ18歳のお誕生日を迎えるのだけれど、一人でお風呂で体を洗うこともできない。長男であるギルバート(ジョニー・デップ)はそんな家族を支えている、姉妹たちもいるけれど。いくら家族とはいえ、やるせないと思う。でも、心優しい青年なので自分のことより家族のことばかりを優先し心配して過ごしている。そこに現れる少女ベッキー(ジュリエット・ルイス)は自然体で瑞々しく素敵(大好き!)♪次第にギルバートとベッキーは親しくなってゆく。でも、町から出ることは出来ないし、ベッキーは祖母と一緒に車の故障が直れば他所へ行ってしまう...。

最後の旅立ちと再会のシーンで号泣する私。再見を繰り返す度に、この頃のディカプリオは可愛いなぁ~と思う。そして、この役が今まで観た彼のキャラクターで最も好きなものだ。凄いと思う!彼らは新たな出発を迎えるけれど、母親の死を経てのこと。それぞれに背負っているものがある。高い所が好きなアーニーはよく木に登る。”アーニーはどこ?”と木の上にいるのを知っていて探す。探してもらって喜んでいるアーニーの笑い声と表情や仕草がたまらなく愛らしくて好き。家族や兄弟の絆、そして、この映画は青春映画でもあるので甘酸っぱい。海辺のシーンや夕日の景色も綺麗だ。撮影はスヴェン・ニクヴィスト! 監督はスウェーデンのラッセ・ハルストレムで、ジョニー・デップは2000年に『ショコラ』で再びハルストレム作品に出演している。

GILBERTGRAPE
★ベッキー、アーニー、ギルバート♪(ジュリエット・ルイスが可愛い!デップはお顔も大きめかな...きっと、そこも魅力なのだろうなぁ。(すみません♪)


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  1. 2007/09/04(火) 03:28:51|
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綴り字のシーズン

綴り字のシーズン綴り字のシーズン:BEE SEASON
監督:スコット・マクギー 出演:リチャード・ギアジュリエット・ビノシュフローラ・クロス、マックス・ミンゲラ
(2005年・アメリカ映画)

宗教学者の大学教授ソール・ナウマン(リチャード・ギア)一家のお話。一見何不自由のない幸せな家庭、ナウマン一家。でも、それぞれに家族の誰にも言えない秘密の心があり、次第に均衡が崩れバラバラになろうとする。そのバラバラになったものをまた再生へと向かう優しい力に最後は泣いてしまった...。

完璧過ぎる夫を愛しながらも、実は息が詰まりそうな日々な妻ミリアム(ジュリエット・ビノシュ)。二人には可愛い息子アーロンと娘イライザがいる。父は優秀な息子アーロンに愛情を注ぎ、アーロンもまた誇りに思う父であり尊敬していた。しかし、ある日娘イライザが学校でスペリング大会に優勝して帰ってきた。地区大会でも優勝。とんでもないスペリングの才能を持つ11歳の少女イライザ。彼女は”目を瞑ると文字が浮かんでくるの”と母に語る。そんな娘の才能を知り、父の愛情の傾きがイライザに大きくなってゆく。イライザは父に抱きしめられ会話する時間が増えとても嬉しい。それまで兄を羨ましく思っていたので。でも、今度は兄が心寂しくなる。何となく分かるなぁ~という感じ。意外な展開だったのは、ミリアムには幼い頃に両親を失ったことでのトラウマが今も心に強くあった。そのことはソールも知らない。ミリアムには窃盗癖がありその発覚に驚くソール。全国大会が近づく中、家族がバラバラになってゆく。イライザはその様子を見ながら戸惑うけれど、全国大会優勝目前でワザと間違う終わりのシーン、スペルは折り紙origamiだった。崩れそうな家族の絆を結びつける役目となるこの少女。ミリアムも盗んだ破片たちで形にしていくという秘密の場所、それは心でもあるので、何となく普通の主婦のようで謎めいた役、次第に人格が破綻してゆくミリアムをビノシュは流石に上手く演じていたと思う。

知らない単語が出てきてもイメージして答える大会。ただの暗記大会ではないので新鮮な感じ。映画初出演となるイライザ役のフローラ・クロスは、パリ生まれのフランス人なので次はフランス映画でお会い出来るかも?台詞は多くはないのだけれど静かな大きな役柄を見事にこなしていた。髪どめのスタイルと大きな瞳、万華鏡を覗くシーンなど、とても可愛く印象強く今も残っている♪

Bee Season


  1. 2007/03/08(木) 23:03:33|
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オール・アバウト・マイ・マザー

オール・アバウト・マイ・マザー オール・アバウト・マイ・マザー
監督:ペドロ・アルモドバル 出演:セシリア・ロス、マリサ・パレデス、ペネロペ・クルス、アントニア・サン・フアン、ロサ・マリア・サルダ (1998年・スペイン映画)

ペドロ・アルモドバル監督作品と知ると観ていると気づく。いつも女性たちが主役で愛の様々な形、様々な女性の生き方を見せてくださるから好き。私は女性なのでどうしても男性のことはよく分からない。なので神秘的なのでもあるけれど、女性映画は身近に思えるのだろうか。この『オール・アバウト・マイ・マザー』はアルモドバル監督作品の中で最も泣いた映画。哀しみや優しさに対する涙に思う。アルモドバル監督は同性愛の方だと思うけれど、いつも女性たちを色んな角度から描く。色彩も綺麗でユーモアもある。そして、スペイン映画からハリウッド進出する今、ここではペネロペ・クルスがシスター・ロサ役で出ていて実に可憐。そして、劇中でも大女優役(女性しか愛せない)としてマリサ・パレデスの凛とした美しさにうっとり。個性的な女優さまのアントニア・サン・フアンは女装したゲイボーイを演じている。そして、息子を事故で亡くす母役のセシリア・ロス。最高!!何て素敵な人なのだろう。

最初にこの監督を知ったのは『神経衰弱ぎりぎりの女たち』。何かの雑誌で紹介されていてタイトルが面白そうだったので。そして、『ハイヒール』『キカ』でスッカリお気に入りの監督さまになっていた。カルメン・マウラもヴィクトリア・アブリルも国際女優として各国の作品で拝見するようになった。新作の『ボルベール』は昨年のカンヌで出演女優さま全員が最優秀女優賞に輝いた。古巣のようなアルモドバル監督作品にまたペネロペ・クルスもカルメン・マウラも帰ってきた。監督はとてもお優しいお人柄に思えた。そして、そんな素顔から各作品の核のような愛を強く感じる。アルモドバル監督にとって母という存在はかけがえの無いものなのだろう。様々な女性を描きながらも常に母なる存在がある。なので、子供のいない私でも何か母性なるものを刺激されるようにも思う。

監督のインタビューにより、主要な女性たちには実は引用された先輩女優さまの存在があったという。大女優ウマ・ロッホにはベティ・デイヴィス。息子を失った母マヌエラにはロミー・シュナイダー。黒い瞳の修道女シスター・ロサにはエマニュエル・ベアール。そして、女になりたかった男アングラードはゲーリー・クーパーだと!それを知り、また再見してみるのだった。そして、古き名画『イヴの総て』やヴィヴィアン・リーの『欲望という名の電車』も劇中で引用されている。こうして映画を愛して止まぬ映画人たちは繋がってゆく。スペインで映画制作は安易なことではない。名匠たちが数多くいるのに作品は中断されたり、日本までやって来ない...。幸いにもアルモドバル監督作品は沢山公開され観ることが出来て嬉しく思う。

マヌエラは、息子に父親の存在を知らせずに育ててきた。打ち明けようとした矢先の事故。運命のいたずら。この悲劇からマヌエラは封印してきた過去に向き合う決意をする。マドリッドからバルセロナへと...。最後までダレる瞬間は私にはなく、マヌエラの静かに深く心を刺激する向かう道のりに力強さを感じ堪え切れず涙に溢れる。とっても好きな映画!

allaboutmymother.jpg


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  1. 2007/01/26(金) 13:36:03|
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アリスの恋

アリスの恋 特別版 アリスの恋
監督:マーティン・スコセッシ 出演:エレン・バースティン、クリス・クリストファーソン、アルフレッド・ルッター、ジョディ・フォスターハーヴェイ・カイテル
(1974年・アメリカ映画)

マーティン・スコセッシ監督がエレン・バースティンを主役に描いた女性ドラマの秀作。エレン・バースティンは素晴らしい!今も。この頃はご本人もシングル・マザーで息子さんと愛犬との暮らしをされていたそうだ。なので、このアリス・グレアム役は私生活と重なる部分も大きい。19歳で結婚して息子トムがいる。ご主人が急な事故で他界。お葬式代でお金が底をついてしまい二人は故郷のモンタレイへ移ることにする。未亡人になってしまったアリスだけれど、何か二人には安堵感もあった。そういう父親だったのだ。1970年代のアメリカ。社会の中で自立して生きていく女性たち。そんな女性ドラマが多数あるけれど、この「アリスの恋」は代表作のひとつ。マーティン・スコセッシ監督にしては珍しい作風だけれど、こういうのも作って下さって嬉しい。アリスは未亡人とは言え、まだ32歳。歌手になる夢も捨ててはいない。でも、その日その日を生きていくためにはお金が必要。ツーソンの町のウェイトレスをしながら息子トムと喧嘩したりじゃれ合ったりして、泣いたり笑ったりして生きている。恋もする。でもその相手が悪い場合もある(ここではハーヴェイ・カイテルがサディスティックな妻のある男性としてちょっと出てくる)。息子のトムも母親に恋人ができると何か面白くない!でも、風変わりなちょっとおませで不良の少女オードリー(ジョディ・フォスター)と仲良くなる。デヴィッド(クリス・クリストファーソン)がアリスを気に入りふたりは仲良くなるけれど、トムは反抗する。恋もしたい、仕事もある、夢もある、でも息子はかけがえの無い存在。そんな葛藤から、アリスとトム親子は町を出て故郷に向かう決意をする。でも、デヴィッドから結婚を申し込まれるアリス。そして、実はトムもデヴィッドが嫌いではなかったので喜ぶ。二人は笑いながら町を歩く...その親子の姿が自然で素敵に思える。エレン・バースティンはとても生き生きとした感情豊かなアリスを演じている。この作品でオスカー受賞となった。私は12歳のジョディの登場するシーンは特に好き♪横分けのショートめのブロンドの髪と相変わらず冷めたあの感じで、少年ぽく可愛い(この後、同じくスコセッシ監督の『タクシードライバー』への出演と続く。ハーヴェイ・カイテルも一緒に)。トム役の眼鏡のひ弱な感じとソバカスが愛らしいアルフレッド・ルッター君はこの後、『がんばれ!ベアーズ』にも出演している。

アメリカの女性って逞しいイメージがずっと私の中にある。精神的な部分や雰囲気かな。今では日本でもシングル・マザーでしっかり生きている女性たちも多い。私は無理だなぁ...と思いながらもこういう女性たちの生き様から何かを得ている気もする。でも、以前『ヴァージン・スーサイズ』でも触れたのだけれど、この時代のアメリカを想う...。全ての女性が強く逞しく自立して生きていけるはずはない。どの国にだって色んな女性がいる。私ならどうしていただろう...とこの女性のエネルギーが爆発している活気に満ちた70年代のアメリカで。そんな風にふと思ったりしながらも、このアリスのチャーミングで自然体な魅力に引き込まれてしまう。脇役もいいし、派手さはないのだけれど心に残る作品のひとつ。

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  1. 2007/01/19(金) 10:52:21|
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ウェディング

ウエディング ウエディング
監督:ロバート・アルトマン出演:キャロル・バーネット、ミア・ファロー、リリアン・ギッシュ、ジェラルディン・チャップリン、ローレン・ハットン(1978年・アメリカ映画)

2006年の夏にはダニエル・シュミット監督が、そして、新作の完成のニュースを嬉しく思っていたら11月20日にロバート・アルトマン監督がお亡くなりになった。好きな監督のお一人。アメリカ人ながらヨーロッパでの評価の方が高いような気もする。アルトマン監督作品で好きなものは多い。特に群像劇はどれも!この『ウェディング』を最初に観て監督の名前を知った。ミア・ファローが出ているので観たのだった。もう!とっても楽しくて色んな事が起きる起きる。富豪の御曹司と名家の子女の結婚式とパーティー。その二つの舞台で繰り広げられる様々な人間模様。両家の家族と結婚式のコーディネーターやカメラマン、料理人たち48名。これだけの人が出てくるのでなかなか1度では名前やどちらの身内の人なのかよく分からない。でも、とんでもないことが次々と起こり、ミア・ファローのねじが歪んでいるかの様な可愛らしさも最高!そして、私はこの映画で初めてリリアン・ギッシュを観ることができた。名前しか知らずもう老女優のお年の頃なので婿側の祖母の役。それも、結婚当日に亡くなってしまうという。奇想天外な可笑しさで最後は何となく不可思議なぼんやりさ。エンディング・ナンバーはこれまた大好きなレナード・コーエンの歌声が流れる♪豪華キャストなのもとっても贅沢な気分。そんな思い入れの強い作品のひとつを思い出しながら追悼。

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  1. 2007/01/12(金) 07:12:27|
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グロリア

グロリア グロリア
監督:ジョン・カサヴェテス出演:ジーナ・ローランズ、ジョン・アダムス、バック・ヘンリー、ジュリー・カーメン
(1980年・アメリカ映画)

ご主人であり監督兼個性派俳優であった故ジョン・カサヴェテス映画には欠かせない存在。「フェイシズ」「こわれゆく女」「オープニング・ナイト」と好きなカサヴェテス映画は多い。全て、このジーナ・ローランズの存在はあまりにも大きい。この「グロリア」で、おそらく私にとっては初めてピストルの似合うハンサムな女性と出会う事が出来たと思う。勿論スクリーン上での事ながら。

1980年作品でこの時、ジーナ・ローランズは50歳。もうすっかり中年なのだけれどクールでタフで知的な凄い女性なのだ。シャロン・ストーン主演でリメイクされているというけれどまだ未見...というか気が進まない。元の「グロリア」でこれ程印象強く焼き付いたかっこいい女性グロリアはジーナ・ローランズの為にカサヴェテスが制作したような傑作なのだから。(でも偏見は良くないので機会が有れば観ようと思う。)

ひょんな拍子でギャングに両親を殺された少年を任され、マンハッタン中を駆け回る。友人の子供というだけで、このグロリアはあまり子供好きなタイプの女性ではないようなのだ。それが一緒に逃げ回っている内に次第に二人の中の信頼感と愛情の様なものが生まれてくる。ギャングを相手に女性一人が子供を連れて怖じ気づく事もなく、次々と瞬時に頭を回転させ行動する。あまりにも機敏で勇敢なのだ。嘗てギャングのボスの情婦だったグロリアならではの行動でもある。カッコイイ悪女という感じ。性悪では決してないところが魅力だとも思う。額に手を当て考える姿、いざとなれば毅然と腰に手を当て片手にはピストル!そして、あの眼差しの鋭さ。「きゃぁ~!」と惚れ惚れしてしまう。私なら、ジタバタビクビクで即死間違いない状況...。

最も好きなシーンはやっぱりラスト!少年フィルとグロリアが再会して抱き合う。まるで本当の親子の様に二人ともたまらない笑顔を見せる。フィルが丘からグロリアの姿を見つけ駆け寄る時のスローモーションも粋だし、ビル・コンティの哀愁の旋律も見事な名場面だと思う。他には、シルクのスーツ姿から見える太すぎず細すぎずの締まった脚と美しいブロンドの髪。そんなグロリアが口笛を鳴らしてタクシーを止め、片足でそのドアを開けるシーン。何だかとてもイカスのだ。僅か6歳のフィルに、荷造りをしながら「生きることは大変なの。死んじゃおしまいよ。」と告げるグロリアの言葉に胸を打たれる。ふとした表情や仕草もとても繊細で、カサヴェテスはそれらを上手く描き出しているとも思う。台詞以外の表現の素晴らしさも忘れてはならないと。そして、決して最後まで諦めないグロリアの勇姿に美を感じる。本当に美は様々!ただお上品なものだけが美しいのではない。でも、このクール・ビューティーさは馬鹿ではダメ。知性と情熱が不可欠。そして優しさも。

この映画はギャングやサスペンス映画でもあるのでしょうが、私はこのグロリアという女性のタフさや闘いに胸が熱くなる。それは彼女がただ強い女性だとうだけではなく、彼女は自分とも闘っている姿がかっこいいと思えるから。



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  1. 2007/01/04(木) 06:50:16|
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