★音楽と映画の宝石箱★ナルキッソスの鏡あるいは自惚れ鏡☆愛してやまない世界に愛を込めて♪

楽の音は、小声で歌われる歌詞が消えても思い出の中でこだまする。by パーシー・ビッシュ・シェリー

『秘密の儀式』 ジョセフ・ロージー監督 (1968年)

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☆亡き娘の写真を持つレオノーラ(リズ・テイラー)♪

ジョセフ・ロージー監督の1968年映画『秘密の儀式』がようやくソフト化決定(2008年8月6日発売)。私はミア・ファローが20数年間ずっと好きでいる。ミアの出演作品はまだもう少し未見のものがあるけれど、今のところ、この作品が一等大好きなのだ。80年代にローカル(UHF放送)な映画番組からの録画のビデオを幾度もくり返し観ていたものだ。その放送は吹き替え版だったので、すっかりミア扮する風変りな気のふれた少女チェンチの台詞を暗誦してしまっていた程。そして、外国版のビデオを取り寄せて(当時は随分高かったのですが)英字幕ながらそれも幾度も観ているもの。この少女というのも設定では22歳なのだけれど、時が止まった少女のようなチェンチ(撮影当時のミアは24歳頃)。また、大女優のリズ扮する娼婦レオノーラの哀れさ、義父役のロバート・ミッチャムの不気味さ、美しい映像と少し怖いサスペンス仕立てはジョセフ・ロージー監督のお得意とするところ。最初に観たロージー作品はダーク・ボガード主演の『召使』!!

『ローズマリーの赤ちゃん』と同じ年に製作され公開されたもの。当時のミアはビートルズ達とインドに行ったりしていた頃だと想う。また、ミア・ファローが英国映画にとても合うのは少女期を英国で過ごし教育を受けた国なので。その後、アメリカで本格的な演技の勉強と舞台でデビューを果たすという経歴のお方。この『秘密の儀式』の大まかなあらすじは、9歳の頃に父を亡くし母親と再婚相手の義父と暮らしていた少女チェンチ。その母親も死んでしまう。そして、その義父は不審な男性でアメリカへ渡っていた。そんな母親の面影を忘れられず、豪華な豪邸で一人で暮らしている孤独な少女が、ふと町で母親に瓜二つの娼婦レオノーラと出逢う。レオノーラも溺死した幼い10歳の娘を忘れられず、墓地に参り彼女と心の会話をすることだけが楽しみな孤独な女性。やがて、二人は本当の母と娘のように生活を始めるのだけれど、チェンチの空虚な心は満たされることはない。現実と虚構を混同し自分だけの世界に埋没してゆくチェンチ(この辺りのミアの演技はハマリ過ぎ!)。また、この映画は主演はミア・ファローだとも言える脚本。なので、リズ・テイラーは助演を初めて引き受けた作品だそうだ(子役時代は別として)。私は共に主演だと想う。このお二人の奇妙さが素敵で大好き!レオノーラはチェンチを救うことは出来ずに少女は命を絶つ最期も壮絶。そして、葬儀の日にレオノーラは・・・。

《死んだ子供を忘れかねている売笑婦と、死んだ母を思って気が狂っている娘。「秘密の儀式」は、これをエリザベス・テイラーとミア・ファローという顔合わせで映画化した。これをジャンヌ・モローとジョアンナ・シムカスで演じさせなかったロージー監督の俳優感覚に注意したい。ジャンヌ・モローの智的さをリズは持っていないし、ジョアンナ・シムカスの美しい哀感をミア・ファローは持っていない。リズもミアも妙な云い方だが、どこか狂的なところがあって、まともでない女としては、リズとミアの方がずっと面白い。》 (淀川長治)

『秘密の儀式』 少女チェンチ(ミア・ファロー)と娼婦レオノーラ(エリザベス・テイラー)♪として触れたものの一部に追記致しました。

secretcinemachouchou
秘密の儀式/SECRET CEREMONY
1968年・イギリス映画
監督:ジョセフ・ロージー 原作:マルコ・デネビー 脚本:ジョージ・タボリ撮影:ジェラルド・フィッシャー 音楽:リチャード・ロドニー・ベネット 出演:エリザベス・テイラー、ミア・ファロー、ロバート・ミッチャム、ペギー・アシュクロフト、パメラ・ブラウン




  1. 2008/07/02(水) 00:42:45|
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『悪い種子(たね)』と『死の天使レイチェル』

悪い種子悪い種子(たね)/THE BAD SEED
1956年・アメリカ映画
監督:マーヴィン・ルロイ 原作:ウィリアム・マーチ 脚本:ジョン・リー・メイヒン  出演:パティ・マコーマック、ナンシー・ケリー、ヘンリー・ジョーンズ、アイリーン・ヘッカート、イヴリン・ヴァーデン、ウィリアム・ホッパー

マーヴィン・ルロイ監督の1956年映画『悪い種子(たね)』(原題は「THE BAD SEED」)。8歳の少女ローダ役のパティ・マコーマックの恐るべき演技力(生意気さ)に天晴れ!ブロンドに三つ網におリボン、可愛らしいワンピース姿とタップ靴、テイーパーティーごっこをするときなどは実に子供らしく愛らしい。しかし、非情なまでに良心に欠け、善悪の区別がなく、人の死や悲しみに微動たりともしない落ち着きぶりが恐ろしい。この”悪い種子”というのは遺伝のことで、この作品では間隔遺伝であるとされている。ナンシー・ケリー演じる母親は美しく上流階級のお方で優雅で心もお優しい。実は、彼女の母親(少女ローダの祖母)は殺人鬼で我が子も殺そうとしていたところ、当時の事件担当者の養女として育てられたのだった。彼女が2歳の時のことながら、幼い記憶が幾度も悪夢に現れるのだった。夢だと想っていたことが父を問いただし真実が分かる。ローダは書き物コンテストで優勝できずに2位だった。その優勝者の男の子は素敵なペンダントを貰う。それが欲しくて仕方がない。奪おうとして抵抗する少年を海で溺死させてしまう。その他にも近所に住むご夫人の置物を死後頂けると約束していたけれど、我慢できずにわざと階段で滑って事故死させてしまう。この少女の性悪なものを感じ取っている雇い人のリロイという男性がローダをからかったりする。そんな彼も納屋で焼け死ぬ...そんな時も常に心の動揺など無く、ピアノを弾いたり遊びに出かけたりするのだ。ああ、恐ろしい!

原作は共に、ウィリアム・マーチによるものが基になっているけれど未読。『悪い種子(たね)』の方のローダは8歳。そして、レイチェルの方は9歳で此方では父が亡くなっているという設定。大まかなお話の流れはどちらも同じだけれど、少女の印象が大きく違うので良い。個人的にはレイチェル役のキャリー・ウェルズの方が好きなのだけれど、この作品でしか知らない。ローダ役のパティ・マコーマックは演技力のある子役時代から今も女優業を続けておられる。脇役の大人たちも其々個性的。これはサイコスリラーとしてとても秀作だと想う。一見天使のような少女の邪悪な魂...それを遺伝という描き方をしている点も興味深いように想う。

このパティ・マコーマックは見るからに気が強そうでしっかりした少女。なので、リメイクである『死の天使レンチェル』(1985年)での少女レイチェル(名前はローダからレイチェルに変っている)を演じるキャリー・ウェルズの方がさらに怖さは倍増な私。見た目があまりにも愛らしい少女で、彼女は涙も流す。そんな表面とは裏腹に心の邪悪さがさらに恐怖に感じるのだと想う。こちらの母親役はブレア・ブラウン。どちらも母親が最も悲傷で罪は自分にあると責めるのだ、血のせいだと。でも、掛け替えのない我が子をこれ以上放っておくことも出来ず、人をこれ以上殺めてはならないのだと決断をする。二人共に死へと...しかし...。結末はこの二作品では異なる。

『悪い種子(たね)』の少女ローダと『死の天使レイチェル』の少女レイチェル♪として綴ったものに少し追記致します。

同じクラスの少年が海で溺死(母親は最初は全く娘を不審にも思わず事故死だと哀しんでいる)したことで、まだ幼いローダはどれ程ショックを受けて帰ってくるだろう...と二重の不安である。けれども、”ただの事故よ。”という感じでローラースケート靴に履き替えて笑顔で外に出かけるのだった。学校側は不審に想っている。また、亡くなった少年の母親が酔払って真実を!とローダとお話がしたいと2度やって来る。雇い人のリロイという男性はなかなかキーマンで、彼はローダの性悪な心を見抜き、やや妄想気味にからかったりする。それが大きく当ってしまい彼もうろたえる...しかし、彼もまた殺されてしまう。全て事故死のように周りは見える。最も嘆き苦しむのは母親で、どちらも母親役は素晴らしいと想う。リロイの休む小屋が炎を上げ、”助けてくれ!”と叫ぶ声が聞こえる中、ローダは動じることもなく「月の光」を弾いている。レイチェルのピアノ曲は「エリーゼのために」だったと想う。犯罪心理学、ミステリー小説、フロイトの名も出てきたりと変ったサイコ・スリラー作品で、優れたサスペンス映画だと想う。私はホラー的には感じなかったもので。でも、遺伝だとすると、その呪われた宿命を受けた少女が可哀想にも想ったり...。でも、母親の苦悩は想像できない程のものだろう!と余韻を残した。

THE BAD SEEDcinemachouchou
死の天使レイチェル/THE BAD SEED
     1985年・アメリカ映画
監督:ポール・ウェンドコス 原作:ウィリアム・マーチ  脚本:ジョージ・エクスタイン  出演:キャリー・ウェルズ、ブレア・ブラウン、デヴィッド・キャラダイン、リン・レッドグレイヴ、リチャード・カイリー



  1. 2008/06/30(月) 10:41:26|
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『アパートメント』と『ホワイト・ライズ』

アパートメント (ユニバーサル・セレクション2008年第5弾) 【初回生産限定】アパートメント/L' APPARTEMENT
   1996年・フランス映画
監督:ジル・ミモーニ 脚本:ジル・ミモーニ、ピラール・トマス=ジメネス 撮影:ティエリー・アルボガスト 音楽:ピーター・チェイス 出演:ヴァンサン・カッセル、モニカ・ベルッチ、ロマーヌ・ボーランジェ、ジャン=フィリップ・エコフェ、サンドリーヌ・キベルラン、エヴァ・イオネスコ


書こうと想っている映画は溜まる一方。これも随分前になるけれど『ホワイト・ライズ』を観て、『アパートメント』を観直した時の印象を。『ホワイト・ライズ』でのジョシュ・ハートネットはなかなか好きだった。ダイアン・クルーガーが好きなので観たのだけれど、ハリウッド・リメイクながら結構愉しめたもの。でも、『アパートメント』を久しぶりに再見すると、やはりこちらの方が断然面白くトリックも結末も悲愴感を残し好きだと再確認した。このフランス映画の『アパートメント』の共演を機に、ヴァンサン・カッセルとモニカ・ベルッチはご縁が出来ご夫婦となられたのだったと想う。今観ると、みんなお若い!ロマーヌ・ボーランジェ扮するアリス役が実はとても複雑で重要な役。そんな点も『ホワイト・ライズ』の方では違った感じ(リメイクなのだから同じではないのだけれど)。このDVD化のジャケットにも当時のビデオにも表紙に登場しないリュシアン役のジャン=フィリップ・エコフェも重要な役。私はこうしたややこしい展開のサスペンスは好きなのだけれど回転が鈍いので、幾度も観ないと理解できない。よって、これで『アパートメント』は3度観たことになる。秀作だと想う!エヴァ・イオネスコがちょこっと空港の受付で出演しているけれど、このお方はやはり少女時代が良い★

『アパートメント』の劇中で、効果的にかつ印象深く使われている楽曲は、シャルル・アズナヴールの『今ぞ、この時』(名曲!)。『ホワイト・ライズ』では英米のインディーシーンの楽曲たちが多く流れていたけれど、私の大好きなマジー・スターの『フラワーズ・イン・ディセンバー』も使われていてこれはとても嬉しかった!!

ジョシュ・ハートネット主演の2008年作品で『8月』(仮題)ではデヴィッド・ボウイ様とも共演されている。未見なので公開が楽しみ♪そろそろだろうか...。それにしても、最近のアメリカ映画はリメイクが目立つように想うのだけれど、音楽だってカバー曲が目立つのと同じなのだろうな。良い作品は受け継がれてゆくものなのだと想う♪

★《アパートメント》の主要な役柄とキャスト★
マックス役:ヴァンサン・カッセル 
リザ役:モニカ・ベルッチ 
アリス役:ロマーヌ・ボーランジェ 
リュシアン役:ジャン=フィリップ・エコフェ 
ミュリエル役:サンドリーヌ・キベルラン 

★《ホワイト・ライズ》の主要な役柄とキャスト★
マシュー役:ジョシュ・ハートネット
リサ役:ダイアン・クルーガー
アレックス役:ローズ・バーン
ルーク役:マシュー・リラード
レベッカ役:ジェシカ・パレ

ホワイト・ライズホワイト・ライズ/WICKER PARK
   2004年・アメリカ映画
監督:ポール・マクギガン 脚本:ブランドン・ボイス 撮影:ピーター・ソーヴァ 音楽:クリフ・マルティネス 出演:ジョシュ・ハートネット、ダイアン・クルーガー、ローズ・バーン、マシュー・リラード、ジェシカ・パレ



※こちらの映画ブログ(『クララの森・少女愛惜』では少女や少年映画のことを綴っています)にも、好きな映画が沢山あるので、もっと更新をマメに綴ってゆこうと想います。どうぞ宜しくお願い致します!



  1. 2008/06/09(月) 19:41:19|
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プレステージ

prestigecinemachouchou

プレステージ:THE PRESTIGE
監督:クリストファー・ノーラン 出演:ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベイル、マイケル・ケイン、スカーレット・ヨハンソン、デヴィッド・ボウイ、アンディ・サーキス、レベッカ・ホール、パイパー・ペラーボ
(2006年・イギリス/アメリカ合作映画)

この『プレステージ』は、クリストファー・ノーラン監督がクリストファー・プリーストの『奇術師』の小説を5.6年かけて映画化したものだそうだ。私はお友達に教えて頂き、最終上映日にどうにか観ることができ、とても嬉しかった。不思議な巡り合わせだけれど、違うお友達に少し前にお借りした作品もノーラン監督のもの。また、近い内に観て感想をこちらで書こうと思っているもの。

舞台が19世紀末ロンドンと正に好きな時代。ヴィクトリア調のお衣装たちも素敵だった。主役はヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベイル(ベール)。クリスチャン・ベイルは子役時代から活躍されているお方だけれど、いつの間にか、すっかり好きな男優さまとなっている。ヒュー・ジャックマンもハンサムだし、脇役のマイケル・ケインやスカーレット・ヨハンソン他、キャスティングが私の好みにピッタリで、ストーリー展開も時間軸が交錯するうえ、ラストは驚愕!さらに、かの発明王エジソンを震撼させた実在の天才科学者ニコラ・ステラ(この映画で初めて知った)を演じるのは、デヴィッド・ボウイさま☆で、黒く髪を染め口ひげ姿のボウイ。出演シーンは少ないけれど存在感を残していた!(私がこう言っても全く説得力ないと思う。でも、先にご覧になったお友達もそのように仰っていた。)パンフレットにある監督のボウイ起用のインタビューを、証明の如く掲載させて頂こう♪

何故、ニコラ・ステラ役をボウイに依頼したのか?...
「彼には、”この人は普通ではない。欲しいものは何でも可能にしてみせる人だ”と感じさせるカリスマがある。そういう役を誰もが知ってる映画スターにやらせると、観客の気が散ってしまって、マイナスだ。ステラは、是非デヴィッドにやってほしいと思った。僕はニューヨークまで彼を訪ねていって、とことんお願いしたんだ。彼は映画にはあまり出たがらないほうで、今回もすぐにはイエスと言ってくれなかった。でも、僕は、ステラ役には彼以外は考えつかなかったんだよ。もともと彼の大ファンでもあるし。」
偉い!!と、ノーラン監督がさらに好きになった私である。

奇術がとても盛んだった時代だとは伝え聞くけれど(フーディニーなど)、このような内容の映画は初めてだった。130分の作品、全くどうなるのだろう...と魅入っていた。二人のマジシャンはライバル同士、それも宿命の。人間のもつ執拗なまでの執着心と情念は悪意すら生む。そのような空気を主演のお二人は見事で、そんな中でマイケル・ケインが居るので人間の温もりのようなものが加わる。この役はマイケル・ケインならでは!だと思った。スカーレット・ヨハンソンもイメージにあった(私には)役柄に思えた。キャスティングが如何に重要であるかと感じることが出来て、映画自体がトリック装置のようなもので、ラストも読みの浅い私はビックリ仰天!と同時に凄い!と喜々とした気分で、エンドロールを眺めていた。そして、”うむ?!このお声は”となり、最後にまだ私に喜びを与えて下さったのは、そのエンディング曲がトム・ヨークであったこと★とても気分の良い、ミステリアスなドラマを堪能したように思う。


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  1. 2007/07/17(火) 10:47:16|
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タクシー・ドライバー

タクシー・ドライバー【ワイド版】 タクシー・ドライバー:TAXI DRIVER【ワイド版】
監督:マーティン・スコセッシ 出演:ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ジョディ・フォスター、ハーヴェイ・カイテル (1976年・アメリカ映画)

最初に観たのはテレビで多感な頃。何かがこの作品に対して残ったまま今日に至る気がしてならない。去年も再見し、今年も。年月が経過する中で病めるアメリカ、世界の大都市ニューヨークで生きる人々、街の光と影。時代への叛逆。若者の孤独と混沌としたものが不気味に胸に突き刺さるばかり。この頃のデ・ニーロの蒼白な顔つきは好きだけれど、ここでのトラヴィス役は何だろう...凄まじい。70年代のアメリカ、アメリカン・ニューシネマの名作に違いないのだろう。スコセッシ監督はカンヌでパルムドール受賞作品ながら、本国アカデミーは候補に挙がりながら受賞を逃した。デ・ニーロもジョディも。バーナード・ハーマンの珠玉のスコアも...映画賞の受賞ってなんと困難で大きな意味があり、またはあまり関係ない気もする。

トラヴィスが恋心を抱く女性ベッツィー役のシビル・シェパード、街に立つ娼婦アイリス役の撮影当時12歳〜13歳のジョディ・フォスター!お若いハーヴェイ・カイテルは壮絶な最期を迎えるスポーツ役。スコセッシ監督もちょこっと出てくる。凄い豪華な脇役と主役のデ・ニーロにため息。

私はこの映画が好きか?と問われたなら、今もまだ答えられない。でも、この恐怖感は今を生きる私達にとてもリアルな感覚も持ち合わせているように思う。30年前の作品なのに!一見、英雄のように映るトラヴィス。そこが怖いと思うし、今的な気がする。華やかな街のざわめきを照らすネオン。タクシーで徘徊しながらトラヴィスは不浄な世界が目に付き苛立ちと持って行き場の無い怒りと孤独が募る。ベトナム戦争から帰って来たというのも要因だろう。恋も実らず、ますますやるせない気持ちが狂気を伴っていく様から終盤へ...壮絶だ。見事過ぎて怖い!

この映画の公開後、少女ジョディは、ある熱狂的なファンによるレーガン大統領が襲われるという事件が起こり大きなショックを受ける。演技者として優れた才能は映画を離れても予期せぬ形で影響を与えてゆく。現実と妄想の境目が不安定になるというお方も多い。幸い、どうにか私は映画が大好きで感情移入し過ぎて時に暫く境界を彷徨う一瞬がある。それが魅力だとも思っているし、映画は最良の娯楽だと思っているので、美しい風景の中にいつまでもいたいと願う作品に感銘を受けても、また現実に戻ることができる。多くの映画好きなお方はそうだろうし、もっと細かい分析をされたり、かなり精神的な衝撃を受け深い思考に陥ることもあるだろう。何が言いたいのだろう...よく自分でも分からないけれど、デ・ニーロは優れた名優だけれど役柄のトラヴィスではない。そして、トラヴィスは結果的にアイリスを救ったけれど彼女のためという英雄劇ではなく、己との葛藤や憤り、都会の孤独や寂寥が痛ましいデス・コミュニケーション。この残像が30年経った今もリアルに色褪せないものとして伝わってくるように感じる。

サイドには欧州映画やアート系作品を多く並べている私。映画も音楽もだけれど、メジャー作品、ヒット作品、マイナー作品、インディー作品...とどこにも素晴らしいものがある(面白くないものもあるけれど)。マニアックな作品やアート系を好む私もいるけれど、語り継がれる名画、優れたスタッフが集結して生まれる素晴らしき世界を見逃すには勿体無い!そして、また観たいと思う映画に出会えることが嬉しい。

taxidrivercinemachouchou
乗客役のスコセッシ監督とトラヴィス(デ・ニーロ)★


  1. 2007/06/12(火) 11:20:12|
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ギャンブル・プレイ

ギャンブル・プレイ ギャンブル・プレイ:THE GOOD THIEF
監督:ニール・ジョーダン 出演:ニック・ノルティ、チェッキー・カリョ、エミール・クストリッツァ、ナッサ・クヒアニチェ、レイフ・ファインズ、ジェラール・ダルモン、サイード・タグマウイ (2002年・イギリス/フランス/カナダ/アイルランド合作映画)

チェッキー・カリョとエミール・クストリッツァが出てると知り観たのだけれど、とっても気に入ってしまったもの。主役のボブはニック・ノルティ。あのしゃがれた声とお年を召され深みを感じるお方だと再認識。友人にファンの方が居るのだけれど、私はようやく彼が好きな理由が少し分かった気がした。男性から見てどこか渋さを感じさせるようなお方に思う。この原作はフィルム・ノワールの巨匠ジャン=ピエール・メルヴィルの『賭博師ボブ』だと後から知り、”カッコイイ"筈だと納得したり。このもう賭博から足を洗おうと決めた中年ボブ。しかし、仲間のトラブルなどもあり、最後の大仕事をカジノで決行する。脇役も私には豪華過ぎて、これは多分笑ったりする場面ではないだろう...と思いながらもクスクスしたり(特にエミール・クストリッツァ監督なのだけれど)、レイフ・ファインズは画商役で騙され損する、そして、長年ボブを追う刑事ロジェのチェッキー・カリョ!このお方、お年を召される毎にダンディというかハンサムだけれど屈折した素敵さで超ミーハー気分で観てしまう。また、このボブとロジェは追われ追う立場ながら、どこか友情めいたものがある。もう、そういうの大好き!なので大満足。

若いヒロイン役のアンを演じるナッサ・クヒアニチェがまた可愛い♪ドイツ人で可愛い容姿とはギャップも個性な太めのお声。最後は夜明けをボブと一緒に歩いてゆく...エンディングではニック・ノルティの歌声も。こういう犯罪ものだけれど、香る男のロマン。好きなのだ♪カテゴリーは「フィルム・ノワール」にいたします(これも時代の空気感だろうか、嘗てのメルヴィル作品のブルーさとは違いますが)。でも、「男のロマン」という感じはとても好きです。それにしても、おじさま男優さま達、世界的に頑張っていますね。女優さま達も同じく♪

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  1. 2007/02/08(木) 06:21:19|
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「フィルム・ノワール」について

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フィルム・ノワール」という言葉や作品がずっと好き。特に父がそれらの時代の作品を好んでいたことで影響されたように思う。嘗てはフランス語なのでフランス映画だけに限られた呼称と思っていた。元来は1940年〜1950年頃のアメリカでの男たちの犯罪映画(『マルタの鷹』ハンフリー・ボガードが粋!などの優れた作品が多数ある)が先だと知る。私が好む「フィルム・ノワール」ものはフランス映画が中心となりそう。しかし、今の時代ではもうほとんど見られなくなったよう。ジョゼ・ジョヴァンニ監督が亡くなった時、その思いは強く感じた。でも、映画は色褪せることはない。優男も好きな私ながら、このような社会の裏側、ある意味ドロップアウトした男たちの世界、そこに描かれる友情や裏切りや復讐。任侠の世界。乾いたブルーさと男の心意気!女性の私には持ち合わせていない美学がこれらの世界にあり、それらに憧れるのだろうか...ミステリアスな存在として悪女も登場することも多く、それらの女優さまに好きなお方も多いのも魅力。時代的には限られた作品となり、最近の犯罪サスペンスやギャング映画などは違うカテゴリーに入れさせて頂きます。曖昧な私なりのカテゴリー。微妙に迷うものも多いけれど、どうぞご了承ください。


  1. 2007/01/17(水) 15:45:10|
  2. フィルム・ノワール|
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太陽がいっぱい

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太陽がいっぱい/PLEIN SOLEIL
1960年・フランス/イタリア合作映画
監督:ルネ・クレマン 出演:アラン・ドロン、モーリス・ロネ、マリー・ラフォレ

アラン・ドロンの名は永遠だろう。この『太陽がいっぱい』はきっと今後ずっと名画として語り継がれてゆくもののひとつだと思う。これはパトリシア・ハイスミスの原作を、ルネ・クレマンが脚本化し映画化されたもの。好きな名場面の連続で大好き!こんなに幾度も観たくなる映画なのだからかなり好きなのだろう。アラン・ドロンがトム・リプレーを演じるにあたって、ルネ・クレマン監督は原作から部分的に変えていったように思えてならない。当時24歳の美青年、演技だけではなくアラン・ドロンというお方の内から滲み出る背徳の匂い、そのような魅力を監督は察知していたに違いないと。当初はモーリス・ロネがリプレーという設定だったともお聞きする。モーリス・ロネもハンサムで素敵なお方。淀川長治さんは古くからこのリプレーとフィリップの同性愛的な描写について語っておられた。私は最初は貧しい青年の嫉妬心からの完全犯罪を描いたものだと思っていた。でも、何十回も観る映画のひとつなので、今ではちょっとしたふたりの会話やシーンを思い浮かべそのようなニュアンスを感じることもできるようになった。そして、美しい男同士だからこそ描き得た、何とも言えないナルシシズムが香る。カミュの『異邦人』が少し重なったりも。そして、カテゴリーはサスペンスに入れたのだけれど青春映画だとも思う。
モーリス・ロネ、アラン・ドロン、マリー・ラフォレという美しいこの組み合わせも完璧!少しずつ実年齢が離れていてそれぞれの魅力がどのシーンにも見られる。青い海と空、そして太陽。終盤の破綻の訪れ寸前の海辺のリプレー。”太陽がいっぱいだ。”と語る。マルジェの手にキスをする時のあの陰鬱な野心に満ちた眼差しのインパクト!同じ1960年にルキノ・ヴィスコンティ監督は『若者のすべて』で心優しい青年役としてこれまた哀しくも美しくアラン・ドロンの眼を捉えている。でも、全く違う。アラン・ドロンのお話も尽きない私...。そうそう、船上での3人のやり取りも複雑なお互いの心理描写でドキドキする。そして、忘れてはならない!この映画が完璧だと思うのは撮影がアンリ・ドカエ。そして、あの哀愁を帯びた旋律の名曲はニーノ・ロータ。嗚呼、見事な揃い組み。両親の洗脳から小学生の時から”アラン・ドロン好き〜♪”と言っていた私はいつの間にかアラン・ドロンのファンに自らなってゆき、今も毎年アラン・ドロン大会をしてしまう。モーリス・ロネも素晴らしいお方なのでもう少し長生きして頂きたかった。マリー・ラフォレは歌う女優さまのおひとりでもあり、レコードも色々持っている。60年代から70年代頃のそれらのジャケットを時折眺めるために並べてみたりする。とっても美しいお方でうっとり☆

*マット・デイモンの『リプリー』はリメイクというか別物として楽しむ方がいいと自分に言い聞かせている。そう考えないとどうしたって比較してしまう。でも、ジュード・ロウは美しかったけれど〜♪

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  1. 2007/01/14(日) 11:10:33|
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フライトプラン

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フライトプラン:FLIGHTPLAN
2005年 アメリカ映画 ロベルト・シュヴェンケ監督

出演:ジョディ・フォスターショーン・ビーンピーター・サースガード、マーリーン・ローストン、エリカ・クリステンセン、ケイト・ビーハン

ジョディ・フォスターの復帰主演作だというのに劇場で観ていない。好きな女優さまなので落ち着いて観たい。やっと先日観る事が出来た。ジョディは航空機設計士という役でその最新型の豪華で大きな飛行機。その中での密室サスペンス。そして高度一万メートル。(高所と閉所恐怖症の私はその設定だけでもハラハラしてしまう。)ご覧になられた方も多いと思うのだけれど、犯人分かりますよね?!って思った。私はあまり推理力に長けてる方ではないのに、結構最初の方からカーソン(ピーター・サースガード)が怪しい感じがしていた。相棒がいた事までは分からなかったけれど。でも、もしかするとカイル(ジョディ)の妄想なのかな?と思ったり。機長役が凛々しくキマッテいた!ショーン・ビーンも含めてみんなに騙されてるのかな?ともちょっと...。ジュリアン・ムーアの『フォーガットン』と少しダブルところがあったりして。母親と子供という設定なので。

娘ジュリア(マーリーン・ローストン)は少しの台詞しかなかったけれど可愛い少女だった。そのジュリアと一緒に最初に機内に乗り、ジュリアは窓際の窓ガラスにハートマークを小さな指で描いていた。そのマークをなぞるカイル。彼女の妄想ではない!とハッキリしていく。もう少し、二転三転するお話展開だともっと良かったかも?でも、ジョディはカッコイイ!彼女の存在感が大きいので一人目立っていたように思うのは贔屓目だろうか。そして、母は強いものだなぁ〜と。絆というものは目に見えない強さ。そんなことを『フォーガットン』も同様に感じたこと。

それにしても、この様な役はジョディのイメージみたいになっているのかも。でも、これからも色んな役を演じたり監督したりするのだと思うので、今後の作品が楽しみ♪そして、あのブルーな瞳は相変わらず美しかった!


  1. 2006/09/12(火) 08:51:28|
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仁義

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仁義:LE CERCLE ROUGE
1970年 フランス映画 ジャン=ピエール・メルヴィル監督

出演:アラン・ドロン、イヴ・モンタン、ジャン・マリア・ヴォロンテ、ブールヴィル(アンドレ・ブールヴィル)、フランソワ・ペリエ、ポール・クローシェ

またまた運命の輪の如く、偶然BS放送で『仁義』を観た。大好きな映画!なので、もう英語版も含めると結構観ている。生きている間、またこうして観るだろうからきっと50回は観るような気がする(回数はどうでもいいのだけれど)。最初はアラン・ドロンがお目当てだった。勿論、ここでもカッコイイ。そして、イヴ・モンタンの渋さにゾクゾクしてからはモンタン中心に観る時期があった。今回もやっぱり、モンタン、渋すぎるくらいにカッコイイ!ブールヴィルもフランソワ・ペリエも、ジャン・マリア・ヴォロンテも...みんなカッコイイ!

こうして、私は「カッコイイ!」ばかり連発してしまう。でも、それぞれのカッコ良さで同じではない。この映画の主要な役の中で、アラン・ドロンは一番お若い。モンタンは一回り以上年上だし、ブールヴィルは遺作だと思う。そして、この名優さま達は他の作品でも共演作が繋がっていて、考え出すと楽しくなるのでノートに書き出してみたりしていた。嗚呼〜愉快!もうお一人、ポール・クローシェという名脇役を忘れてはならない!私。フランスのフィルム・ノワールと呼ばれる名作には多数出演されている。でも、主役はドロンやリノ・ヴァンチュラだったり、シモーヌ・シニョレやアニー・ジラルドという名女優さまの脇にいる。でも、脇役が一流だとさらに良いわけで...。もう、楽しくって何を書いてるのやら。

ジャン=ピエール・メルヴィル!この監督は役者としても結構登場されるけれど、このブルー・トーンな映像とストーリー(脚本)は大好き。『サムライ』も『影の軍隊』...も全部。でも、『仁義』はモンタンのあのアル中の震える手、落ちぶれた元刑事。でも、男同士の計画。ここぞ!という時に見事な射的。そして、この1970年という好きな時代に既に中年のモンタン。ペリエもそうだけれど、あのお顔の皺が実に素敵なのだ。私は自分が年を重ねたという事もあるのだけれど、最近皺の渋さに見とれてしまう。大女優のジャンヌ・モローはもうその最高峰だろう。リヴ・ウルマンもいい。もう少しお若いお方だとヴァネッサ・レッドグレーヴ、シャーロット・ランプリングさま...。嘗てはヘルムート・バーガーさまをお目当てに観た『コードネームはエメラルド』。その主演のエド・ハリスがここ数年で私の中で大ブレイクを起こしている。見る度に皺が深く刻まれるトミー・リー・ジョーンズとか。

この『仁義』という邦題は日本人なので分かり易い。原題は赤い輪、運命の宿命の赤い輪。この5人の男達の「仁義」な美学。分け前は要らない(自分との決着をつけたかっただけだと。きゃぁ〜素敵★)とモンタン(ジャンセン)、でも、最後まで見届けるからとドロン(コリー)と車で向かう。死を共にすることになるのだけれど。ヴォロンテ(ヴォーグル)は最後近くに「何故、黙っていたのだ。」とブールヴィル(マティ刑事)に訊かれ「仁義だ。」と一言語る。フィルム・ノワールの巨匠のお一人とされているメルヴィルが残した脚本を元に、2002年に『ギャンブルプレイ』としてニール・ジョーダン監督で映画化された。この映画も大好き!な訳が後から判明。脚本がメルヴィルだもの〜!って。ニック・ノルティが落ちぶれたギャンブラー。何か企んでいるぞ?!と追う刑事がチェッキー・カリョ。この追われる男と追う男、実は何か友情で結ばれている。そういう演技はこうした渋い役者でないとカッコ良くはない。そう、エミール・クストリッツァ監督も金庫破りの仲間のお一人として出演していて嬉しい。色々思いついてしまうけれど、繋がっているので楽しくてしかたがない。フランスの脚本がイギリスやアメリカ、ドイツやユーゴの映画人達によって甦った。すっかり、めちゃくちゃな取り留めのない内容を一気に綴っているのだけれど、忘れてはいけないなぁ〜と思う、もう一つの素晴らしさ。『仁義』の事だけれど、音楽も絶妙!エリック・ドマルサンによるジャズが実にクール。そして、宝石店に押し入り逃亡するまでのあの静寂さ。台詞がない!ドロンもヴォロンテもモンタンも喋らない。勿論、ハラハラさせる効果音もない。あの台詞のない緊張感にドキドキさせられる。絵になる男達でないとあの長さは持たないだろうと思う。と、贔屓目いっぱい!で文句無しの名作を堪能した。また、直ぐにでも観るかも♪


  1. 2006/08/18(金) 08:49:14|
  2. フィルム・ノワール|
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大統領の陰謀

2006-07-17.jpg

大統領の陰謀:ALL THE PRESIDENT'S MEN
1976年 アメリカ映画 アラン・J・パクラ監督

出演:ダスティン・ホフマンロバート・レッドフォードジェイソン・ロバーズジャック・ウォーデン、ハル・ホルブルック、マーティン・バルサム、ジェーン・アレクサンダー、ネッド・ビーティ

先月から続く腹痛がやっと最近マシになってきた。持病みたいなもの、上手く付き合うしかない。そんな私に音楽と映画は欠かせない。6/24に大好きなドミニク・サンダさま♥の『ルー・サロメ 善悪の彼岸』の完全版の上映を観に行って来た。この日は朝からワクワク♪ドキドキで一日中快適な気分だった。「BRIGITTE」内でも以前にこの作品のことは少し書かかせて頂いたのでここでは報告までに。それに、うっとりと動くドミニクさまばかりを「嗚呼、お美しい〜★」と見つめるばかりだったのだし♪

最近はというと、何故かダスティン・ホフマンものを連続して観ていた。「マラソンマン」「ネバーランド」(ジョニー・デップが主演だけれど)「真夜中のカーボーイ」、そして、この「大統領の陰謀」。同じ頃、また「JFK」やジャック・ニコルソンの「ホッファ」と何故だかケネディ暗殺、ニクソンに関する映画を観て学校では教えてもらえなかったこと、アメリカの大きな事件、アメリカの汚点の一つとも言えるこれらの事件を回らない頭で色々考えていた。描く監督はアメリカ人。アメリカという国はあまり好きではないかもしれない私。でも、全てが嫌いではないし好きなもの、アーティストもいっぱい。そして、何も知らないのだ。日本人でありながら日本のこと、歴史だって...。

元ニクソン大統領のウォーターゲート事件。この事件は私も子供だったけれど報道を少しだけ覚えている。でも、カール・バーンスタインとボブ・ウッドワードという新聞記者の方々の徹底した飽くなき追跡、調査、忍耐力があって公のものとなったとは!アラン・J・パクラ監督作品は割と好き。テンポと展開するサスペンス感覚など。実在の二人はこんなにハンサムではないだろうけれど、とっても勇敢でカッコイイ!上司であるジェイソン・ロバーズの威厳。ジャック・ウォーデンはここでもやっぱり名脇役として光るお方だった。1976年の作品なのでパソコンのキーボードではなく、タイプライター。常にメモを速記する。相手は大物たち。あるのは真実を追究しようとする正義だろう。有耶無耶にされていただろう大事件の陰にこの様な人達の命がけの行動があったのだ。それを監督は映画化し、もうお亡くなりになったけれど作品はこうして私も何度でも観ることが出来る。背が高くハンサムなレッドフォード、長髪だった頃のホフマン。共にとってもカッコイイのだ。

『JFK』のオリヴァー・ストーン監督は実際にベトナム戦争に従軍していた。そんな方が自らの国の汚点に疑問と研究を重ね、次々と問題作を作り続けている。いつも『JFK』が放送されると観てしまう。豪華なキャスティングというのもあるけれど最後の活字が脳裏に焼き付き、同時に少し怖くなるのだ。「過去の出来事はプロローグである。」と。ダラスでのケネディ大統領暗殺、そして兄弟とも暗殺されるなんて!途轍もない大きな力、情報操作、抹消された資料もあるだろうが記録されたこの事件の膨大な資料は2029年まで未公開という事だそうだ。映画はいくら社会派といえども娯楽として鑑賞出来る。この様な謎に包まれた題材の作品は本当のところは分からない。でも、娯楽から問題提示される事だってあっていいと思う。


  1. 2006/07/17(月) 08:32:12|
  2. 社会派ドラマ・法廷もの|
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隠された記憶

隠された記憶隠された記憶:CACHE
(2005年・フランス/オーストリア/ドイツ/イタリア合作映画)
 
監督:ミヒャエル・ハネケ 出演:ダニエル・オートゥイユ、ジュリエット・ビノシュ、モーリス・ベニシュー、アニー・ジラルド、ダニエル・デュヴァル、ナタリー・リシャール、ベルナール・ル・コク



「フランス映画祭2006」、もちろん全作品を観る事は出来なかったけれどこの『隠された記憶』はとても良かった。決して爽快な後味ではないけれど好きな作風なのだ。去年のカンヌ国際映画祭でハネケ監督は監督賞を受賞された。TVで観ていたので少し内容が映し出されれ、監督も好きだけれどダニエル・オートゥイユとジュリエット・ビノシュの共演というのも興味のあるものだった。私は映画館に行く時、大抵はあまり予備知識無しで行く。なので、アニー・ジラルドがジョルジュ(オートゥイユ)の母親役で出演されていて嬉しかった。アラン・ドロンが尊敬している女優として、シモーヌ・シニョレと共にアニー・ジラルドを挙げておられた事を思い出す。

オープニングからジョルジュとアン(ビノシュ)夫妻の住む家の正面が映し出される。途中「あれ?画像が...」と思っているとそれは何者かが送ってきたビデオだったのだ。得体の知れない恐怖と緊張が次第に夫婦感に生まれる。こういうストーカー行為というのは現実に行われているし、観る側の私も現実に起こりうるこのような冒頭から少しドキっとしていた様に思う。まだ公開されたばかりなのであまり内容は書かない方が良いのかも?

今も何かを考えている私、この映画を観て。長い余韻が残る映画だ。ハネケというとイザベル・ユペール主演の「ピアニスト」が有名だと思う。あの映画も大好きだけれど重いなぁ...今回も。色んな問題がこの約2時間の中に込められていると思う。色々考える。40年も前の事、たかが子供の悪ふざけ...。しかし...。子供って可愛いけれど、時にとても残酷。純粋なゆえの残酷さという事...。ただ、自分の立場を登場人物のいろんな人に当てはめて考えてみるとますます考え込んでしまう。人種問題もここには含まれているし。隠された記憶、その時間、その時が運命を変えてしまう事がある。その時が不幸への始まり、孤独への始まりだとしたら...。40年も前の事、と笑って忘れられないこともあるのだと思う。ジョルジュは忘れてしまいたい昔の記憶で、罪悪感も感じていた様には思えなかったけれど、2度目に送られてきたビデオ、次の不気味な絵...と差出人が浮び出す。でも、妻にも話せない。終盤のショッキングなシーン。ハッキリとした終わり方ではない、観る側の私は今も考えている。ハネケ監督の伝えたいことは?こういう状態なのだと思う。帰り際、「結局、どうやったんやろう?」と前を歩く女性お二人がお話されていた。私も同じ様に考えていた。そして、今も考えている。


  1. 2006/03/16(木) 08:12:20|
  2. サスペンス・ミステリー|
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